合成ダイヤモンド市場が急成長!人工ダイヤが選ばれる理由

合成ダイヤモンド市場が急成長!人工ダイヤが選ばれる理由

合成ダイヤモンドとは?

合成ダイヤモンドとは、研究室や工場で人工的に作られたダイヤモンドのことをいいます。

天然のダイヤモンドは何億年もの時間をかけて自然と生成されるのに対し、合成ダイヤモンドは科学技術を使って、数週間と短期間での生成が可能です。

主な合成ダイヤモンド生産国は、アメリカや中国、ウクライナ、ロシア、日本となっています。

なぜ合成ダイヤモンドは工業用に用いられたか

合成ダイヤモンドは、結晶構造や化学成分などの特徴も天然のダイヤモンドと同じです。また、どちらも炭素のみでできており、物質中最高の硬さと熱伝導性を誇ります。なかには、硬さや熱・電気伝導性、電子移動度が優れた特性を有する合成ダイヤモンドもあります。

そのため、古くからダイヤモンドは工業用として医療や精密加工、科学技術などさまざまな分野で用いられてきました。

合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと比較して、品質の安定性と量産できる点で、工業用として重宝されています。

近年合成ダイヤモンドが愛される理由とは

工業用ダイヤモンドとしての印象が強い合成ダイヤモンドですが、近年ではサスティナブル(持続可能な)でエシカル(倫理的)な宝石として、ジュエリー市場が急激に成長しています。

天然のダイヤモンドは採掘する際に大規模な環境破壊をともない、原石の売買が争いの原因になることや紛争の資金源となるなどの問題があります。

また、採掘場での児童労働や低賃金労働、人権問題などが問題として取り上げられてきました。

それに対して、合成ダイヤモンドは土壌を大量に掘り返すこともなく、労働条件に問題のない研究室や工場で生産されています。

このような点が、世界中のセレブやインフルエンサーから愛される理由となりました。

ラボグロウンダイヤモンドは合成ダイヤモンドのこと

合成ダイヤモンド先行国のアメリカでは「合成ダイヤモンド」の呼び名は一般的ではなく、実験室で成長したダイヤモンドという意味の「Lab grown Diamond(ラボ グロウン ダイヤモンド)」の呼び名が推奨され、ジュエリーダイヤモンドとしての地位を確立しています。

合成ダイヤモンドの市場動向について

ジュエリー用の合成ダイヤモンドが登場したのは1990年代半ばですが、当時はまだあまり流通しておらず、日本国内のジュエリーショップでは店頭に飾られることはほとんどありませんでした。

しかしその後、合成ダイヤモンドの生成技術の向上や需要拡大によって、合成ダイヤモンド市場は急成長します。

合成ダイヤモンドは品質が均一で産出量も安定していますし、あらゆるサイズに対応しており、最大で10カラットもの大きさのものからメレーほどの小粒のものまで生成が可能です。

このように安定した供給を見込めるうえに、天然と遜色ない輝きを持ったダイヤモンドを低価格で調達できるとなるとジュエリーブランドはもちろん、消費者からの需要も年々増加しています。


2018年にはダイヤモンドジュエリー市場のうち、合成ダイヤモンド市場は3%でしたが、2021年には22%を占めるまで急成長しました。

今後さらに、市場は成長していくものと見られています。

合成ダイヤのメリット〜手に入れやすい価格帯〜

合成ダイヤモンドは採掘に必要な費用や労働者に支払う賃金がかからないため、天然ダイヤモンドより低価格での販売が可能です。天然ダイヤモンドに比べ、30〜40%程度安く提供できるようになっています。

天然のダイヤモンドと変わらない品質を、気軽に日常的に楽しめるのは魅力的ですね。

実は難しい!?合成と天然ダイヤの見分け方

合成ダイヤモンドと天然のダイヤモンドは、結晶構造や化学成分が同じだとご紹介しました。そこで、成分などが同じ2つを見分けることはできるのか、と考える方もいるでしょう。2つは、そもそもの生い立ちが違うので見分けが可能です。

しかし、輝き自体はほとんど同じなので、素人目にパッと見で見分けるのはかなり難しいでしょう。

ではどのようにして見分けるのかというと、専門的な機器を用いて結晶や含有物、不純物、特性などを見て判別します。

例えば、天然のダイヤモンドは長い時間をかけてゆっくりと生成されるので結晶が不均一になりがちですが、合成ダイヤモンドは品質が安定しています。

また、天然のダイヤモンドは窒素を不純物として含みますが、合成ダイヤモンドはほとんど含みません。

このように分子レベルまで確認しないと、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの違いはほとんどわからないでしょう。

合成ダイヤモンドを取り扱う人気のブランド

close up wedding diamond ring on woman finger

需要の拡大にともない、合成ダイヤモンドを取り扱うジュエリーブランドは近年増加しています。そのなかでも人気のブランドを3つご紹介します。

Lightbox(ライトボックス)
SHINCA(シンカ)
KIMAI(キマイ)

Lightbox(ライトボックス)

Lightboxはダイヤモンドジュエリーブランド大手のデビアスが手がける、合成ダイヤモンドジュエリーの新ブランドです。

デビアスが合成ダイヤモンドジュエリーブランドに進出すると発表したのは2018年のことですが、それは業界に激震が走るほどの出来事でした。

それまでは「合成ダイヤモンドをダイヤモンドとして正式に評価してもいいのか?」といった声が少なからずありましたが、大手のデビアスが合成ダイヤモンド市場に参入したことで「合成ダイヤモンドのジュエリーが正当化された」とみなされたからです。

デビアスは、もっと気軽にダイヤモンドを楽しんでもらうためにLightboxをスタートさせました。

しかし、ダイヤモンドの製造技術が簡単に利用できるようになり、低コスト製品との競合が発生した結果、6年間続いた人工ダイヤモンド事業について、デビアス社は撤退を発表しています。

SHINCA(シンカ)

SHINCAは仕入れからデザイン、製造、品質管理、販売までを日本国内でディレクションしている合成ダイヤモンドのジュエリーブランドです。

選りすぐりのダイヤモンドと、ミニマルなデザインが魅力のジュエリーブランドとなっています。

KIMAI(キマイ)

KIMAIはロンドン発の合成ダイヤモンドジュエリーブランドです。

2018年のブランド設立後すぐに、メーガン・マークルやエマ・ワトソンらセレブに着用されたことで一躍人気のブランドへと急成長しました。

特にKIMAIを代表するピアス「フェリシティ」が人気で、大切な人に贈るのに最適のジュエリーとなっています。

今後需要が高まる合成ダイヤモンド

以上、合成ダイヤモンドについてご紹介しました。

・合成ダイヤモンドは人工的に作られたダイヤモンドのこと
・市場が急成長している
・天然ダイヤモンドとほとんど見分けがつかない

合成ダイヤモンドはは、今後ますます需要が高まる見込みです。

日常使いとして楽しめるアイテムのひとつに、天然ダイヤモンドと同様の品質で、より低価格な合成ダイヤモンドのジュエリーを取り入れてみませんか?

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