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真珠買取で値段がつかないのはなぜ?フェイクパールの見分け方

真珠買取で値段がつかないのはなぜ?フェイクパールの見分け方

真珠はダイヤモンドやルビー・サファイアに次ぐ人気の宝飾品の一つです。女性であれば冠婚葬祭用として真珠のネックレスとイヤリング/ピアスのセットを持っている方も多いでしょう。

そんな身近な真珠ですが、いざ売却しようとすると「思っていたよりも買取価格が低く付けられた」とがっかりしたという人がいます。中には、本物だと思っていたものが実はフェイクパールだったというケースも少なくありません。なぜ真珠の買取価格が低く付けられてしまうのか、そして本物とフェイクパールをどう見分ければよいのかを詳しく解説します。

真珠に値段が付かないといわれる理由

自分が想像していたよりも真珠の価格が低かったとされる要因は、大きく分けて「ダメージなどの要因により真珠自体の品質低下」「真珠の需要の変化による市場価値の低下」「買取店側の問題」が考えられます。これらを詳しく説明していきます。

理由1:真珠は変色・劣化が起こりやすい

真珠の色の違い

真珠はダイヤモンドといった鉱石とは違い、貝から作られる有機物であるため経年劣化が起こりやすい性質を持っています。

真珠は紫外線に弱く、汗や皮脂汚れの付着などの要因からタンパク質の変性が起こり、黄ばんだような色へと変色してしまいます。特にネックレスの場合、糸の擦り切れや伸び、真珠同士の摩擦により傷がついてしまうこともあり、古い真珠製品は経年劣化によるダメージで価値が下がっていることがあるのです。 

理由2:真珠の需要が減ってきた

冠婚葬祭のアクセサリーとして真珠のネックレスやイヤリングは定番でしたが、時代の変化に伴い真珠を身に着ける人が減ってきました。つまり需要が減ることでリユース価格も下がってしまっている、と考えられます。

また製造技術の向上により本物そっくりのフェイクパールが多く流通し、安価で手に入るというメリットから若い世代の間では本真珠ではなくフェイクパールでOKと考える人も増えています。

理由3:養殖真珠の流通が増えた

近年中国を中心として、養殖真珠が大量に流通していることで市場価格が下がっているとされています。現在では流通している真珠のほとんどが養殖真珠であるといえるでしょう。

日本では三重県志摩市・愛媛県宇和島市・長崎県:大村湾などで真珠の養殖が行われています。

希少な天然真珠に比べて、量産しやすい養殖真珠の流通が増えたことで供給過多となり、真珠の市場価値が下がっていると考えられます。

理由4:真珠買取を苦手とする買取店が増えている

真珠製品は経年劣化が起こりやすく、需要減少と供給過多により市場価値が下がっている傾向になると解説しましたが、もうひとつ大きな要因として、真珠の価値判断が苦手な買取店が増えていることが挙げられます。

真珠はダイヤモンドなどと比べて品質のよしあしを決めるランクの判断が難しく、真珠を専門的に鑑定できないと正しい価値を見分けることができません。ダイヤモンドやルイヴィトンのようなブランド品に比べて真珠は利益が低いこともあり、真珠買取に力をいれている買取店は少ないのが現状です。

また、近年全国的にみても急激な買取店増加により、買取歴の浅いスタッフが店頭に立つことも少なくありません。端的に言えば、目利きができる査定士が減っているのです。

技術の低い査定士は、真珠の正しい価値がわからず、マイナス利益にならないよう低めの買取価格を提示してリスクを回避することがあります。 

独自に行った市場調査では、通常8,000円の買取価格を付けることの出来る真珠のネックレスを、買取価格1,000円と提示したお店がありました。

こうしたイミテーションパールと本真珠の違いが分からないなど、真珠買取が苦手な買取店に持ち込んでしまうと、相場価格よりも低い買取価格を提示され、がっかりしてしまうことも少なくありません。

真珠の評価基準と価値、ランクについて

真珠の評価基準と価値、ランクについて

真珠は評価するポイントがいくつかありますが、どこか1点が突出して優れていたとしても良い真珠というわけではありません。例えば粒のサイズが大きいが形が悪い、艶があり光沢感が優れているが目立つキズがあるなどです。

