オメガのスピードマスターとNASAの密な関係

オメガのスピードマスターとNASAの密な関係

時計を詳しく知らない方でもオメガの「スピードマスター」という名前は聞いたことあるのではないでしょうか。

これほどまでに広く名が知られるようになったのは、スピードマスターが「人類と共に月面に降り立った初めての時計」だからでしょう。

「オメガとNASAの関係って?」
「スピードマスターってそんなにすごい時計なの?」
「NASAとスピードマスター、関係あると聞いたことがあるけどあまり詳しく知らない」

という方のために、アメリカの宇宙開発政府機関NASAと深い関係を持つオメガのスピードマスターの、長い歴史とドラマティックなストーリーをご紹介します。

NASAとオメガ

NASAとオメガが関係があるという自体は有名な話なので、少しでも時計に興味がある方なら耳にしたことがあるかもしれません。

しかし、「何となく知っている」程度の方も多いのではないでしょうか。

世紀の時を刻んだオメガのスピードマスタープロフェッショナル

NASAと大きな関係を持っているのは、オメガの「スピードマスター プロフェッショナル」という時計です。

このスピードマスターは月に行った時計として「ムーンウォッチ」の愛称で親しまれています。

1969年7月21日、人類初の月面におり立った、ニール・アームストロング。彼の腕に付けられていたのがこのスピードマスタープロフェッショナルです。

人類の宇宙開発の未来に大きな光を与えた1歩がアポロ11号の計画であり、その世紀の瞬間の時を現地で刻んでいたスピードマスター。

他の時計にはどんなに頑張っても決して真似できない唯一無二の価値なのです。

スピードマスターが宇宙に行ったのはアポロ11号が最初ではなかった

公式に宇宙での活動として認定されているのは1969年で間違いないのですが、実はその前にもスピードマスターは宇宙に行っていました。

オメガの公式サイトにも掲載されていますが、実は1962年、宇宙飛行士のウォルターが宇宙でのミッションを行う際、自身のスピードマスターを着けていました。

6度の月面着陸計画全てに携わった

「ムーンウォッチ」と呼ばれたのは最初の月面着陸がきっかけですが、その後、 6度の月面着陸のプロジェクト全てにNASA公式のオフィシャル装備品として認められている時計 です。

スピードマスターは厳しいテストに合格して、装備品に選ばれ信頼されています。なぜスピードマスターでなければ、ダメだったのでしょうか。

スピードマスターが宇宙飛行士を守る重要な役割を担っていた

宇宙活動の中で時計の最も重要な役割は、 宇宙船の計器が壊れた際に時間の計算が瞬時にできること です。

実際にスピードマスターが宇宙飛行士の命を救ったというエピソードがあります。

アポロ11号の後、1970年のアポロ13号では月へ向かう途中酸素タンクの爆発事故をおこしました。宇宙飛行士たちはその状態で大気圏突入するための準備をして、「14秒」という燃焼時間を正確に測らなくてはならなかったのです。

その時にスピードマスターを使って正確に時間を測り、手作業で計器を調整、宇宙飛行士たちは無事に地球に帰還することができました。

もし、時間を正確に測れていなければ、宇宙船は大気圏の外に飛び出し宇宙を漂うことになったかもしれません。

どんな状況であっても絶対に正確に時間を測る。ということに最も適した時計がスピードマスターだったわけですね。

「スヌーピー・アワード」を受賞

その宇宙での功績をたたえられ、1970年にNASAの宇宙飛行士から送られるシルバー スヌーピー アワードを送られました。

ある宇宙飛行士は、「他の時計を持っていけと言われてもオメガは保険として持っていく。」と言うくらい宇宙飛行士からも絶大な信頼を得ています。

どうやってスピードマスターがNASAに選ばれたのか

数ある時計の中からどうやってスピードマスターがNASAに選ばれたのでしょうか?
どのようなきっかけでどうやって選ばれたのかをご紹介します。

宇宙のために開発されたものではなく市販品だった?

