最新ヴィトンにはシリアルナンバーがない!RFID導入で買取に影響はあるのか?

最新ヴィトンにはシリアルナンバーがない!RFID導入で買取に影響はあるのか?

2021年頃からシリアルナンバーがない ルイヴィトン製品が流通し始めました。ルイヴィトンのシリアルといえばアルファベットと数字から製造年や製造国を読み取ることができ、これまでバッグや財布には一部例外を除き必ずあるものとされ、無ければ偽物とまで言われていたものです。
それが近年、ブティックで購入した物なのにシリアルナンバーが見つからないとニュースになっています。

ルイヴィトンのシリアルは埋め込みICチップRFIDに変更

ルイヴィトンのシリアルは、製品自体に「見てわかるシリアルの刻印」ではなく埋め込み型のICチップが内蔵されることになりました。チップ内の情報は暗号化されているため公開されておりませんが、おそらく製造年や製造工場といったブティックがカスタマーサービスを提供するのに必要な情報が入っていると予想されます。

RFIDタグとは埋め込み型のチップ

RFID(英: radio frequency identifier)とは、ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数センチメートル~数メートル)の無線通信によって情報をやりとりするもの、および技術全般を指す。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

スマートフォンアプリなどでRFIDを読み取ることは可能ですが、暗号化されていることから現時点で解読は不可能とされています。私たちがわかるのは「RFIDタグの有無」だけです。

RFIDタグはどこにあるのか

ルイヴィトンICチップの場所と位置

ビープライスでもRFID読み取りアプリをインストールしてどこにチップが埋め込まれているのか調査したところ、肉眼で見えるようなものではなく、触ってみると「多少膨らんでいるかな?」くらいの感触で、製品を触りなれていないと判断できないようなものでした。
おそらくチップは、製品のハンドル付け根といった「生地が重なり合っている部分の内側」といった、表からは分からない箇所に埋め込まれていると感じました。

読み取り方についても、かなりの至近距離でスマホの裏側上部を当てないと読み込めず、アイテムによってはかなり難しいと感じました。

またチップの位置についても既存のシリアル刻印があった場所にあるとは限リませんでした。財布やキーケースといった小物は既存の位置に近い場所でRFIDタグの反応がありましたが、バッグなどは別の場所で反応したものがありました。今後流通が増えるにつれて位置や内容の調査が進んでいくことと思います。

ルイヴィトンシリアルナンバーの位置と読み方

ルイヴィトン正規店にRFIDタグについて聞いたみた

ブティックに立ち寄った際にRFIDタグについて聞いてみたところ、ICチップの位置や有無について「お客様にお伝えするものではないです」として詳しくは教えていただけませんでした。ただ、今期モデルからICチップのタグに変わっていることと、スマートフォンアプリでのRFIDの読み取りは推奨していない為読み取りが出来ないこともあると教えていただきました。

また、手持ちのルイヴィトン製品について聞く場合はブティックで購入した証明書・レシートが無いと殆ど教えてくれないのでご注意ください。

ICチップ(RFID)の確認方法を実践

それでは実際にルイヴィトン製品の ICチップ(RFID)を探してみましょう。
まずはスマートフォンにRFIDを読み取ることのできるリーダーアプリをインストールします。

ICチップ(RFID) を読み取るアプリ

ルイヴィトンシリアルがない場合ICチップ埋め込み型なので探すためのツールはこちら

いくつかアプリはありますが、簡単に読み取ることができたのはNFC Toolsというアプリ 。筆者のスマホはiPhone8、他のスタッフがiPhone12で、どちらも問題なく利用できたことを確認しております。

アプリの説明には「読み取りと書き込み」とありますが、ルイヴィトン製品のICチップは読み取るだけで書き込みはできませんのでご注意ください。

また、ルイヴィトンはこういったアプリを使っての読み取りは推奨しておらず、製造年月日や製造国などの正確な情報は、ブランド側が使用する専用機のみで読み取り可能とされています。

つまり、こちらのアプリを使ってわかるのは「ICチップがある」ということだけであると言えます。

アプリの使い方

アプリの使い方は簡単で、インストールしたアプリを立ち上げ、「読む」ボタンを押して、「スキャンの準備ができました」という画面が出ている間に、ICチップ部分にかざすだけ。
読み取り成功すればスマホがブルっと振動するとともに「NFCタグにアクセス」と表示されます。

RFID ICチップ読み取りアプリの使い方
※シリアルナンバーはモザイク処理をしております

実践!カプシーヌBBのICチップ(RFID)はどこにある?

