ペリカン万年筆トレドM700完全ガイド!価値と魅力を解説
ペリカン(Pelikan)の最高峰「トレド(Toledo)」は、24金象嵌装飾(ぞうがんそうしょく)を施した芸術的万年筆です。M700、M900など各モデルの特徴、限定品の価値、中古市場での評価まで徹底解説。専門店ならネーム入りや経年変化品でも、貴金属の地金価値と希少性を適切に評価して高価買取が可能です。
- はじめに:ペリカン万年筆トレドの魅力とは
- ペリカン(Pelikan)とは?|ドイツが誇る180年の伝統
- ペリカン万年筆トレド(Toledo)|スペイン伝統工芸の最高峰
- 【サイズ別比較】ペリカン トレド M700・M900の特徴と種類
- スーベレーンとトレドの違い|何が特別なのか
- トレドの書き心地と使用感|ペリカン特有のペン先
- トレドの刻印について
- 購入時のポイントと注意点
- コレクター視点での魅力
- トレド万年筆の適切な保管とメンテナンス方法
- 名前入りや経年変化品でも価値がある理由|捨てる前に知ってほしいこと
- まとめ:一生ものの万年筆「トレド」
- スーベレーン:緑縞や黒などのアクリル樹脂製ボディ。シンプルで実用的。
- トレド:スターリングシルバー製スリーブに24金の象嵌細工。芸術性が高い。
- 毎日惜しみなく使いたい
- コストパフォーマンスを重視
- シンプルで飽きのこないデザインが好き
- 万年筆の実用性を最優先したい
- 特別な一本として大切にしたい
- 芸術性や所有する喜びを重視
- 資産価値のある万年筆が欲しい
- 人生の節目で使う「記念の一本」が欲しい
- 世界に一つだけの個性を持つ万年筆を求めている
- 直射日光を避け、湿度の低い場所に保管(湿度40〜60%が理想)
- 専用ケースや桐箱での保管が理想
- 長期間使わない場合はインクを抜き、水で洗浄してから乾燥させる
- 極端な温度変化を避ける
- 月に一度は水で内部を洗浄(ぬるま湯が効果的)
- 銀の変色が気になる場合は、シルバー磨きクロスで軽く拭く(強く擦らない)
- ペン先の調整は、必ず専門店に依頼
- ピストン機構には定期的なグリスアップが必要(2〜3年に一度)
- ペン先(18金製):書き味の要となる最重要パーツ
- 象嵌スリーブ(傷の少ないもの):トレドの象徴であり、替えが効かない
- 吸入機構(ピストン):ヴィンテージモデル特有の機構
- クリップやキャップリング:細かなパーツでもオリジナルが求められる
はじめに:ペリカン万年筆トレドの魅力とは

ペリカンは1838年創業、ドイツを代表する世界的筆記具ブランドです。中でも「トレド(Toledo)」は、スペインの伝統工芸による手彫り象嵌装飾が特徴の最高峰シリーズ。スターリングシルバーのスリーブに24金のゴールド層を使ってモチーフを一本一本手作業で彫り込む技法は、熟練職人が数百時間をかけて完成させる芸術作品です。
1980年代から限定生産され続けるトレドは、M700、M900というサイズ展開があり、それぞれペリカンの人気モデル「スーベレーン」をベースとしています。同じモデルでも職人の手仕事により一本一本が微妙に異なり、世界に二つとして同じものが存在しません。
中古市場でも高い資産価値を維持し、限定カラーや1980年代の初期モデルはプレミア価格で取引されることも。ペリカン特有の滑らかな書き心地と、所有する喜びを両立した「一生もの」の万年筆として、世界中のコレクターから愛され続けています。
なお、スーベレーンについては別記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらをご覧ください。
ペリカンスーベレーンM800・M400レビュー|モデルの違いと選び方ガイド
ペリカン(Pelikan)とは?|ドイツが誇る180年の伝統

