なぜ高い?シャネルのマトラッセが高価買取されるワケ
女性らしさの中に凛々しさを兼ね揃えたブランドとしてシャネル(CHANEL)は世界中で愛されています。
そのシャネルにおいて、絶大な人気を誇るラインと言えば「マトラッセ」。今回は、この「マトラッセ」を詳しく紐解くとともに、高く売れる理由についてもお話していきます。
- マトラッセの歴史と秘密
- シャネルのマトラッセはなぜ高いのか
- シャネルマトラッセを高く売るコツ
- マトラッセという「スタイル」
マトラッセの歴史と秘密
マトラッセとは
「マトラッセ」 という言葉は、もともとはフランス語の’matelasser’という言葉から来ており、意味はキルティング、綿入れにするという意味。ふっくらと、膨らんだ状態のことをいいます。
日本語では「ふくれ織」と言われ、柔らかく薄い生地を、性質の異なる2種類の糸を使用して織り込み、裏糸の張力で縫い合わされた部分はへこみ、残りはふくらんで表面に立体的な柄が浮かび上がるというもの。
様々な柄を表現できるこの手法ですが、シャネルではキルティング素材ではないアクセサリーや雑貨も「マトラッセ」のラインに含まれています。ことシャネルにおいては「マトラッセ」とは「ダイヤ型の格子状のデザイン」を指すのですね。
女性用ショルダーバッグを作ったのはシャネルだった
1920年ごろ、当時は女性の持つバッグは全てハンドバッグ。ショルダーバッグは男性しか持たないものでした。
現代の私たちからすれば、ハンドバッグしか存在しない世の中などとても不自由なものです。実際、当時の女性も両手を自由に使えず、手をあけるためにハンドバッグをどこかに置き、そのまま忘れてしまうこともよくあったのだとか。けれど、だからと言ってそれを変えようとする人はいませんでした。女性は荷物が少なく、両手をあける必要もない。何よりハンドバッグを持つ姿はとても「女性らしい」ものだったのでしょう。
これに異を唱えたのがココ・シャネルです。
「シャネル・モード」という帽子のアトリエを構え、当時の主流であった大きな飾りがたくさんついた豪奢なものとは対照的な、シンプルでデザイン性の高い帽子を生み出し人気を得た彼女は、その斬新さとカリスマ性を武器に、洋服へと規模を拡大させていました。
シャネルは「バッグは美しいだけではなく、機能的でもあるべき」と考え、両手が自由に使えるショルダーバッグのデザインを生み出します。一説に、これは第一次世界大戦において兵士が使用していたバッグからインスパイアされたものだと言われています。
マトラッセショルダーバッグの誕生
それから約30年後の1955年。第二次世界大戦が終了し、ファッション界に復帰したシャネルは、長方形のフロントロックに、チェーンストラップが付いたショルダーバッグを発表しました。これが「マトラッセ」の原型です。
発表された日にちなんで「2.55」と呼ばれたこのバッグは、発売から50年後の2005年に復刻版が発表。また最近では、再解釈された「2.55」が、2016/17年の秋冬プレタポルテコレクションにも登場しました。
この「2.55」をアップデートしたのが、あのカール・ラガー・フェルドです。1983年にシャネルのディレクターに就任した彼は、フロントロックをココマークに変更、ストラップのチェーンにはレザーを編み込みました。私たちがよく知る今の「マトラッセ」は、ラガーフェルドの手によって生み出されたものだったのです。
マトラッセこぼれ話
マトラッセについて、ちょっと面白い話をいくつかご紹介します。
チェーンショルダーの小話
今や当たり前とも思われるチェーンのショルダー。これはシャネルが育った修道院で、シスターがキーホルダーとして使っていたチェーンからインスピレーションを受けたと言われています。
バッグ内部のバーガンディカラーの小話
また、マトラッセのライニングカラーと言えばバーガンディですが、これも修道院時代の制服がまさにこの色だったのだとか。
ポケットにまつわる小話
いくつかあるポケットにも実はそれぞれ意味が。
バックサイドにあるポケットは「スマイルポケット」などとも呼ばれますが、これは現金を入れるためのもの。バッグをいちいち開けることなく、現金を取り出せるというわけです。今の日本では現金をそのまま入れるのは少し現実的ではありませんが、チップの文化がある国では今も本来の目的通りに使用できますし、ICカードなどを入れておくのにもとっても便利です。
バッグ内側にある二つのポケットは、チークとパウダーを入れるためのもの、そしてその二つのポケットの間にある隙間は、口紅の収納場所なのです。「リップスティック」を生み出したのはシャネルですが、それを入れる場所を自身のバッグに施すとは粋ですね。
そして、フラップの裏にあるファスナー付きのポケット。ハンカチを入れるにも少し窮屈なこのポケットを、疑問に思ったことがあるのは私だけでしょうか?これはなんと、ラブレターをこっそり入れておくためにデザインされたものなのだとか!確かにフラップ裏でファスナー付きなら、そうそう他人に見られる場所ではありません。恋多き女性だったシャネルらしく、何ともセクシーですね。