スピードマスターはもともと宇宙のために開発されたものではありませんでした。
「スピード」とついているようにモーターレースやスポーツカーなど車の愛好者のためのドライビングウォッチでした。

ムーンウォッチとなったのは第4世代のプロフェッショナル。

きっかけは諸説あるようですが、1つがNASAの担当者が時計店を訪れ候補となりそうな時計を何本が購入した中に含まれていた。と言う話です。

そしてもう1つがNASAがテスト用に作ってもらうことを各メーカーに依頼、集めたという説。
今はこちらが事実とされているようです。

確かに、宇宙飛行士の命を預かるといっても過言ではない重要な役割を担っている装備品を何気なく入った時計店、しかも市販品を使うことを考えにくいですね。

厳しい条件をまずクリア

候補として選ばれた後、オメガのスピードマスター厳しい条件とテストをクリアして1965年はれて正式な装備品になりました。

最初に乗り越えなくてはいけない厳しい条件とは以下の項目があったとされています。

1.24時間中の時間の誤差が少ない時計である
2.クロノグラフである
3.ステンレススチールである
4.ダイヤルは指定の色である(黒か白)
5.手巻き、自動巻き、マニュアルで巻ける
6.気圧に強い
7.耐衝撃、防水、クリスタルが粉々にならないこと
8.ブランドの信頼性

この段階で多くの時計が脱落したことは容易に想像できますね。
これをクリアしたあとには更に厳しいテストが待っています。

その後過酷なテストに全て合格

上記の条件をクリアした時計だけが、次のテストを受けることができます。
次のテストは11項目。かなりの数です。

その11項目とは、

1.高温の環境でのテスト
2.低温の環境でのテスト
3.耐気圧のテスト
4.耐温度のテスト
5.気圧のテスト
6.衝撃のテスト
7.耐速度のテスト
8.耐減圧のテスト
9.耐高圧のテスト
10.振動のテスト
11.ノイズのテスト

これをすべてクリアしなければ、オフィシャルの装備品とはなれませんでした。当然ではありますが、過酷ですね。

このすべての条件を耐え抜いたのがスピードマスターであり、このテストを乗り越えたことで、スピードマスターがいかに精工で堅牢でこだわりをもって作られた時計かが分かります。

他に候補にあがっていたメーカー

もちろん、候補にあがっていたのはオメガだけではありません。
代表的な他の候補の時計ブランドは

・ロレックス
・ハミルトン
・ルシャール・ピカール
・グリュエン

など、一流のブランドばかりでした。

スピードマスターと宇宙の関係は続いていく

スピードマスターと宇宙やNASAの関係は、過去の話ではありません。

欧州宇宙機関(ESA)との共同開発モデル

宇宙とオメガの関係が今も続いているこをを示す一つの証拠として、 NASAだけでなく別の宇宙開発に関わる機関との共同開発モデル もあります。

それが「スピードマスター スカイウォーカー X-33」です。

こちらもESAの宇宙飛行士の公式装備品として提供されます。

NASAとオメガの強い関係性の証明がスピードマスター

50年たった今でも「ムーンウォッチ」としてスピードマスターが広く認識されているのは、 進化はしているものの、宇宙計画に参加した当時のスピードマスターの機能やこだわりを正当に受け継いでいるから でしょう。

これはNASAや宇宙との結びつきが、月面着陸自体が遠い過去の話になっている現代の人にも強く印象づける、オメガの戦略でもあります。

2020年にはスヌーピーアワード受賞から50周年の記念モデルも発売し、今でも強い関係性の証明としてスピードマスターは伝説の時計です。

まとめ

オメガとNASAの関係についてご紹介しました。

月面着陸をした唯一の時計。宇宙でも使える時計。という最強の価値をオメガは持っています。

このオメガとNASAの関係のエピソードは、多くの人にとってスピードマスターが今でも「ムーンウォッチ」として憧れの対象である理由が分かるオメガの歴史であり、オメガが一流たる所以の一つの証明であることは間違いなさそうです。

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