ルイヴィトンヌメ革のお手入れや、変色・シミ・カビを防ぐ方法
ルイヴィトンの多くのラインに使用されているヌメ革は、丈夫で高級感があり、使い込むほどに味の出る素材として高い人気があります。
一方で、ヌメ革はきちんとお手入れしなければ、変色やシミ、カビなどが発生しやすいデリケートな素材です。
この記事では、ヌメ革の変色予防、シミの落とし方、ダメージを防ぐための日常的なお手入れ方法や、既にダメージを受けたヌメ革のリペア、修理、交換の費用などについてご紹介いたします。
ルイヴィトン多数のラインに使用されている「ヌメ革」とはどんな革なのか、ルイヴィトンの中でもヌメ革が使用されているラインはどれなのかについてもご案内いたしますので、ルイヴィトンのバッグや財布などの革製品をご愛用の方は、ぜひ参考にしてください。
- ルイヴィトンに使われている「ヌメ革」とはどんな革?
- ルイヴィトンでヌメ革が使用されているライン
- ヌメ革の変色・シミの予防
- ルイヴィトン ヌメ革のお手入れ方法や汚れの落とし方
- 実践!ヌメ革の雨染みを消してみた
- ルイヴィトン ヌメ革のリペア、修理、交換
- ヌメ革の傷みが激しい場合でも、ブランド品買取店なら売却することが可能
ルイヴィトンに使われている「ヌメ革」とはどんな革?
「ヌメ革」のヌメとは、ヌメという動物の革というわけではなく、革の加工方法のことを表す言葉で、植物の渋の成分「タンニン」を用いてなめした皮革のことをヌメ革といいます。
ヌメ革という表記だけでは何の革を使用しているのかはわかりませんが、特別な表記がない限り牛革が使用されていることがほとんどです。
なめしとは動物の表皮を腐敗や乾燥による硬化などから守り、製品として使用できるようにする加工のことで、一般的にはなめす前の状態を「皮」、なめしたあとの状態を「革」と呼び分けて区別されています。
ヌメ革の魅力
ヌメ革は別名「ナチュラルレザー」とも呼ばれ、ひと目で本革と判断できる上質な風合いが人気の素材です。素材からなめしまで化学薬品などを使わず、着色も行われないため、革の自然な魅力が楽しめるのが特徴となっています。
染色されていないヌメ革の色合いはキャメル~薄ピンク色となっていて、表面の加工なども行われないため、バラ傷や血筋などひとつひとつに素材となった皮の個体差を感じることができます。
新品のヌメ革は光沢感が少なくツヤも薄いですが、使い続けることで手の脂や日光などを吸収し、独特のツヤが出てあめ色に変色するなどの味が出てくる素材です。
ヌメ革は丈夫で長持ちする素材としても知られていて、きちんとお手入れをしていれば数十年という単位で使い続けることができます。
ヌメ革の注意点
ヌメ革は丈夫で長く使え、使い込むほどに味が出てくる革として知られていますが、ヌメ革を長持ちさせるには正しいお手入れをしていくことが必要です。
ヌメ革は革自体は丈夫ですが、表面加工を施していないためすり傷には弱いという一面があります。
また、ヌメ革は非常に水に弱いため、雨などで濡れると簡単にシミができてしまうので注意が必要です。
ルイヴィトンでヌメ革が使用されているライン
ルイヴィトンは高級ブランドの中でも、特にバッグが人気のブランドで、上質な革を使用した製品を数多く販売していることで有名です。
ルイヴィトンの中でもヌメ革を使用しているラインをご紹介いたしますので、持っているルイヴィトンにヌメ革が使われているのか、ヌメ革が楽しめるルイヴィトンはどのラインなのかなどの参考にしてください。
モノグラム・ダミエなどのバッグの持ち手(ハンドル)、パイピング部分
ルイヴィトンの中でも一番の人気と知名度を誇る「モノグラム」ライン、市松模様の「ダミエ」ライン、カラフルな色合いが目を引く「マルチカラー」ラインなど、ルイヴィトンの数多くのバッグの持ち手(ハンドル)やパイピング部分には、上質なヌメ革が使用されています。
バッグの中でもストラップやベルトなどのベージュになっている部分に使用されているのがヌメ革です。