ペリカンは1838年にドイツ・ハノーファーで創業した、180年以上の歴史を持つ筆記具メーカーです。1929年に画期的な「差込式ピストン吸入機構」を開発し、万年筆の歴史を変えた革新的ブランドとして知られています。
親鳥が自らの血を雛に与えるという伝説に基づく「親子ペリカン」のロゴマークは、最高の品質を提供するという献身の象徴。このマークは、クリップ部分やキャップリングに刻印され、ペリカンユーザーの誇りとなっています。
代表作「スーベレーン」シリーズをはじめ、実用性と耐久性に優れた万年筆を世界中に提供し続けており、その中でも最高峰に位置するのが「トレド」です。
ペリカン万年筆トレド(Toledo)|スペイン伝統工芸の最高峰
トレドシリーズは、ペリカンの中でも特別な位置を占める芸術的万年筆です。その名前の由来、歴史、そして独自の装飾技法について詳しく見ていきましょう。
トレドの名前の由来と歴史的背景
「トレド」はスペイン・トレドの伝統工芸をモチーフにしたシリーズ名です。
「トレド」という名前は、スペイン中部の古都トレドに由来します。この街は中世から金属工芸、特に剣や装飾品における象嵌細工で世界的に知られており、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の文化が融合した独自の工芸技術を発展させてきました。
ペリカンはこの伝統的なトレド工芸にインスパイアされ、万年筆の軸に精緻な象嵌装飾を施すという、前例のない試みに挑戦。こうして誕生したのがトレドシリーズです。
1980年代から続く特別限定シリーズ
トレドシリーズが初めて発表されたのは1980年代初頭。当時から「限定生産」を基本方針とし、一本一本が職人の手作業で仕上げられる特別なモデルとして位置づけられました。
以来、40年以上にわたり生産され続けているにもかかわらず、その希少性と芸術性は衰えることなく、むしろ年を追うごとに評価が高まっています。特に初期の1980年代モデルは、現在ヴィンテージ市場で驚くような高値で取引されることも珍しくありません。
トレドの芸術性|手彫り象嵌が生み出す美の世界

トレドの美しさは、単なる装飾ではありません。ダマスキン模様と呼ばれる数百年の歴史を持つ伝統工芸と、現代の精密技術が融合した結果生まれる、唯一無二の芸術性があります。
手彫りのシルバースリーブ
トレド万年筆は、外装に施された繊細なエッチングが最大の魅力です。シルバースリーブにはペリカンならではの模様やアラベスクが手彫りで彫刻され、光を受けて美しく輝きます。
ゴールドとの融合
装飾には24金が使用され、シルバーとの対比が高級感を強調します。キャップバンドやクリップ、ペン先の装飾にもゴールドがあしらわれ、全体の統一感が際立ちます。
スペイン・トレドの伝統的模様
デザインのモチーフとなっているのは、スペイン・トレドで古くから受け継がれてきた模様です。イスラム文化の影響を受けた幾何学的かつ有機的なデザインは、クラシカルでありながらモダンな雰囲気も併せ持ちます。
この模様は単なる装飾ではなく、「無限の繁栄」や「生命の連続性」といった意味が込められており、万年筆という「書くことで思考や記録を紡ぐ道具」にふさわしいシンボルとなっています。
細かな線の一本一本に至るまで、職人の手作業によって丁寧に仕上げられるため、拡大鏡で見るとその精緻さに驚かされます。機械では決して再現できない、人の手だからこそ生み出せる温かみと美しさが、トレドには宿っているのです。
一本一本異なる、職人の手仕事による個体差

トレドの象嵌作業は、完全に職人の手作業で行われます。そのため、彫りの深さ、金の埋め込み具合、模様の配置など、一本一本が微妙に異なります。
これは工業製品としては「個体差」と呼ばれるものですが、トレドにおいては「個性」であり「唯一性」として評価されます。同じM900トレドを持っている人がいたとしても、厳密には全く同じ模様ではない——この事実が、所有する喜びをさらに高めてくれるのです。
実際、トレドのコレクターの中には、同じモデルを複数本所有し、それぞれの微妙な違いを楽しむ方もいるほど。一本一本が職人の魂が込められた芸術作品だからこそ、何本持っていても飽きることがないのです。
【サイズ別比較】ペリカン トレド M700・M900の特徴と種類
トレドシリーズには、主に2つのサイズ展開があります。それぞれペリカンの人気モデル「スーベレーン」をベースとしており、サイズ感や使用感が異なります。また、素材や色が違うトレドも展開されています。

