ダイヤモンド生産国ランキング、産出量1位はロシア!驚きの採掘方法

ダイヤモンド生産国ランキング、産出量1位はロシア!驚きの採掘方法

世界でもっとも硬い宝石であり、ブライダルジュエリーとしても定番のダイヤモンドですが、どこの国で産出され、またどのようにして採掘されているのか疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、

「ダイヤモンドの産出国を知りたい」
「世界で一番ダイヤモンドが採れる国はどこ?」
「ダイヤモンドの採掘方法を知りたい」

などの疑問におこたえしています。

また、ダイヤモンド採掘ツアーについてや、日本でダイヤモンドは採れるのか?日本で採掘体験ができる場所は?などについてもご紹介しています。

そもそもダイヤモンドはどのような場所にできるのか

ダイヤモンドがある場所のことを「ダイヤモンド鉱床」 といいますが、ダイヤモンド鉱床はキンバーライト(火山岩)でできています。

【キンバーライトとは】

キンバーライトはカンラン石と雲母を含んだ火成岩のことで、一部のキンバーライトからダイヤモンドの原石が算出される。

キンバーライトは7,000万年前から1億2,000万年前に生まれました。時代は白亜紀、恐竜が地球上に存在する時代です。

人類が誕生するはるか遠い昔にキンバーライトは誕生し、そのなかからまたいくつかの条件をクリアしてダイヤモンドは生まれたのです。

ダイヤモンドが生成されるには2つの条件があります。

1.マントル内の深さが120km
2.1,000度に近い温度

つまりダイヤモンドの結晶が生まれる環境は、古くから存在する大地であり、なおかつ固いマントル内であること。そしてマントル内にしては低温である1,000度に近い温度の場所である必要があります。

1,000度を超えると石墨(グラファイト:鉛筆の芯の原料)になってしまうので、ダイヤモンドはまさに奇跡の宝石ともいえるでしょう。

ダイヤモンドを産出している国の数

ダイヤモンドの産出国は、2018年時点で24ヵ国あります。 国によってはダイヤモンド産業が国家の財政を支えていたり、また悲しいことに紛争や環境破壊の原因になっていたりと、ダイヤモンドの存在が我々人類に大きな影響を与えている国も存在します。

ところで「このダイヤは〇〇産なので高品質ですよ」といったセールストークをされたことはありませんか?

たしかに、産出量の少ない国のダイヤモンドはレアである気もしますが、ダイヤモンドの評価は鑑定書にも記載される4Cが基本です。

ダイヤモンドの4Cとは?ダイヤの価格を決める品質ランク【保存版】

産出された国によってダイヤモンドの価値が決まるわけではないので「私たちが暮らす地球で生まれたダイヤモンド」として、永遠の輝きを愛でられてみてはいかがでしょうか。

採掘量が多い主な鉱山とダイヤモンド枯渇によって閉山した鉱山

ダイヤモンドが採掘される鉱山はいくつかありますが、その中で特に有名な鉱山は以下の通りです。

  • ウダーチナヤ(ウダーチヌイ)鉱山:ロシア
  • ジュワネング鉱山:ボツワナ
  • ガーチョ・クエ鉱山:カナダ
  • ベネチア鉱山:南アフリカ
  • カリナン鉱山:南アフリカ

また、ダイヤモンドが枯渇したことで閉山となる鉱山もあります。天然資源であるダイヤモンドは結晶が形成するには数百万年から数億年もかかりますが、人類が誕生してから急激なスピードで採掘し続けており、誕生ペースよりも消費ペースの圧倒的な速さによって今後も枯渇していくとみられています。

ダイヤモンド鉱山は、鉱脈の発見からおよそ50年で閉山するとされています。これは鉱石の枯渇、つまり産出量と鉱山稼働コストが見合わず閉山となるのです。

これまでに閉山したダイヤモンド鉱山と、閉山予定の鉱山を紹介します。

国名鉱山名閉山時期特徴
ロシアミールヌイ鉱山2004年最盛期には年間1,000万カラットの産出量
オーストラリアアーガイル鉱山2020年最大規模の希少なピンクダイヤモンド産出鉱山
カナダダイアヴィク鉱山2032年予定2002年から採掘期間20年の予定で操業していたが、採掘技術が向上したことで採掘期間延長