ルイヴィトン・ノマド
ルイヴィトンの「ノマド」ラインは、ルイヴィトンの数あるラインの中でも、特にレザーを楽しむためのラインとして知られています。
上質なヌメ革を惜しげもなく使用したノマドは、ルイヴィトン好きだけでなく、レザー愛好家をも夢中にさせるラインで、経年劣化による変色やツヤ感などを味わう「レザーを育てる」ためのラインと言えます。
持ち手(ハンドル)やパイピングだけでなく、全体にヌメ革が使用されたバッグやお財布などもあり、長く使うには相応のケアも必要です。
ヌメ革の変色・シミの予防
ヌメ革は経年による変色や水濡れによるシミなど、様々な原因で傷んでしまうことがあります。ヌメ革の変色やシミなどの予防方法を、トラブルの種類別にご紹介いたします。
ヌメ革エイジング(経年)による変色を予防する
ヌメ革はエイジング(経年)により変色することが特徴の素材で、おろしたての頃の薄いベージュのカラーから、段々と濃いキャメルの色合いに変化するのを楽しむことができる素材となっています。
エイジングによる変色をできるだけ均一にするには、使用前からきちんとしたお手入れをすることが大切です。
ヌメ革を美しく均一に変色させるためには、まず使用前にまんべんなく日光に当てましょう。ヌメ革のなめしに使用されているタンニンが日光に反応して、ベージュから茶色の色合いに変化していきます。
好みの色合いまで変化したら、革用のデリケートクリームや防水スプレーをして、汚れや水などから保護しましょう。こうすることで、自然に任せるより均一に色を変化させることができます。
反対に、茶色に変色したヌメ革は新しく張り替えることで印象が大きく変わります。
ヌメ革のカビによる変色予防
ヌメ革に限らず、カビは革製品の大敵です。
一度カビが発生してしまうと、きれいに除去するのは非常に困難となってしまいます。日頃から湿気のない乾燥した場所に保管するように心がけましょう。
また、直射日光に当たるとヌメ革の変色が進んでしまうので注意が必要です。
ヌメ革のバッグやお財布などを長期間使用しない場合は、革用の乾燥剤などを入れて風通しの良い場所に保管します。ルイヴィトンの製品であれば購入した時に保存袋が付属していますので、きちんと収納して保管するようにしましょう。
水濡れによるシミ予防
ルイヴィトンに使われている上質なヌメ革は、水に弱いという特徴があります。雨などの水にさらされると、シミとなって残ってしまいますので注意が必要です。
使用する際は防水スプレーなどを使用して水気を寄せ付けないようにしましょう。防水スプレー自体がシミになってしまわないよう、ムラなく吹き付けるようにしてください。
ルイヴィトン ヌメ革のお手入れ方法や汚れの落とし方
ルイヴィトンに使用されているヌメ革は、正しいお手入れをすることで非常に長く楽しむことができます。
ヌメ革の製品を使用する前と使用した後にちょっとしたケアをすることで傷やシミなどの予防にも繋がりますので、大切なルイヴィトンの製品を長持ちさせるために、ヌメ革部分も含めてきちんとお手入れをするようにしましょう。
使用前にヌメ革を日光に当てる
ヌメ革は日光に当たることによって変色する性質のある素材です。
ヌメ革の変色も味わいの一部ですが、おろしたてのヌメ革をそのまま使用すると色味にムラが出やすいので、新品のルイヴィトンのバッグなどは、一度日光に当ててから使用することをおすすめします。
ヌメ革にデリケートクリームを塗布する
デリケートクリームとは、革製品に必要な水分や油分を補給してくれるクリームです。ヌメ革にデリケートクリームを塗ることで、乾燥によるひび割れなどを防ぐことができます。
ヌメ革の表面に薄くデリケートクリームを塗り、布できれいに拭き取って仕上げましょう。
ヌメ革に防水スプレーを塗布する
デリケートクリームでしっかりと水分・油分を与えたあとは、防水スプレーで仕上げをします。ヌメ革は特に水に弱く、シミができやすいため、防水スプレーによる保護は必須と言えるお手入れです。
