毛皮のお手入れ|潰れたファーも復活!簡単自宅ケアの方法
毛皮は洗濯機にかけることができません。洗い方やお手入れの仕方がわからずお困りの方に、自宅でできる簡単なケア方法と、トラブル時の応急処置方法をご紹介します。
日頃からケアすることで、大切な毛皮を長く愛用することができますので是非最後までお読みください。
- 毛皮をお手入れするメリット
- 毛皮のお手入れ方法のポイント
- 毛皮の洗い方・自宅でのクリーニング方法
- よくある毛皮のトラブルと、その対処法
- まとめ
- 湿気を取り除く
- 冬場といえども脱いだ後の毛皮のコートには体温・湿気が残っています。着用後はハンガーに掛け、クローゼットに収納する前に一度風通しの良い場所で湿気を取り除きましょう。
- ホコリや汚れを落とす
- 上から下に向かって毛並みに沿って撫でながら軽くたたいたり、振るなどして毛皮についたホコリや汚れを落とします。
- ブラッシングする
- 洋服用のブラシで毛並みに沿ってやさしくブラッシングします。
- ナイロンや金属性のブラシだと静電気が起こり、余計に毛が絡まりますので、静電気の起こりにくい動物の毛のブラシ(豚など)がオススメ
- 保管場所に気を付ける
- ハンガーに掛け保管します。ホコリ付着を避けるために出来れば通気性の良い衣類カバーの使用をオススメします。
- クローゼットでは前後の衣類と間隔をあけ、毛並みを押しつぶさないようゆったりと保管しましょう。
- 洗剤液を作る
- まず30℃以下の水を大きめのボウル1杯(約2リットル程度)に用意します。
- おしゃれ着用の中性洗剤を小さじ1/2程度(2.5ミリリットル)をそこに溶かし洗剤液をつくります。通常使用量の半量以下程度が目安といったイメージです。
- 汚れをふき取る
- タオルに先ほど作った洗剤液を浸し、固く絞ります。
- 毛並みに逆らうよう優しく叩き拭きし、次に毛並みに沿ってなでるように拭きます。
- 水拭きして洗剤を落とす
- 新しいタオルをキレイな水に浸して固く絞り、先ほどと同じ要領で洗剤を拭き取ります。
- 自然乾燥
- 直射日光の当たらない、風通しの良い場所で陰干しし、乾燥させます
- ブラッシング
- 洋服用のブラシで毛並みに沿ってやさしくブラッシングします。
- ナイロンや金属性のブラシだと静電気が起こり、余計に毛が絡まりますので、静電気の起こりにくい動物の毛のブラシ(豚など)がオススメ
毛皮をお手入れするメリット
取り扱いの難しい毛皮は、日頃のお手入れの仕方で数年後の状態が全く違ってきます。 私たち買取店には日々多くの毛皮製品をお持ち込み頂きますが、10年着たミンク毛皮のコートでも、日常的にお手入れしていたものと、お手入れをしなかったり保管しっぱなしだったものとでは、全然コンディションが違っています。
こうした違いは、いざ毛皮が不要になり売却しようと考えた際の買取価格にも反映しますので、是非家のクローゼットに眠っている毛皮製品がありましたら、実践してみてください。
毛皮のお手入れ方法のポイント
毛皮は「水分」「湿気」「ほこり」「直射日光」に弱いです。
毛皮の洗い方・自宅でのクリーニング方法
本来ですと毛皮は専門のクリーニングに持ち込むのが良いのですが、頻繁に持ち込むのは難しいという方に、自宅でできる簡易的なクリーニング方法をお教えします。
用意するものは、おしゃれ着用中性洗剤・タオル2枚・ボウルや桶など の3つです。
よくある毛皮のトラブルと、その対処法
雨に濡れた・水がかった時のお手入れ方法
霧雨や若干の雪など少しの水分の場合は、皮の部分をしっかり持ってふり、水分を払ってください。
キッチンペーパーや乾いたタオルなどで丁寧に拭き取り、風通しのよい室内で自然乾燥させること。
このとき、ストーブやドライヤーなどの熱源で乾かさないように注意しましょう。毛皮は熱に弱く、革部分が硬くなり破れてしまったり、毛先がチリチリになり切れたり燃えたりしてしまいます。
しっかり水分がとれたら、毛が絡まないようブラッシングをしましょう。
万が一皮部分まで濡れてしまうほどの水分がかかった場合はすぐにクリーニング店などの毛皮専門店でのリペアをお勧めいたします。
皮部分が水分を吸ってしまうと、なめしがバリバリに硬化して破れる原因になりますので要注意です。
1.水分をふきとる
2.日陰で自然乾燥
3.ブラッシング
ジュースなどの飲み物をこぼしてしまった時のお手入れ方法
その場でできる対処方として、すぐにティッシュやハンカチなどで水分を吸い取り、固く絞ったおしぼりや蒸しタオルなどでたたき出すように汚れを取り除きます。皮部に染み込んだり、汚れた水分が広がらないように気をつけましょう。