ダイヤモンド生産国ランキングTOP10

それではダイヤモンドの産出量が多い国をトップから順にご紹介します。

1位|10年以上産出量トップ/ロシア

ダイヤモンドの産出量が世界一多いのはロシアです。2015年の統計でダイヤモンドの採掘量は25.4トンありますが、そのうちの32%はロシアで採掘されたものです。

ロシアにはダイヤモンドを含む火成岩がまとまった場所、キンバーライトパイプが1,000カ所以上存在し、大きくて高品質のダイヤモンド原石が発掘されます。

特に、ロシア北西部にあるウダーチナヤ鉱山がダイヤモンド産地として有名で、ロシアで採れるダイヤモンドの85%を占めます。

ウダーチナヤ鉱山のほかに、シベリア地域のミール鉱山やジュビリー鉱山もダイヤモンド産出地として有名です。

ロシアは10年以上ダイヤモンドの産出量が1位で、今後しばらく衰えることはないと見られています。

ただし、近年のウクライナ侵攻によりロシア産のダイヤモンドに対する不買運動が世界各地で行われており、ダイヤモンド市場に少なからず影響が出る見込みです。

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2位|ジュエリークラスのダイヤ/ボツワナ

アフリカ南部に位置するボツワナは、ダイヤモンド産出量2位の国です。

ボツワナのダイヤモンド産出量はロシアの約半分ですが、良質なジュエリークラスのダイヤモンドが採れるのでバイヤーから人気があります。

ボツワナにはジュワネング鉱山やレトルハカン鉱山、オラパ鉱山があり、国の輸出額の約80%をダイヤモンドが占めます。

3位|氷の道を通って/カナダ

ダイヤモンド産出量第3位のカナダにはエカティ鉱山があり、そこで採れるダイヤモンドの量は世界総産出量の4%に相当します。

エカティ鉱山から30km離れた場所にはダイアヴィク鉱山があり、いずれもとても寒く氷の道を通らなければ行けないような場所にあります。

その他、ガーチョ・クエ鉱山、スナップレーク鉱山、ビクター鉱山などがあります。

4位|豊富な地下資源/コンゴ民主共和国

アフリカ中央部に位置するコンゴは、ミバ鉱山やムブジ・マイ鉱山がダイヤモンドの産出地として有名です。

コンゴは地下資源が多くダイヤモンドも豊富に採れますが、紛争当事者の資金源となる「紛争ダイヤモンド」が問題視されていました。

しかし現在はキンバリー・プロセス(ダイヤが暴力に加担していない証明)のメンバーになり、世界の約8%のダイヤモンドを輸出しています。

5位|近年は減少傾向/オーストラリア

オーストラリアのダイヤモンド生産は西オーストラリア州のみでおこなわれており、そのほとんどがアーガイル鉱山から産出されるものです。

アーガイル鉱山は希少性の高いピンクダイヤモンドの産出地として有名でしたが2020年に閉山してしまいました。オーストラリアは2003年頃まではロシアに匹敵するほど大量のダイヤモンドを生産していましたが、近年は減少傾向にあります。

6位|ダイヤモンドラッシュ発祥の地/南アフリカ

南アフリカは世界有数の鉱山資源国であり、世界最大級のダイヤモンドが発見された国でもあります。

1867年にダイヤモンドが発見され、その後南アフリカのダイヤモンド採掘産業は本格的に始まりました。採掘地として有名なキンバリーはダイヤモンドラッシュ発祥の地として知られ、世界トップのダイヤモンド会社デビアス本社が建っています。

デビアス社がダイヤモンド市場を支配する3つの理由

キンバリー鉱山のほかにカリナン鉱山、プレミア鉱山、ベネチア鉱山、フィンシェ鉱山があり、19〜20世紀なかばまでダイヤモンド 産出量は世界一でした。

なお、南アフリカはコロナ禍でロシア・カナダ・ボツワナなど世界各国のダイヤモンド産出量が減少している中、2020年にダイヤモンドの産出量が増加した唯一の国であるとのレポートがあります。

7位|原油に次ぐ重要な資源/アンゴラ

アフリカ大陸南部に位置するアンゴラにはダイヤモンド産出で有名なカトカ鉱山があり、1998年よりダイヤモンド採掘事業が始まりました。

年間800〜1,000万トンもの土砂を処理し、600万カラットのダイヤモンドを産出しています。

8位|国家を支える産業/ジンバブエ

アフリカ大陸南部に位置するジンバブエは主要産業の一つがダイヤモンド産業で、一時期は国家の歳入総額の約3割をダイヤモンド採掘関連が占めていました。

しかしマランゲ鉱山の産出量が減ったことで現在は全体的に減少傾向です。

9位|海洋採掘/ナミビア

アフリカ大陸南西部に位置するナミビアは、2007年には年間約220万カラットものダイヤモンドを産出しています。

おもにナミビア南西部のダイヤモンド鉱山で採掘されていますが、1990年からは海洋での採掘も開始しています。

10位|II a型ダイヤモンドの産地/レソト

レソトはアフリカ大陸南部に位置し、周りをすべて南アフリカに囲まれている国です。

人里離れたマルチ産地からは、窒素やホウ素などの不純物を一切含まないII a型のダイヤモンドや大型ダイヤモンドの結晶が産出されます。

ダイヤモンドはどのようにして採掘するのか

天然のダイヤモンドは、古くから存在する大地や大昔に火山活動が盛んだった場所、永久凍土の大地、または隕石が衝突したところなど、特殊な環境下から発見されます。

では、どのようにしてダイヤモンド採掘をおこなっているのでしょうか。

ここでは代表的なタイヤモンド採掘の方法を3つご紹介します。

一次鉱床|パイプ鉱山の採掘方法

一次鉱床(いちじこうしょう)とは、ダイヤモンドを含むキンバーライトがパイプ状に埋まっている鉱山のことをいい、別の名をダイヤモンドパイプやパイプ鉱山ともいいます。

パイプ鉱山では大型の機械を用いて大規模な採掘がおこなわれます。例えば坑道を掘らずに地表から渦を巻くように地面を掘っていく「露天掘り」が有名です。

ロシアのミール鉱山は露天掘りによってダイヤモンドが採掘され、深さ525メートル、直径は1,250メートルの超巨大な鉱山跡地が存在します。巨大すぎるため、上空に下降気流ができるとしてヘリの飛行が禁止されているほどです。