特に重要視されるのは真珠の光沢感といわれておりますが、その他のポイントで一定の基準をクリアしていないと品質の良い真珠であるといえないのです。

高く売れる真珠とはどういったものなのか、良い真珠とはどういったものなのかを解説します。

光沢感

光沢感(テリ)とは真珠の表面から反射された光の強さのことを指し、真珠の評価に大きな影響を与える重要な要素です。
真珠の核を取り囲む真珠層(巻き)が緻密かつ規則的に巻かれていることや層の厚みがあることで、真珠にあたった光が内部の層で反射し内側から輝くような強い光沢を放ちます。良い真珠ほどツヤツヤとしており深みのある色をしていて、テリの弱い真珠は膜が張ったような鈍い光沢感です。

巻き

真珠を評価する際には巻きの厚さが重要になります。
巻きは単純に厚ければよいものではなく、一定基準の厚みがありながら均一かつ緻密に巻かれているものが良いとされています。
巻きが厚くなると少しの異物で真円になる確率が下がるため、程よい厚みの均一な巻きの天然真珠は非常に貴重となります。

キズ

真珠は天然素材であるため、キズやエクボと呼ばれるへこみがないものほど希少で高価です。
ただし巻きや光沢感がよいものであれば多少のキズやエクボがあっても評価が高くなることもあります。一般的には真珠についているキズをうまく隠すようにイヤリングや指輪の留め具に重ねることでで目立ちにくくする工夫がされています。また、こうした真珠本来の価値に左右されるキズではなく、使用による劣化や変色、硬いものにあたった傷といったダメージは査定額に影響しますので、皮脂汚れに弱い真珠製品は着用後に柔らかいクロスで拭いてから保管するなど取り扱いには注意しておくとよいでしょう。

真珠には様々な種類があります。一般的によく知られているのはあこや真珠・南洋真珠・黒蝶真珠であり、真円であることが美しいとされています。
とくにあこや真珠の巻き・テリ・形・色・キズすべてに優れたと評価されたものは「花珠真珠」と呼ばれ、その希少さから価値が高いとされています。なお、真珠は真円が良いとされていますが淡水真珠・ケシ真珠・マベ真珠などは、平べったい形や小石のような形、バロック型と呼ばれるような特徴的な形をしていますので、それぞれ真珠の種類に応じた美しい形があります。

サイズ感

真珠は種類によって大きさが違いますが、あこや真珠を例に挙げると7.0〜8.5mmが一般的なサイズであり、6mm以下の粒はベビーパールと呼ばれています。8mmを超える大粒なものほど希少価値が高いのですが、特に重要視されるのは真珠を繋げたネックレスなどで、サイズ感が統一された「連相」と呼ばれる統一感です。連相は使われる真珠の大きさ・テリ・色などが調和しており、全体を通してバランスが良いものが美しいとされていて価値があります。

色(カラー)

真珠の色も評価のポイントになります。
ホワイト系の真珠の場合、透明感が強くオーロラのように光の反射で黄色やピンクに見える層が映し出されるものほど価値が高くなります。
ブラック系の真珠の場合、光の加減でグリーンの層が美しく出ているものは「ピーコックカラー(孔雀色)」と呼ばれ、黒蝶真珠の中でも特に高い価値となります。
また、あこや真珠ではグレーカラー・ブルーカラー・はっきりとしたピンク等は着色真珠です。人工的な着色がされているものはイミテーションと同じ扱いとなるため評価が下がります。

本真珠とフェイクパールの見分け方

本真珠とフェイクパールでは価値に大きな差があります。買取の現場でも実際に行っている本真珠とフェイクパールの見分け方を簡単に紹介します。

なお本物との見分け方は段階的に行うものであり、これから挙げる項目をひとつずつ確認し、総合的に判断していくものであることを念頭においておきましょう。

ブラックライトをあてる

真珠の見分け方はブラックライトにあてる

真珠はブラックライトに反応するため、買取の現場ではまずブラックライトをあてて本物かフェイクパールかを見極めます。

  • 本物の真珠はブラックライトをあてると青白く見えます
  • 偽物の真珠はブラックライトをあてても反応しません

真珠は幾重にも重なった真珠層の中に「有機物」を含んでいます。この成分が紫外線を浴びると反応し、独特の光(蛍光)を発する性質があるためです。 一方、多くのフェイクパールは表面が人工的な塗料でコーティングされているため、この蛍光反応が起きません。

真珠同士をこすりあわせる

真珠同士こすり合わせる触感で判断する方法もあります。ザラザラ・キシキシ・コリコリする ような感触があれば本真珠であり、ツルツル・スベスベといった感触であるならフェイクパールである可能性が高いです。

