捨てるのちょっと待って!時計ベルトのコマにまつわる話

- なぜ予備コマが売れるのか?
- 時計のコマの売却価格について
- 実際に価格がついたコマの例
- 時計ベルトのコマ詰め調整ってどうやってるの?
- 予備コマは売ってお金にしよう!
- ステンレススチール
- ホワイトゴールド
- イエローゴールド
- ピンクゴールド
- プラチナ
時計ベルトの予備ゴマ、持て余していませんか?
予備ゴマとは、メタルブレスレットタイプの腕時計のパーツのこと。コマパーツを追加することでベルトサイズを大きくすることができます。
時計のお買取をやっていると、多くのお客様から「時計は売っちゃったけど、あとから予備のコマが出てきたので捨てちゃった」と聞くことがあります。
それ、すごくもったいないです!!結論から言うと、時計のブレスレットの予備ゴマって売れるんです。
なぜ予備コマが売れるのか?
時計の予備パーツでもある予備コマがなぜ売れるのか。それは単純に「ニーズがあるから」の一言に尽きます。
特にオメガ・ロレックス・セイコーなどの有名時計ブランドは歴史も長く、広く愛されるモデル展開、安定した人気のコレクションシリーズを持っていることから、業者間では当たり前のようにパーツのみの取引がされているのです。
時計の予備コマが流通するメカニズム
あなたがもし、久しぶりに時計を身につけた際に「ちょっとキツイな」と感じたらどうしますか。
しかも予備コマが手元にないとしたら。
おそらく多くの人が正規店か時計屋さん、または修理屋さんに持ち込んでコマを足し、サイズを調整してもらうことでしょう。
正規店であれば、工場からパーツを取り寄せすぐにサイズアップしてくれるはずです。
では、時計屋さんや修理屋さんの場合はどうでしょう。
オメガやロレックスといったブランドのものであれば、その価値を落とさないためにも純正のブレスレットのパーツをつけたいと思うはずです。
そのため、時計屋さんや修理屋さんは同じブレスレットのパーツを用意してくれようとするはずですが、在庫の有無はお店によってそれぞれです。
オメガのスピードマスターやロレックスのデイトジャストなど、ニーズの高いパーツは確保しているでしょうが、腕時計のブレスレットは幅などのサイズ・K18などの素材種類は多岐に渡り、ピッタリ当てはまるものを在庫として持っているかどうかはその時次第です。
となると、2つの選択肢が出てきます。
「ブレスレット自体を付け替える」か、「コマを入荷してもらう」かです。
ブレスレット自体を付け替える
ブレスレットを付け替える場合、「安価な一般ベルトへの交換」か、「純正のベルト丸ごと交換」が考えられます。
「安価な一般ベルトへ交換」の場合、本体(ケース)の色味や素材感に合わせて違和感のないベルトを選んでつけてもらうことになります。この場合、純正のものではないため多少の違和感が残ることが多々あります。
次に「純正ベルト丸ごと交換」の場合、コマのみの追加よりも単純に質量が大きくなるため、料金が高くつく場合が考えられます。(まれに在庫が飽和状態である場合やベルト価格が下落している場合には、コマ追加と同等の価格になることもあります)
時計屋さんや修理屋さんでの「純正ベルト丸ごと交換」は中古パーツであることがほとんどですが、新品仕上げと呼ばれる磨きをおこなったものであることがほとんどですので、かなり満足度が高いでしょう。
正規店に持ち込むよりも安くしたいと考えるならば、こういった対応をしてくれるお店を探してみると良いかもしれません。
コマを入荷してもらう
あまり一般的な方法ではないとは思いますが、コマ自体を入荷してもらう方法もあります。
オメガやロレックスといった有名ブランドのパーツであれば、業者が利用する市場での出回りも少なくありませんので、お店によっては仕入れを依頼することも可能です。
ただし、市場に出回るのはその時次第ですので、すぐに見つかる時もあればなかなか見つからないこともあります。その上、業者間取引の多くはオークション形式であり、思い通りの価格でパーツを入手できるかは確約できないのです。