シャネルのマトラッセはなぜ高いのか
シャネルの商品において、このような疑問が度々あがります。「なぜこんなに高いのか?」それは販売価格も買取価格も同様です。
販売価格の高騰
まず販売価格に関してですが、確かにここ10年で驚くほどの高騰が見られました。高級ブランドは格を保つために定期的に価格改定をしますが、それだけでは説明できない値上げぶりです。特に2017年の値上げは6~9%と非常に大きな値上げでしたが、これは為替レートが関係しています。長く続くユーロ高の影響で、フランスからの仕入れ価格が高くなりました。また、日本の価格が据え置きでは、ユーロ圏の方からすると「日本で買うシャネルは安い」ということになってしまい、転売に利用されかねません。それを防ぐため、世界のどこで買っても大幅な金額の差がないように、価格が統一されたのです。(消費者からすると非常に痛い話ですが・・・)
買取価格の高騰
次に買取価格についてです。これは単純に販売価格と比例して買取価格も上がると考えていただいて間違いありません。が、ことシャネルに関しては需要が非常に高いことが大いに関係しています。定価が高い商品でも、中古市場においては需要がなければ高く買い取ることはできません。求める人が多いからこそ、高い査定額を出すことができるというわけです。
また、ここ数年はヴィンテージシャネルと呼ばれる80年代頃の「マトラッセ」チェーンショルダーやリュックなども、若い世代に大変な人気となっており、買取価格も非常に高騰しています。
シャネルの価値
シャネルの商品はとても高額です。それこそ一般人が軽々とは買えないほどに。
けれど、改めてシャネルの数々の功績を辿ると、私たちは「シャネルの商品」を持たずして、日々「シャネル」に触れていることを実感できます。
彼女はぎゅうぎゅうのコルセットから女性達を開放しました。スカートを短くし、男性しか履かなかったパンツを女性が履いてもいいと、そしてそれがいかに実用的で動きやすいものかを教えてくれました。喪服以外に使われなかった「黒」をドレスに採用し、男性の下着であったジャージー素材を洋服に取り入れました。
その他にもイミテーションジュエリーを生み出したことで、宝石を「身分の証」ではなく、「自己」を表現するための自由なものにしてくれました。ファッション界においてシャネルは、数えきれないほどの革命をもたらしたのです。
彼女がいなければ、私たちはおしゃれを楽しむことができなかったかも知れません。
そう考えると、シャネルの商品には、私たちが気軽に身に着けるものの何百個分の価値があるのではないでしょうか。
・コルセットを着けないスタイルの提案
・女性のパンツスタイルを広める
・黒色のドレスを採用
・動きやすいジャージー素材を洋服に取り入れた
・イミテーションジュエリーを生み出す
シャネルマトラッセを高く売るコツ
売ろうかな?と思ったらすぐ!
ブランド品を高く売るには、とにかく早く売ることが鉄則です。リリースからの期間が短ければ短いほど、買取価格が高くなると考えてほぼ間違いありません。「最近使わなくなったな」と思ったら売り時です。
マトラッセに関しては、いつ売っても高額を期待できる常に人気の商品ではありますが、現在の定価高騰や近年のますますの人気ぶりを見ると、早めに査定に出すことが高く売ることへの近道ではないかと思います。
ヴィンテージ・シャネルを売るなら今!
シャネルのマトラッセは常に高い人気を誇りますが、先述の通り、特に最近は「ヴィンテージ・シャネル」が若い世代で大人気となっており、80年代のマトラッセは稀にみる需要度となっています。そのため買取価格も、数年前では考えられないほど高額になっています。状態が良ければ良いほど高い査定額がつくのはもちろんですが、ターゲットが10~20代ということもあり、今までなら買取不可とされてしまったようなダメージの大きい物も買取可能なケースが増えています。
バブル時代のマトラッセをお持ちの方、古すぎて買取は無理だろうと諦めていた方は、まさに今がチャンスです!
手間をかければ買取価格は高くなる
少しでも高く売りたいとお考えなら、断然、複数のお店に査定に出してみることをお勧めします!どこでも比較的高価な査定額がつく「マトラッセ」ですが、お店によっては数万もの差が出ることもしばしば。どのお店が一番高いのか、事前に分かれば言うことはないのですが、こればかりは実際に鑑定士に見てもらうしかありません。少し手間はかかりますが、手間をかけた分、きっと得があるはずです!
マトラッセという「スタイル」
ココ・シャネルが残した数々の名言のひとつに、こんな言葉があります。
流行とはうつろいゆくもの。マトラッセは単なる流行ではなく、スタイルとして確立され、シャネルを代表する憧れの象徴として輝き続けています。今も、そしてこれからも。
ビープライスでは、シャネルのマトラッセシリーズを高価買取中ですよ!