人工的につくられたフェイクパールはコーティングによって表面がはかなり滑らかに作られています。反対に自然物である本真珠は幾重に巻かれた層で構成されているため、一見凹凸が無いように見えていても、注意深くこすり合わせるとコリコリとした触感を感じます。

糸の穴口を確認

真珠とフェイクパールの見分け方-穴の断面

ネックレスであれば、本物の真珠と偽物の真珠を見分ける際に糸の穴口をあけた断面を確認します。

  • 本物の真珠は丸くきれいな穴であることがほとんどです
  • 偽物の真珠は断面がデコボコして穴の周りが盛り上がったものがあります

フェイクパールは安価で生産し利益を得るという特性上、穴あけ技術にお金を掛けていません。そのため一方向からドリルで穴をあけることが多く、ドリルが貫通する際にバリと呼ばれる凹凸が穴の周りに出来ていることがよく見られます。

反対に本物の真珠であればしっかりと加工するため、穴あけの際ドリルは両方向から丁寧に入れており、穴の淵は直線的でパキッとしたきれいな処理が施されています。

色味の確認

次に確認するのは色味の確認ですが、これは慣れてないと見分けるのが難しいかもしれません。真珠は独特の光沢をもっていますが、光の加減でオーロラのように色の見え方が変わってくる性質を持っています。

  • 本物の真珠はピンクやイエロー、黒真珠であればグリーンといった色がみえる
  • 偽物の真珠は色味が一定で、光の加減で変化がみられない

本物の真珠は光が透明な薄い膜の表面と裏面で反射し、それらが重なり合うことで起こる光の干渉が起こり、これを「干渉色」と呼びます。フェイクパールはこうした干渉色が出ることがなく、あったとしても本物とは違った色と輝きになるため、見分けるポイントの一つとなります。

留め具(クラスプ)の確認

真珠ネックレスの留め具クラスプの違い

真珠のネックレスに使われている留め具も本物かフェイクパールかを見分ける手がかりになります。

  • 本物の真珠はシルバー製などの刻印があったり、装飾が豪華な留め具が使われている
  • 偽物の真珠はボールチップ金具や安価な金具、シルバー刻印がないものが使われている

フェイクパールは安価で生産しコストを下げているため、留め具にお金を掛けていません。そのため、シンプルで装飾のない金具であったり、素材がシルバーといった貴金属ではないことが多いです。

本真珠はシルバー刻印がある金具が使われている

本真珠の製品であれば基本的に留め具にシルバー(SILVERまたは925)といった刻印があり、華のような装飾が施された留め具であることが多いので、こうした点で見極めることが可能です。

また、ミキモトやタサキといったブランドが販売する真珠は、14金や18金といった、シルバーよりも価値の高い素材が使われていることもあります。

真珠の価格が下がってしまうポイント

本真珠であっても価値が低い真珠珠であったり、経年劣化などで品質が下がってしまうことがあります。売却前にご自身でも真珠の価値を正しく把握しておくことは大事です。そこで査定士が見ている真珠の価値が下がってしまうポイントを4つ紹介します。

  • 真珠表面のキズ
  • 穴口の割れ
  • 巻きの薄い真珠や照りの悪い真珠
  • 粒のサイズ・色・形が揃っていない

真珠は宝石などの硬さを示す数値であるモース硬度はおよそ3.5程度です。比較する目安として、世界一硬いといわれるダイヤモンドは10、鉱石の中でも比較的柔らかいと言われているフローライトは4。ちなみに人間の爪は2.5です。

つまり、爪でひっかいても傷はつきませんが、真珠同士もしくは他の宝石類とぶつかると傷がついてしまうため、着用時や着用後の保管には注意しておくとよいでしょう。

また、ネックレスの紐を通している穴口部分は非常にもろく、層がはがれやすかったり割れやすくなっているため、買取時にはこの部分もしっかりチェックしています。

次に真珠本来の品質を見極めるために、真珠の巻きや照りといった評価ランクを確認し、本真珠の中でも高品質のものであればしっかり価値をつけていますが、特に巻きが薄い真珠は価値が低くなる傾向にあります。

真珠のネックレスであれば全体を通して粒の大きさや色・形がしっかり揃っていないと評価が下がってしまう傾向にあります。

こうしたポイントを見ている理由は、「次に購入するユーザーに好まれないため」です。リユース業界では欲しいと思う人が少ないと自然と買取価格も下がってしまう傾向にありますので、買取価格を決める重要なポイントとなります。