フォックスなど毛足の長い毛皮であれば毛先をタオルで挟むようにしてポンポンとたたき出すようにすると良いでしょう。
注意したいのが、見た目は綺麗になっていても、糖分などが残っていた場合虫食いの原因にもなるため、念入りに拭き取ってください。
家に帰ったらおしゃれ着用の中性洗剤を水に溶かして汚れをふき取ります。毛皮の洗い方は先に説明したものと同じです。
1.水分をふき取る
2.固く絞ったおしぼりなどでたたくように汚れを取り除く
3.自宅で洗濯洗剤液を作り、洗い落とす
ファーが潰れた・毛並みに癖がついてしまった場合のお手入れ方法
毛皮のコートや、フードについているファーなどは、クローゼットにしまっていても他の衣類に圧迫されて毛並みが乱れてしまう場合があります。
その場合、霧吹きなどで毛先部分だけ軽く湿らせ、目の粗いブラシなどで優しく毛並みを整え室内で自然乾燥させれば、たいていの癖はとれます。
ただし、水分が毛皮の根本である革の部分についてしまうと革が硬くなり破れてしまう恐れがありますので十分注意して対処しましょう。
霧吹きがない方や、水分を吹きかけるのが不安な方は、硬く絞ったタオルを気になる毛並みの箇所にあて、少しづつ湿らすようにしてからブラシでとかし乾燥させると良いでしょう。
1.霧吹きなどで少しだけ毛並みを湿らす
2.ブラッシング
3.日陰で自然乾燥
着用後のお手入れ
外出後には必ずホコリを取り除きましょう。見えなくても大量の砂埃やハウスダストが付着しています。
毛を傷めないように軽くはたき出し、ホコリを落とします。ホコリが付着したままだと、虫食い・毛抜けの原因となります。
着用後はポンポン叩いてホコリを落とす
長期保管の注意点
一番気をつけたいのが虫食いです。
収納前にしっかりホコリを取り除き、食べこぼしなどの汚れが付着していない状態で市販の通気性の良い衣類カバーをかけてからクローゼットにしまいましょう。
ほこりを防ぐのはもちろんですが、毛皮は日光や蛍光灯などの紫外線で変色しやすい為、通気性のある衣類カバーは必須といえるでしょう。
高温多湿の保存はカビの発生や悪臭の原因にもなりますので、適度な期間で風通しのよい場所で陰干しをするとよいでしょう。
またデリケートな素材のため、防虫剤を使用する場合はカシミヤ・毛皮専用のものを使うのが理想的です。
使用するハンガーは、出来るだけ幅のある大きめのハンガーを使うと型崩れがおきにくいです。
1.ホコリを取り除く
2.衣類カバーをする
3.保管中も定期的に風通しの良い場所で陰干しする
4.幅広のハンガーを使用する
摩擦によるダメージ
気がついたら毛皮が薄くなっていた、ボリュームが減ってきた、などと感じる場合は、摩擦により毛が擦り切れてしまっている可能性があります。
袖口、ポケット周辺、襟付近、ショルダーバッグの紐があたる肩周辺などは要注意です。
毛皮全盛期の時代ですと、オーダーメイドの毛皮製品やブランド毛皮のコートなどは分解して毛皮の張り替えを行っていたこともあるそうですが、毛皮産業が衰退している現代では素材の確保が出来ずお直しは難しいようです。
残念ながら毛が擦り切れてしまった部分のボリュームを戻すことは基本的にできませんので、普段から気を付けるようにしましょう。
ストーブなどの熱源に注意!
タバコやライターの火はもちろん、ドライヤーやストーブなどの温風にも気をつけてください。熱源に近づくと毛先が焦げチリチリになってしまいます。
また、雨に濡れたからといってドライヤーで乾かすのは危険です。皮まで熱が伝わると硬化・縮みの原因となり破れてしまいます。
毛皮に熱は大敵!
毛皮コートの裏地が破れてしまった
毛皮のコートに袖を通す際、背中や脇の部分がバリっと破けてしまうことが多々あります。
毛皮製品の裏地はシルクで作られていることが多いのですが、縫い目部分から裂けることも良くあります。
裏地であれば専門のリフォーム店でお直ししてくれます。料金は破れの程度にもよりますので参考程度に
ジャケット丈(60cm)のコートで約36,000円程度
ロング丈(120cm)のコートで約45,000円程度が目安です。
裏地の破れはお店でお直し可能!
まとめ
このようにたくさん注意点があり、それを守っていても自然劣化は避けられない場合があります。
どうしても自分で着る機会がなくなってしまった際には家族や知り合いに譲る、または思い切って売ってしまうのも一手ですね。
お手持ちの毛皮の種類や価値を正しく理解し、後悔の無いよう毛皮と付き合っていきたいものです。