防水スプレー自体が跡にならないように、まんべんなく吹きかけるようにしましょう。
ルイヴィトン製品の使用後は、まず乾拭きを
ルイヴィトンのバッグなどを使用した後は、まずしっかりと乾拭きをして表面についた汚れを落としましょう。
ほんのひと手間ですが、乾拭きをするだけで大部分の汚れを落とすことができますので、ルイヴィトンなどの高級ブランド製品を長く使いたい、また買取時に高額査定をしてもらいたい場合は、日頃のお手入れを欠かさないことが大切です。
ヌメ革製品の使用後もデリケートクリームを塗る
ヌメ革製品のを使ったあとは、日光や外気によるダメージにさらされていますので、デリケートクリームで保湿をして劣化を防ぎましょう。
放置しておくと乾燥によるひび割れの原因となってしまいます。
ソフトガミでちょっとした汚れや黒ずみのお手入れをする
ヌメ革に軽い黒ずみや汚れが見られる場合は、ソフトガミでお手入れしてみましょう。ソフトガミは消しゴム状の製品で、革製品の汚れ落としに使われます。
使い方は簡単で、汚れが気になる部分をソフトガミでこするだけです。こすったあとは革が乾燥したような状態になりますが、クリームなどで保湿してあげればツヤのある状態に戻ります。
実践!ヌメ革の雨染みを消してみた
今回チャレンジするのはコチラ!
ルイヴィトンモノグラム柄の巾着バッグ「ノエ」(M42224)です。
ノエはショルダー部分と巾着紐と底部にヌメ革が使われており、特に底部は面積が広いため雨染みのダメージが発生しやすいバッグです。
底部はこんな感じです。
しっかりと目立つ雨染みがついてしまっているのですが、これが本当に消えるのか。
早速チャレンジしていきたいと思います。
用意するもの
用意するもの
・布(タオル/ウエス/ペーパータオル/雑巾など)
・革用 栄養クリーム
・ブラシ(100円ショップで買いました)
・水
画像にはブラシが2本ありますが1本で十分です。握りやすさや手入れをする範囲や場所によって使い分けても良いかなという感じです。
手順
手順は大きく分けて2つ。
1.ヌメ革全体を薄く水拭きする
2.革用クリームで油分を補う
雨染みとは、一部が濡れてしまったために色の違いが出てしまっている状態ですので、全体をまんべんなく濡らし色の境目をなくします。
そして革は水分が含まれると油分が抜けるので、革用の栄養クリームで油分を補う必要があります。
まずは全体を水拭きします
硬く絞った布で叩くように少しずつ湿らせていきます。
少し湿り気を帯びた状態にすると、境目が分からなくなってきます。
雨染みと、新しく湿らせた部分の境界が分からなくなるように根気よく。
少しずつ湿らせていくのがポイントです。※濡らす、のではなく湿らすというイメージ
水分を少し乗せた状態だったため、すぐに乾いてしまいますが、これでOKです。
なかなか染み込まないからといって水分たっぷりの布で擦ったり、大雑把に濡らしてしまうと想定外の水シミになったり色が濃くなりすぎたりしますのでご注意くださいね。
シミ抜き後には革用クリーム
ヌメ革に水分を含ませると油分が抜けてしまっていますので、革用の栄養クリームで油分を追加していきます。
クリームを塗った箇所は色が濃くなりますので、様子を見ながら少しずつ。最初は目立たないところから塗り始めることをオススメします。
少し乗せてはブラシで均等にならしながらぬっていくこと。
塗った箇所は色味が濃くなるので、出来るだけ面全体に塗りこむことをオススメしますが、一部だけ塗りたい場合はまだらにならないよう、小さいブラシなどを使って想定している箇所からはみ出さないよう丁寧に。
塗り終わるとかなり色が濃くなったように感じますが、乾燥するとクリームが浸透し色も落ち着いてきますのでご安心を。
クリーム後は艶出しのブラッシングをして完成です。まんべんなくブラシで擦るとつやが出てきますので「お手入れをした!」という実感が沸きますよ。
ビフォーアフター
実際にヌメ革のお手入れをしてみて、かなり雨染みは目立たなくなりました!
