ドイツから韓国へ渡ったMCM、ヴィンテージブームで再注目
- MCMとは、一風変わった歴史を持つレザーブランド
- 韓国ブームでアジアを中心に流行
- 近年のヴィンテージブームについて
- MCMといえば「コニャックヴィセトス」のモノグラム柄
- MCMのこだわりが詰まったブラスプレート
- MCMが好まれる年齢層
- まとめ
MCMとは、一風変わった歴史を持つレザーブランド
MCM(エムシーエム)は1976年に誕生し、ドイツの高級レザーバッグブランドとして名を馳せました。
当時ミュンヘンで活躍していた俳優のマイケル・クローマーが、自分好みのレトロなバッグを作ろうと立ち上げたオリジナルバッグブランドが現在のMCMです。
MCMの代表的なモデルは、黄土色のレザー生地にMCMのロゴを散りばめたデザインの「ヴィセトス」モデル。使い込むほどに味が出るレザーの風合いをふんだんに楽しめるレザーバッグです。
あえてレトロにデザインされたMCMのアイテムは、現在のヴィンテージブームも相まって長く愛されています。
ドイツ生まれ、その後韓国に買収
MCMはドイツで誕生しましたが現在は韓国企業に買収されていることから「ドイツ生まれの韓国企業ブランド」として、ヨーロッパ・アジア圏を中心に展開されています。
2000年頃から韓国で革製品ブームによる輸出量の増加が起こり、著名な俳優やアイドル、文化人がMCMを愛用していることをきっかけに、2005年に韓国大手企業がMCMの買収に成功。韓国有数の百貨店の壁面に大きな広告が掲げられるなどしてMCM人気は高まります。
アジア圏への販路拡大の足掛かりとして2021年には拠点を韓国へと移し、ヨーロッパやアジア圏に向けて発信しています。
ブランド名の由来と読み方、これまでに変更された経緯
MCMのブランド名については何度か解釈が変更されているようです。
設立当初は創設者の名前を絡めたマイケル・クローマー・ミュンヘン(Michael Cromer Munich※)の頭文字でしたが、韓国企業の買収をきっかけに、モード・クリエイション・ミュンヘン(Mode Creation Munich)へと変更されました。そして現在のMCM公式サイトにはモダン・クリエイション・ミュンヘン(Modern Creation München)と記載されており、時代に合わせてブランド名に込める思いを変え、長く愛されるブランドであるよう工夫がされているのです。
※ Munichは英語読みでミューニック、つまりミュンヘンの事です。
設立時 | マイケル・クローマー・ミュンヘン(Michael Cromer Munich) |
韓国買収時 | モード・クリエイション・ミュンヘン(Mode Creation Munich) |
現在の公式サイト | モダン・クリエイション・ミュンヘン(Modern Creation München) |
また、ロゴに施されているのは勝利・名誉・勇気のシンボルであるローレルリーフ(月桂樹の葉)をモチーフとしています。
韓国ブームでアジアを中心に流行
最初のブームはバブル時代
日本での最初のブームはバブル時代に訪れます。一目でブランド物とわかるアイテムが好まれる時代であり、特徴あるロゴと芳醇なコニャックを思わせるカラーを用いたMCMは瞬く間に人気ブランドとなりました。
この時代では、MCMと同じくモノグラム柄が敷き詰められたルイヴィトン、大きなココマークが目立つシャネル、バリエーション豊かなGG柄が配置されたグッチ等のバッグが大流行していました。
韓流ブームと共に日本で再ブレイク
2005年にMCMが韓国ブランドとなったことで、多くの韓流スターや韓国のアイドルが愛用しており、日本での韓流ブームも相まってファンの間で人気が高まりました。
・東方神起
・BIGBANG
・BEAST
・少女時代
上記のような、当時人気が高かったK-POPアーティスト達が使っていたMCM。コアなファン程「同じアイテムを身に着けたい!」という思いがあったようです。
また日本と同じく香港、台湾、中国、アジア圏各地でも人気が高まり、若者に向けたカジュアルさを打ち出していた時期でもあります。
地雷系・量産型ファッションとして密かなブーム
