万年筆のお手入れ|初心者でも出来るペン先の洗浄
- 万年筆の種類に合ったお手入れ方法
- 万年筆の種類を知ろう
- 万年筆のお手入れ・洗浄方法
- 万年筆を売りたいと考えているなら
- 主要な万年筆ブランド
- 水でよく洗浄すること
- 洗浄後は水分を良く拭き取ること
万年筆の種類に合ったお手入れ方法
万年筆のタイプによってお手入れ方法が若干違ってきますが、基本的にはこの二つを守るのがポイントです。
万年筆はインクが付着したまま長期保管してしまうとペン先にインクがつまり、引っかかり・かすれが起こるなど書き味が悪くなり、最悪使用不能になってしまうこともあります。
頻繁にお使いの場合は2~3ヶ月に一度の洗浄をしていただき、しばらく使わないという場合には特に念入りに洗浄してインクを完全に洗い流してからの保管をオススメいたします。
その際しっかり水分を拭き取り、錆びつかないように注意することも忘れずに。
万年筆を洗浄するメリット
インク色を変えられる
愛着のある万年筆を長く使うために定期的なメンテナンスとして必要なのはもちろんなのですが、メリットはもうひとつ。
万年筆内部のインクを洗浄することによって、インクの色変える事が可能です。
万年筆のインクは黒色だけではなく、各ブランド・メーカーによってネイビーやブラウンなど様々なカラーが用意されています。
秋に書くお手紙はボルドーのインクを使う、といった手法もオススメですよ。
線の濃淡がでる万年筆の文字は非常に深みがあり、書き手の気持ちや個性が出ます。
メールやSNSの普及により手書き離れが進んでいますが、一文字一文字大切に書かれた文章はとても心に響きますので、是非お手持ちの万年筆をお手入れしてみてくださいね。
売却時に査定額アップしやすい
ブランド万年筆は高く売れるというメリットがあります。
売却を考えている方は、査定前に少しでもペン先のお手入れを行うことで査定額が変わってくることがあります。
今回の記事で簡単に出来るお手入れ方法を紹介しますので、試してみる価値がありますよ。
書き味がしっくりこなくてを使わずに引き出しにしまっている方や、父親・または祖父から譲り受けたが持て余している方などは、一度ご検討ください!
万年筆の種類を知ろう
万年筆には大きく分けて3種類あります。まずは、あなたの万年筆がどのタイプかをざっくり把握しましょう。
まずはキャップを外して、胴の部分をまわして外れるタイプかどうかをチェック。
外れたのなら次に内部のパーツもまわし、インクカートリッジが入っていれば【カートリッジタイプ】です。
そうではなく、内部のパーツのお尻の部分がネジ状になっている場合はインクを吸引する【インク吸入式コンバータータイプ】です。
そもそも胴部分が外れない場合は、本体のお尻の部分を回してインクを吸う【回転式(尾栓回転式吸入式)】です。
カートリッジインク
カートリッジインク(インクリフィル)を差し込んで使うタイプです。
難しいメンテナンスが必要ないため、はじめて万年筆を使う方はこのタイプがオススメです。
ボールペン同様、インクがなくなればカートリッジを購入し装着するだけですので比較的簡単に使えるタイプとなります。
デメリットとして、市販のカートリッジインクは種類が少ない事が挙げられますが、万年筆によってはカートリッジ部分を「コンバーター」に付け替えれば、後述のインク吸入器コンバーターと同様にインクボトルから吸入して様々なカラーのインクを使えるようになります。
(万年筆によってはカートリッジ専用のためコンバーターに付け替えることの出来ないタイプもございます)
インク吸入器コンバーター
コンバーター内部にインクを吸入するタイプです。
コンバーターの後部がネジのようになっており、巻き上げると内部のピストンが動き、インクを吸引することができます。
回転式(尾栓回転式吸入式)
万年筆本体にインクを注入するタイプです。