ほかにもカナダやオーストラリアでも、露天掘りによるダイヤモンド採掘がおこなわれています。

二次鉱床|漂砂鉱床の採掘方法

二次鉱床(にじこうしょう)とは、マグマとともに地表に上昇したダイヤモンドが、川底に堆積したり、別の地層へ運ばれていったりしてできた「ダイヤモンドが採れる場所」のことをいいます。

19世紀にダイヤモンドの一次鉱床が見つかるまで、ダイヤモンド採掘は二次鉱床から採掘するのが主流でした。つまり、ダイヤモンドとは偶然発見される奇跡の宝石だったのです。

二次鉱床のひとつ「漂砂鉱床(ひょうさこうしょう)」とは、ダイヤモンドを含むキンバーライトが風化や侵食によって砂利になり、川や海に流されてできたダイヤモンド鉱床のことをいいます。

インドやブラジル、アフリカ南部に多く見られます。

漂砂鉱床では、パワーシャベルやブルドーザーなどの重機、または真空吸引器を使ってダイヤモンドを採掘します。

二次鉱床|まさかの人力

子どもの頃、川底をお椀ですくって砂金を探した経験はありませんか?あれは「パンニング」とよばれる採掘方法で、もちろんダイヤモンド採掘にも使われる手法です。

この原始的な方法は西アフリカやブラジルで人の手によっておこなわれており、西アフリカのシエラレオネでは、ダイヤモンド採掘によってできた人工池が多く存在します。

ダイヤモンドの採掘ツアーに行きたい

ダイヤモンド採掘が人の手によってもできると知ったからには「採掘ツアーがあったら行きたい!」と思われたのではないでしょうか?

実はダイヤモンド採掘が体験できる場所は、世界に1つしか存在しません。

世界で唯一ダイヤモンド採掘ができる場所とは

世界で唯一ダイヤモンド採掘が体験できる場所、それはアメリカに存在します。

アメリカ南東部にあるアーカンソー州の「ダイヤモンドクレーター州立公園」では、一般人が火山起源のダイヤモンドを採掘することができます。

「湿式ふるい法」とよばれる、ふるいにかけてダイヤモンドを探す手法を用いて探すことができ、なんと見つけたダイヤモンドはそのまま持ち帰ることができます。

ダイヤモンド採掘を体験したい方は、アーカンソー州ツアーの際に「ダイヤモンドクレーター州立公園」へ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

日本ではダイヤモンド採掘ができないのか

「アメリカまでは遠い!」

と思った方も多いはず。

では、日本でダイヤモンド採掘を体験することはできないのでしょうか?

実は日本でダイヤモンドが発見される可能性は極めて低いとされています。なぜかというと、ダイヤモンドが生成される場所の条件である

・古くから存在する大地であること
・マントル内の温度が1,000度付近

これらに日本の地質が該当しないからです。

日本列島は比較的新しい土地ですし、火山はありますがマントルが高温なのでダイヤモンドが眠っている可能性は低いでしょう。

しかし、九州地方は中国の山東半島に近かったので、もしかしたらダイヤモンドのかけらが眠っているかもしれません。そのうち日本からダイヤモンドが発見されるかもしれないと思うとワクワクしますね。

国内で宝探し気分を味わうなら……

ダイヤモンド採掘はできませんが、その他の宝石探しなら日本国内でも可能です。

例えば、栃木県にある「宝石探しトレジャーストーンパーク」は屋内で宝石探しが楽しめる施設で、砂の中から宝石を探すコースと、水中から宝石を探す2種類のコースが楽しめます。水晶やアメジスト、メノウなどが採れ、見つけた宝石は持ち帰ることができますよ。

ほかにも、静岡県にある「奇石博物館」には宝石探しができる「宝石わくわく広場」があり、30分500円で水晶やめのう、タイガーズアイなどさまざまな宝石を見つけて持ち帰ることができます。

意外と各地のレジャー施設や遊園地、動物園、水族館などで「宝石探し」をおこなっているところもありますので、気になる方はお近くのレジャースポットを調べてみてはいかがでしょうか。

まとめ

以上、ダイヤモンド産出国ランキングや採掘方法、ダイヤモンド採掘ツアーについてご紹介しました。

世界一の産出国はロシアで、アフリカ大陸にも多くのダイヤモンド鉱山が存在していることがわかりました。

また、ダイヤモンドの採掘方法は鉱床の種類や規模によってやり方が変わることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

本記事を読んでダイヤモンド採掘に興味を持たれた方は、ぜひダイヤモンド採掘や宝石探しを体験してみてくださいね!

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