ルイヴィトンカプシーヌBB

用意したのはこちら、ルイヴィトン カプシーヌBB ヒマラヤ サハラ クロコダイル(N99378)です。かなり希少なアイテムで試してみました。

ルイヴィトンカプシーヌBBのICチップの場所

カプシーヌBB (N99378) は背面フラップの中央付近で読み取ることができました。読み取りが成功するとスマホがブルっと振動するのでわかりやすいです。

読み取れた場合、シリアルナンバーとしてEO:16:3C:01:●●:●● (以下伏字にしております)というような暗号が表示されることとなります。

ICチップ(RFID) の位置は製品によって違うこともあるので、見つからない場合はバッグの外側だけでなく、内側や四隅といった細かい場所までかざしてみてください。
面積の小さいお財布やキーケース等の小物は比較的見つかりやすいのですが、表面積の大きいバッグは見つかりにくい印象です。

また、どうしても見つからない場合はスマホケースを外したり、スマホ本体でのNFC設定がオンになっているか確認してみてください。アイテムの製造時期によっては読み取りができない製品もあります。

シリアルナンバーとICチップの位置は同じなの?

結論から言うと、シリアルナンバーの位置と ICチップ(RFID) が埋め込まれている位置はすべて同じとは言えません。

製品によっては近い場所にある場合もありますが、基本的に「違う場所にある」と考えてよいと思います。

シリアルの場所カプシーヌPM M54565

先ほど例に挙げたカプシーヌは、背面フラップ中央で ICチップ(RFID) の反応がありましたが、上記画像のような2021年以前に製造されていたカプシーヌのシリアルナンバーの多くは、バッグ内部についているファスナー収納の内側隅に確認されていました。こうした例があることから、一概に同じ場所にあるとは言えないのです。

カプシーヌPMのシリアルの場所

同じ製品で読み込んだICチップのシリアルが違う!

今回紹介したアプリでは暗号化された情報が表示されているため、アプリ上で「シリアル」と表示されている部分は読み込みの度に違うものが表示されていることを確認しております。

つまり、メルカリやネットショップなどの商品説明文に書いてあるものと、実際手元に届いた際にアプリを使って読み込んだ場合とでは表示されるものは違っているので、「違う商品が届いた!」と勘違いしないようにご注意くださいね。

買取業界では今後どうなるのか?

買取業界では現状シリアルがないお品物でも買取は可能です。私たちプロのバイヤーは素材の質感・匂い・縫製・金具・ロゴ・刻印などといった「正規品と模造品との微細な違い」をこれまで蓄積してきたデータベースと照らし合わせて見極めているため、これまでと同じように買取が可能となっています。

逆にいうと経験の浅いバイヤーが在籍している買取店やノウハウのない買取店はルイヴィトンの買取に慎重になるため買取価格が安くなってしまうことが考えられます。

近年スーパーコピーと呼ばれる本物と見間違うほど精巧な作りの偽物が出回ってきたように、今後10年ほどでRFIDタグを入れ込んだ偽物も出回るようになるかもしれません。「RFIDタグがある=本物」とはいかないでしょう。

今後買取価格の変化はあるのか?

買取の可否についてはこれまでと変わりありませんが、製造年についてはシリアルから判別するのが一般的でした。
これまで同じ使い込み具合のアイテムであっても「2019年製」と「2010年製」では前者の方が高めに買取価格を出せていた場面も多くありましたが、今後は年数に関する判断基準が不明確になることにより、これまで以上に「ダメージの有無」が買取価格に影響してくることが考えられます。

せっかく買ったルイヴィトンだからこそたくさん使いたいもの。けれど沢山使えば使うほど売却時に買取価格が下がってしまうのは残念です。購入から日が浅いのに沢山使ったために「10年以上前の製品」などとして本来の年数より古いものと判断されてしまうのは嫌ですよね。

今後はレシートの保管が推奨される可能性

売却の際には「購入時のレシート」といった購入時期がわかる証明書となるものがある場合買取価格がアップとなる可能性があります。
これはコピーなどではなく原本でないと意味がありません。

買い取りができなくなることはありませんが、少しでも高く売却したいと考える方は是非レシートを一緒に保管しておくことをおすすめします。

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