尾栓部分がネジのようになっており、巻き上げると内部のピストンが動き、インクを吸引することができます。
万年筆のお手入れ・洗浄方法
カートリッジタイプの洗浄方法
①カートリッジインクを外す
②ペン先(ハート穴付近まで)を水につけ、インクが出なくなるまで振り洗いをします。
③ティッシュペーパーなどの柔らかい布で拭き、インク付着がなくなれば洗浄完了です。
インク吸入器コンバーターの洗浄方法
①蓋(キャップ)と胴部分を外す
②ペン先(ハート穴付近まで)を水につけ、インクの吸い上げの要領で綺麗な水をコンバーター内に吸引。インクが出なくなるまでこれを繰り替えします。
③ティッシュペーパーなどの柔らかい布で拭き、インク付着がなくなれば洗浄完了です。
回転式(尾栓回転式吸入式)の洗浄方法
①蓋(キャップ)を外す
②ペン先(ハート穴付近まで)を水につけ、インクの吸い上げの要領で綺麗な水をコンバーター内に吸引。インクが出なくなるまでこれを繰り替えします。
※本体内にインクが残っている場合は、水につける前にインクボトルに戻すか、水場等でインクを出し切ってから行うとよいです。
③ティッシュペーパーなどの柔らかい布で拭き、インク付着がなくなれば洗浄完了です。
万年筆を売りたいと考えているなら
高く売るポイントは【購入時に近い状態であること】です。
・ペン先は綺麗な状態を保っているか
・本体に傷がないか
・付属品が揃っているか
査定時にはこういった点を確認して買取金額を算出いたします。
ついてしまった本体の傷はしょうがないとしても、ペン先のお手入れと付属品の有無に関しては買取前に準備することができますよね。
今回ご紹介したペン先の洗浄を行うことで査定額アップに繋がりやすくなりますので是非お試しください!
また、高く売れやすい万年筆のブランド・モデルもあります。そのいくつかを紹介します。
主要な万年筆ブランド
モンブラン / Montblanc
1906年にドイツ・ハンブルグの文房具店の主人と、エンジニア、銀行家の3人が作った万年筆からモンブランの歴史は始まります。その後1924年には代表傑作とも言えるマイスターシュテュックが発売されました。1924年以来基本構造は変わらず熟練の職人によって仕上げられている同昨品は、90年の時を経た今でも驚異的な人気を集めています。ブランド名の由来はヨーロッパ最高峰モンブラン。万年雪を現す「ホワイトスター」をシンボルに掲げる同社。
ボールペンの普及した現代においても、品質、優雅さ、貫禄、ステータスにおいて、ヨーロッパに留まらず世界の筆記具の最高峰を保ち続けています。
デルタ / DELTA
デルタは、1982年に南イタリアのパレーテで創設されました。高級筆記具ブランドとして名を馳せています。目指したのは南イタリアの伝統職人による最高水準の製品作り。様々な独自開発システムを持ち、使用素材にもこだわり最高級の筆記具を製作しています。1994年にナポリで行われたG-7サミットではデルタの万年筆が使用されたりと、世界からも評価を受けています。代表的なシリーズはドルチェビータシリーズ、毎年発表されている少数民族シリーズは世界中の先住民族の歴史や伝統を伝える装飾などが施されおり、世界中のコレクターから注目されています。
モンテグラッパ / Montegrappa
モンテグラッパは、1912年にイタリアのベネト州のバッサノ・デル・グラッパにて設立された筆記具ブランドです。元々ベネト地方では伝統工芸が盛んで、特に銀工芸品はその緻密さで有名です。もちろんモンテグラッパも高品質の銀工芸品を送り出していますし、万年筆やボールペンなどの筆記具にもその技術が生かされています。その装飾品はまさに芸術そのものと言われます。シリーズも多々ありますが、その特徴はそれぞれ異なっています。例えばネロウーノはモンテグラッパの伝統的なフォルムとなり、ピッコラは女性のためのデザインとなっているなど、それぞれデザインが洗練されていて高級感漂っています。