トレド M700:スーベレーンM400ベースの上品な中型サイズ
中軸サイズでバランスがよく、スーツの内ポケットや小さめのペンケースにも収まりやすいため日常使いにも適しています。トレドシリーズの中でも比較的入手しやすいモデルとして人気があります。
ペリカン万年筆の代表モデルであるスーベレーンのM400に近いサイズ感です。
トレド M900:スーベレーンM800ベースのバランス型
存在感・重厚感ともにシリーズ最高峰で、コレクター需要も根強いです。限定生産のため、希少価値が高まっています。M700よりも大きなサイズであるため、ファンの間では「ビッグトレド」という愛称で親しまれています。
ペリカン万年筆の代表モデルであるスーベレーンのM800に近いサイズ感です。
トレドM910:特別生産品のホワイトトレド

トレドM900と同じサイズのホワイトカラーが登場。これは特別生産品であり、従来のトレドと全く違う印象を持つ万年筆となっています。クリップや天冠は24金パラジウムプレート仕上げとなっており、従来のゴールドカラーとは違ったシルバーカラー。従来のインクウィンドウはグリーンカラーだったのに対し、こちらはグレートランスペアレント(透明感のあるグレー系)です。全体的に精錬された印象のトレドとしてデザインされています。
スーベレーンとトレドの違い|何が特別なのか
ペリカンの代表作「スーベレーン」と「トレド」。両者はベースが同じながら、装飾と価格に大きな差があります。その違いを詳しく見ていきましょう。
ベースモデルとの装飾・価格の差
トレドは、スーベレーンM400、M800をベースとしていますが、最大の違いはボディの装飾です。
価格面では、スーベレーンM800が約7〜10万円であるのに対し、トレド M900は約20〜30万円と、2倍以上の差があります。この価格差は、手作業による象嵌装飾と貴金属素材のコストを反映したものです。
さらに言えば、トレドの価格には「職人の数百時間にわたる手作業」という付加価値が含まれています。単なる素材費だけでなく、伝統工芸技術と職人の技術料が価格に反映されているのです。
実用性と芸術性のバランス
スーベレーンは「実用万年筆の最高峰」として、毎日ガシガシ使える耐久性と機能性を重視しています。一方、トレドは「実用できる芸術品」として、持つ喜びや所有欲を満たす側面が強いモデルです。
もちろん、トレドも日常使いは可能ですが、その美しさゆえに「特別な場面で使いたい」と考える所有者が多いのも事実です。重要な契約書へのサイン、大切な手紙の執筆、記念日の日記など、人生の節目となる場面でトレドを使うことで、その瞬間がより特別なものになります。
どちらを選ぶべきか?用途別の選び方
スーベレーンがおすすめの方
トレドがおすすめの方
最終的には、「書く道具」としての機能を最優先するならスーベレーン、「持つ喜び」や「芸術性」を求めるならトレド、という選び方が良いでしょう。あるいは、両方を所有して使い分けるという贅沢な選択肢もあります。
トレドの書き心地と使用感|ペリカン特有のペン先
ペリカン万年筆の特徴であるピストン吸入機構は、万年筆インクの補充がスムーズかつ大容量で行えるため、長文筆記にも適しています。トレド特有の重厚なボディバランスは、安定感のある書き心地を実現。また、ペン先はしなやかさと耐久性が両立しており、多くの書き手から高評価を得ています。
トレドの刻印について

ペリカン万年筆トレドにはシルバー素材であることを示すAg925(または925のみ)の刻印に加えて、制作に携わった職人のサインと個々に割り振られた、数字とアルファベットからなる固有番号が彫られています。この番号は保証書にも記載されています。
購入時のポイントと注意点
トレドは高額な万年筆です。購入時には、正規品の確認やアフターサービスなど、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
正規品の見分け方