韓国では人気が落ち着いてきた頃、SNSの普及とともに日本では地雷系ファッションとして人気が高まります。地雷系ファッションと聞くとマイナスなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、「病みかわいい」ジャンルとして独特の世界観を表現するファッションの一部に取り入れられています。
特に歌舞伎町周辺での人気があり、この界隈で好まれるMCMのピンクカラーリュックは「歌舞伎町のランドセル」と呼ばれることも。この理由については別記事で詳しく解説しています。
近年のヴィンテージブームについて
何度かブームを巻き起こしたMCMですが、最近では「時代遅れでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかしファッションの流行はおおよそ10年~20年サイクルで波のようにやってきます。MCMもバブル期・2000年前半に流行したものであり、近年のヴィンテージブーム・リバイバルブームも相まってジワジワと再燃しています。
「親が使っていたものを現代風ファッションと合わせるとかわいい」という観点からも人気があり、あえてレトロを感じるアイテムを身に着けたいという世代に注目が集まっています。
現在注目されているヴィンテージブームでは、バブル期に流行したアイテムであるシャネルのゴールドアクセサリー・グッチのシェリーラインといったクラシカルモデルがリバイバルしており、中古ショップ・古着屋さんなどを中心にたくさん流通しています。
この影響を受け中古相場も上がってきており、綺麗な状態のヴィンテージアイテムはもちろんの事、たくさん使った使用感が感じられるアイテムにも価値を感じる市場となっています。
ビープライスではMCMのアイテムを積極的に買取しています。定番モデルのコニャックカラーはもちろん、最新のパウダーピンクカラー・ニューミュンヘンブルー・ホワイトカラーのアイテム等喜んでお買取しています。リュック・トートバッグ・ショルダーバッグ・財布など種類問わず受け付けておりますので、売却をお考えの方は是非ご相談ください。
MCMといえば「コニャックヴィセトス」のモノグラム柄
MCMの代表的なモデルといえば、ロゴを散りばめたヴィセトスモデル。クラシカルとモダンを両立させたシリーズです。
使い込むほどに味が出るブラウンカラーは「コニャックカラー」と呼ばれ、その名の通り熟成を重ねたコニャックのように芳醇な香りを彷彿とさせるブランドの顔ともいえるカラーです。
MCMのこだわりが詰まったブラスプレート
MCMの製品に付けられているエンブレムはゴールドカラーのプレートです。ブラス(真鍮)製のタグが製品1点1点に付けられ、異なる番号が刻印されていることで、同じ製品が二つとないことを証明しているとされています。
MCMが好まれる年齢層
エムシーエムはどの年齢層に人気なのでしょうか。ネットやSNSの反響を調べてみると、20代~30代を中心に高い人気があるようでした。
20代30代といった若い世代の方は、ヴィセトス柄の小さめリュックをコーディネートして量産型ファッションと呼ばれるスタイルに取り入れているのを見かけます。
また、MCMはPUMA(プーマ)やクロックス等若い世代に人気のブランドと積極的にコラボしていることも人気のポイントです。
年齢が上がるにつれ、トートバッグ型やショルダーバッグ型をモダンに取り入れたり、あえて定番のコニャックカラーを外したり、ヴィセトス柄ではないモデルを選ぶなど、定番型以外をうまくコーディネートしている様子が伺えました。
MCMの財布はロゴがエンボス加工されたものや、無地にゴールドのロゴが一つだけついたような、シンプルなデザインへの人気が高まっています。
価格帯は長財布で約5万円~7万円となっていて、バッグ同様20代30代の若い世代を中心に好まれていますが、「バッグ程主張しない財布でMCMを持ちたい」と考える40代以上の方にも好まれています。
特に年齢が上がってくると、合皮やエナメル、コットンキャンバス素材よりも本格的なレザー素材を持ちたいと考える方が多くなってくる傾向から、MCMはオススメできるブランドであると言えます。
まとめ
MCMは近年のヴィンテージブームに乗り人気が高まっているブランド。ドイツで生まれ韓国へうつりかわるなど特殊な背景を持っており、時代に合わせたブランディングがされています。
これまでにバブル期・韓流ブーム期と合わせてブレイクしており、近年のヴィンテージブームにより注目が高まっているMCMは今後の展開に目が離せません。