ウォーターマン / WATERMAN
創設者ルイス・エドソン・ウォーターマンは世界初毛細管現象を利用したペン先を開発しました。
その後、万年筆業界に革命を起こし、現在の万年筆の常識となりました。創設者のミドルネームを名に持つウォーターマンの最高級ライン「エドソン」、今までにないオリジナルティあふれる最高級ラインとして誕生した「エクセプション」、美しさと上品さをまとう宝石が華麗に進化した「エレガンス」その他にも、洗練された高級感あふれる雰囲気、ビジネスシーンに最適なボールペン、筆記具として最上級の仕上がりとなっておりどれも気品ある一品になっています。
パーカー / PARKER
1891年にジョージ・サッフォード・パーカーは米国で筆記具製造を開始し、世界で最も信頼される120年位上の歴史を持つ筆記具メーカーの老舗として知られるパーカーへと成長していく事になります。
フランスの高級筆記具ブランドであり、2000年以降は米国メーカーの二ューウェル・ラバーメイドグループであるオフィス用具部門のサンフォード傘下として活躍しています。ボールペンや万年筆等、非常に高品質のペンを提供しており、特に万年筆のインク漏れという問題を最も早く解決したメーカーでもあり、パーカーというブランド名を記された万年筆は人気の高いラインナップが揃っています。現在の様々な万年筆もパーカーの技術が土台になっています。
セーラー / SAILOR
日本を代表する筆記具メーカーであるセーラーは1911年、創業者の阪田久五郎が広島県呉市にてセーラーの前身である阪田製作所を設立しました。
戦中から戦後にかけての国内外における影響の荒波を越え、国内初となるボールペンの製造や、今では馴染みの深いインクカートリッジタイプ万年筆の特許取得に成功します。
セーラー(水兵)というそのブランド名は、かつて水兵が航海日誌を記す際、従来のインク瓶とつけペンを使用していては波の揺れによる船の傾き等から不具合が生じることから、船内では万年筆による筆記を必須としていた事例にちなんで命名されました。現在も日本国内の筆記具業界をけん引し続ける老舗ブランドとして、セーラーはその名を常に轟かせています。
ペリカン / Pelikan
1832年、ドイツのハノーバーで誕生して現在もハノーバーに本社があるペリカン社は、もともと絵の具のメーカーで,1929年から筆記具の製造を始めました。
ワーグナー家の家紋でもあるペリカン鳥がモチーフになっており、現在でも卓越した高い品質や使いやすさなどに、世界中で絶大な支持を得ています。
代表モデルはグスタフ・シュトレーゼマンが愛用したことで知られる5種のサイズと種類豊富なペン先が揃えられた万年筆「スーベレーン」と、胴軸部にシルバー、そして手彫りした彫金の上に24金の上張りを施している万年筆「トレド」です。また万年筆だけでなくボールペンやペンシルも人気が高いブランドです。
クロス /CROSS
1846年にアロンゾ・タウンゼント・クロスにより創業されたアメリカで一番長い歴史を持つブランドです。筆記具の機能やデザインで26以上の特許を取得し、筆記具業界に多大な影響を与えてきました。
また伝統を守りつつも時代に合わせて革新を加え成長し続けており、創業100周年を記念して発表された「センチュリーペンシル」はクロスを代表するデザインとなりました。
1949年には製品に対する自信の象徴として「機構上永久保証制度」を導入し、この制度は今も続いています。現在も洗練されたデザインは愛好家に好まれており高級ボールペンとして愛されています。
ビープライスではペン先の割れやインクの詰まり、インク漏れがある万年筆といった、筆記不可の万年筆もお買取しております。壊れた万年筆やしまいっぱなしのブランド万年筆をお持ちでしたら、捨ててしまう前に是非査定だけでもお試しください。