ですが、目を凝らしてよく見るとまだうっすらとシミが見えてしまいますね。完璧・・・とまでいかなかったのが少し残念です。
雨染みが出来てしまって日が浅いうちにお手入れをしたり、より丁寧にシミ取りの作業を行えばスッキリとシミが取れると思いますので、是非実践してみてください。
ルイヴィトン ヌメ革のリペア、修理、交換
傷んでしまったヌメ革を自分でお手入れするのにはどうしても限界があります。そんな時は、専門家にリペア、修理、交換などを依頼するのも一つの手段です。
ルイヴィトンなどのブランド公式のアフターサービスに申込みをして修理をする方法と、革製品のリペア・修理取扱店で修理する2つの方法がありますので、それぞれの特徴をご紹介いたします。
ルイヴィトン公式にリペア・修理・交換を依頼する
ルイヴィトンなどの高級ブランドの製品であれば、基本的にはメーカー公式のアフターサービスが用意されています。ルイヴィトンの正規店から購入した製品であれば、ルイヴィトンの公式サイトや販売店から修理依頼をすることができます。
ルイヴィトン公式で修理するメリットは、何と言ってもルイヴィトンの純正パーツで修理・交換をしてもらえることです。しかしメーカー公式で修理、交換を行う場合、どうしても費用は高額となってしまうというデメリットがあります。
状態によっては、製品の購入金額の半額ほど費用がかかってしまうケースもあり、修理納期もほとんどの場合が6週間を超える長期間となってしまうのが現状です。
見積りや納期に満足できない場合は、革専門の修理業者に依頼してみるか、ブランド品買取専門店に買取を打診してみるのも良いでしょう。
革製品のリペア・修理専門店に修復の依頼をする
ルイヴィトンの公式ではなく、革製品のリペア・修理業者にヌメ革の修理を依頼することもできます。
専門業者に依頼する最大のメリットは、修理期間の短さと修理料金の安さで、メーカー公式の修理よりもかなり短期間で安価に修理することが可能です。
交換期間は3~5週間としている業者が多く、メーカー修理の目安である6週間以上と比べるとかなり早いことがわかります。交換費用もメーカー公式より安く、ルイヴィトンバッグの持ち手根革部分のヌメ革交換は4,000円~、ショルダーベルトに関しては15,000円~程度から交換することが可能です。
ただし、交換パーツはあくまでも類似品で、上質なヌメ革であってもルイヴィトンの純正品とは異なります。純正パーツではないパーツに交換してしまっているルイヴィトンの製品は買取を拒否されてしまう可能性が高いので、売却を考えている場合はあくまでも汚れを落とすなどのリペアに留め、パーツの交換は純正メーカーの修理以外では行わないように注意しましょう。
ヌメ革の傷みが激しい場合でも、ブランド品買取店なら売却することが可能
ヌメ革のシミ、傷みがひどい場合や、カビが発生している場合でも、ルイヴィトンなどの高級ブランドの製品であれば、ブランド品買取店では多くの場合買取をしてくれます。
ブランド品買取店がヌメ革の劣化や傷み、カビ、シミなど汚れ激しい製品でも買取を行っているのは、ルイヴィトン製品は傷みがあっても中古・リサイクル市場での需要が高いからです。
きれいな状態のバッグやお財布より買取価格は落ちてしまいますが、せっかくのルイヴィトン製品なのに今後使う予定がない、傷んでしまったため処分を検討している等の場合は、一度ブランド品買取店に買取をしてもらえないか、相談してみましょう。
もちろん、ビープライスでも買取可能!喜んで査定させていただきますので是非一度お持込くださいませ。