真珠製品は思いがけない場所で眠っている

真珠製品は家の中で眠っていることが多くある

遺品整理や実家の片づけを行っている際、アクセサリーボックスから使っていない古い真珠製品が出てくることがあります。真珠は冠婚葬祭のアクセサリーとしてはもちろん、和装小物、ネクタイピン、カフスといった様々なアイテムの装飾に使われているため、予想以上に多くの真珠製品が眠っていることも珍しくありません。

特に女性の場合、真珠製品は親から譲り受けているケースが多く見られます。成人式のお祝いとして、実家を出る際に冠婚葬祭用のネックレスとイヤリングのセットを買ってもらったり、祖父母が亡くなった際の形見分けや遺品整理で譲り受けたりと、様々な経緯で手元にあることが多いのです。

こうした真珠製品の問題点は、自分で購入したものではないため、それが本物の真珠なのかイミテーション(フェイクパール)なのか判断がつかないということです。箱や鑑別書が残っていれば良いのですが、長年保管されている間に紛失してしまっているケースも少なくありません。

真珠製品の多くは売れるものですが、どれくらい価値があるのかわかっていない人が多いのが現実です。

真珠の種類について詳しく解説した記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください

真珠の種類とランク|アコヤ真珠と花珠真珠の違い

日本のリユース真珠は相場価値が高い

日本で流通しているリユース真珠は、品質が高いことで知られています。ブランドジュエリーの真珠に価値があるのは当然ですが、実はノーブランドの真珠製品であっても高い価値を持つものが少なくありません。

特に注目すべきは、海外市場におけるあこや真珠の人気です。あこや真珠は日本で生産されたものの品質が優れているため、国際的に高い評価を受けています。その美しい光沢と整った形状は、世界中のバイヤーから求められており、需要に対して供給が追いついていない状況が続いています。

このような背景から、日本のリユース市場における真珠、特にあこや真珠は安定した需要があり、適切な品質のものであれば高い相場で取引され、良い買取価格が期待できるのです。

買取業界からみた最近の真珠事情

近年、「真珠買取します」といった広告やチラシをよく見かけるようになりましたが、多くの買取店での本音は「多くの人が所有しているものであるため来店が見込める」という集客の一環です。いわゆる「入り口商品」と呼ばれる品物の一つとして考えられています。そして入り口商品と位置付けている場合、買取価格を抑えて買取を行い、ダイヤモンドやブランド品といった他の利益率の高い品物の買取へ繋げるといった思惑があります。

しかしながら、私たちはそうではないと思っています。真珠は生き物から生み出される産物の中でも、何年も年月をかけて育まれる奇跡のようなもの。非常に希少なものであり、品質の良いものは受け継がれていくべき価値のあるものだと考えています。

長年買取業界をやっている中でお客様の話を聞いていると、家の中にあるものの本当の価値に気が付いていないことが多々あります。例えば、指輪やネックレスについてる真珠は価値がありそうと思っていても、タイピンやかんざし、ヘアコーム、和装具といった装飾品に付いている真珠は見落としがちである、などです。

遺品整理などでタンスからこうした装飾品がごちゃっと出てきた場合、人によってはまとめて捨ててしまうということも耳にします。ご自身で判断できないものはまとめて持ってきてもらえたら、しっかり価値を見極めてお買取させていただきます。特に金の相場が上がっているこの時代、1gでも金製品が紛れていたら思いがけない買取価格になります。

リユース相談本舗では真珠製品のお買取をいたしております。本物の真珠かフェイクパールかの判断が付かないお品物や、鑑別書/鑑定書がない真珠、もしかして価値の低いメッキかもしれない…と不安に思っている方、その他アクセサリー類をまとめて査定してほしい方は是非リユース相談本舗にご相談ください。実家じまいや遺品整理などで出てきたアクセサリー類・仏具といったお品物の中から価値あるものを見つけて、しっかり査定をし、誠実なお値段をお付けいたします。

真珠買取

上山 隆 (ウエヤマ リュウ)
この記事の著者
上山 隆 (ウエヤマ リュウ)
リユース営業士・遺品整理士・終活アドバイザー。「りゅうさん」としてSNSで真贋や高価買取の豆知識を発信中。その圧倒的な商品知識と現場感覚を活かし、FCスーパーバイザーとして加盟店のサポートも行う。
保有資格
リユース営業士/終活アドバイザー/遺品整理士