トレド万年筆は限定生産が多いため、並行輸入品や中古品も多く出回ります。購入時は、付属の保証書や箱の状態、刻印の正確性を確認することが大切です。特に限定モデルの場合、オリジナル証明書の有無は価格に大きく影響します。
また、トレドの場合、象嵌スリーブの仕上がりが正規品と偽物では大きく異なります。正規品は金の象嵌が均一で美しく、表面が滑らかに研磨されています。偽物は彫りが粗く、金の埋め込みが不均一であることが多いため、指でなぞるとざらつきを感じることもあり注意が必要です。
海外並行輸入と国内正規品
海外で購入することで価格が抑えられる場合もありますが、保証や修理対応が国内正規品と異なる点には注意が必要です。ペリカン正規代理店での購入は、アフターサービスの面でも安心です。
保証・アフターサービスの重要性
ペリカンは世界中にサービスセンターを持ち、修理体制が整っています。日本国内でも、正規代理店を通じて修理やペン先調整が可能です。
トレドのような象嵌モデルは、万が一スリーブに傷や凹みが生じた場合、専門的な修復が必要となるため、購入時に保証書とアフターサービスの内容を確認しておくことが重要です。
また、ペン先の調整サービスも重要なポイントです。ペリカンでは、ペン先の硬さや太さの調整、書き味のカスタマイズなどにも対応しており、自分好みの書き心地に育てることができます。
コレクター視点での魅力
トレドシリーズは生産数が限られるため、中古市場での評価も高まりつつあります。各モデルは年々希少性が高くなり、状態の良いものはプレミア価格で取引されることも珍しくありません。ペン先や装飾のコンディションを適切に保つ保管・メンテナンスも、コレクターには重要なポイントです。
トレド万年筆の適切な保管とメンテナンス方法
トレドの価値を保つには、適切な保管とメンテナンスが欠かせません。
保管のポイント
メンテナンス
これらを守ることで、トレドは何十年も美しい状態を保ち続けます。特に象嵌スリーブは、適切な手入れによって独特のパティナ(古色)を纏い、新品にはない深い味わいを醸し出すようになります。
万年筆ペン先のお手入れについては別の記事で詳しく紹介しています。気になる方は是非ご覧ください。
名前入りや経年変化品でも価値がある理由|捨てる前に知ってほしいこと
「父の名前が刻印されているから、もう価値がないだろう」
「銀の部分が変色してしまったから、捨てるしかないかな」
そんな風に考えていませんか?実は、トレドには名前入りでも、経年変化があっても、確かな価値が残っています。
24金の象嵌スリーブの地金価値
トレドの象嵌スリーブには、スターリングシルバー(銀925)と24金(純金)が使用されています。これらは貴金属であり、たとえ製品として傷んでいても、地金としての価値が存在します。
特に近年は金・銀の相場が高騰しており、象嵌スリーブだけでも数万円の価値があるケースも少なくありません。「書けないから無価値」ではなく、「素材そのものに価値がある」——これがトレドの強みです。
例えば、M900の象嵌スリーブに使用されている銀の重量は約10〜15g、金は約1〜2g程度と推定されます。現在の貴金属相場(金:約10,000円/g、銀:約150円/g)で計算すると、素材だけでも1万円以上の価値があることになります。
希少パーツとしての需要
トレドを長く愛用している方の中には、パーツ交換や修理を希望される方も多くいます。特に限定モデルや廃盤モデルの場合、公式での部品供給が終了していることもあり、中古市場から「部品取り用」の個体を探す需要が根強く存在します。
例えば、以下のようなパーツには高い需要があります。
つまり、「壊れているから無価値」ではなく、「誰かの大切な一本を蘇らせるための貴重な素材」として価値があるのです。
万年筆はペン先だけでも買取できることがある
ペリカンのトレドに限らず、多くの万年筆はペン先のみの買取も可能である場合があります。
万年筆のペン先はK18やK14といった貴金属で作られており、これだけでも価値があります。万が一、家の引き出しに使っていない万年筆やペン先のみを眠らせているのであれば、売却してみるのもよいでしょう。
万年筆の買取はリユース相談本舗へ。使わなくなったペリカン万年筆が眠っていませんか?当店では、モデルの特性や年代による価値を正確に査定し、適正価格で買取いたします。西ドイツ製刻印や限定カラーなど、希少価値のある個体は特に高価買取の対象です。もちろんペン先のみのお買取も大歓迎。まずはお気軽に無料査定をご利用ください。
万年筆の買取まとめ:一生ものの万年筆「トレド」
ペリカンのトレド万年筆は、歴史・技術・美しさの全てが詰まった逸品です。日々の筆記を格上げするだけでなく、所有する喜びも味わえる「一生もの」の筆記具として、多くの愛好家を魅了しています。あなたの筆記体験をより豊かにする一本として、ぜひその魅力を直に感じてみてください。