【ちょっと小話】
筆者が知っている時計店では、ざっくりとした予算と期限を伝えてからパーツを探してもらい、市場で見つかり次第サイズ調整をしてもらうことができました。その時は見つかるまで3ヶ月ほど掛かり、かかった費用は工賃や手間賃を加味した料金価格となりました。どうしても純正パーツが良かったため、時間や手間をかけて探してもらった甲斐あって、満足のいく結果となったなと思っています。
需要があるから流通する、すなわち「売れる」
欲しいと思う人・業者がいるからこそ、予備ゴマは売れるのです。
オメガやロレックスといった有名ブランドであればもちろんのことですが、その他の時計ブランドであっても業者間取引がされているものであればもちろん値段がつきます。
サイズダウンをして余ったコマは、サイズアップしたくてコマを探している人の元へ届く仕組みというわけです。
時計のコマの売却価格について
コマの価格は、基本的に素材やモデルによって違いがあり、時期や流通量によっても変動します。
わかりやすいものですと、ステンレススチール素材とホワイトゴールド素材(K18WG)を比べた時、ホワイトゴールド素材の方が高い価格となっています。
この二つ、見た目は似ていますが素材自体の価値が違っており、高級時計になるものほどブレスレットの素材もホワイトゴールド素材やプラチナ素材といった、耐久性の高い素材が使われています。
ハイクラスのブランド時計であるほど高級な素材が使われていますので、売却時にも差が出てくるというわけです。
また金相場も少なからず影響していて、金相場の高い時期には時計のコマの価格も上がりやすくなる傾向にあります。
メタルブレスレットに使われる主な素材
メタルブレスレットは時計のケース素材同様、様々な素材で作られています。比較的安価な素材はステンレススチールで、ゴールド系、プラチナと素材の価格が高くなる傾向にあります。
主な素材は上記の通りで、その他ブランド独自の配合で作られた特殊合金なども存在します。
【ちょっと小話】
オメガはPG系のセドナゴールドやYG系のムーンシャインゴールドと銘打った素材があり、K18にシルバーや銅、パラジウムといったマテリアルを独自の配合で制作し、強度とデザイン性を併せ持った特殊な素材として展開しています。ブランド独自の素材であるがゆえに人気が高く、時計自体の価格も高いものが多いです。
実際に価格がついたコマの例
予備コマは、オメガやロレックス、ピアジェ、セイコー、カルティエ、オーデマピゲなど、時計ブランドのものであれば大体売れます。中でもロレックスは市場規模が大きく、デイデイトやデイトジャストなどは活発に取引されています。他にもオメガであれば、スピードマスターやコンステレーション、プレステージなどがよく取引されています。
時計ベルトのコマ詰め調整ってどうやってるの?
メタルブレスレットの時計のベルトサイズ調整は、ちょっとした器具さえあれば自分でも行うことができます。ただし、時計の種類によっては難しいものもあり、傷がついたりパーツが破損する可能性もありますので、できれば時計やさんや修理屋さんに任せた方が良いでしょう。
それでも自分でやってみたい・興味があるといった方のために、簡単に紹介します。
まず、時計のブレスレットは大きく分けて「ネジ式」と「打ち込みビス式」の二つがあります。
ブレスレットの側面を見てみると、小さな穴が空いていて、何か棒の様なものが刺さっているように見えます。これがマイナスネジの頭のようであれば「ネジ式」で、そうでなければ「打ち込みビス式」となります。
ネジ式ブレスレットの調整方法
「ネジ式」であれば、小さなマイナスドライバーでゆっくりと回しネジを緩めていきます。この時、少し押し込む様に圧力をかけつつ、ネジ山を潰さないように気をつけます。刺さっていた棒状のネジが抜ければコマを取り外したり、コマを追加したりすることが可能になります。
打ち込みビス式ブレスレットの調整方法
「打ち込みビス式」は、ブレスレットのビス部分に打ち抜きピンと呼ばれる器具を当て、ハンマーで叩くことでビスを押し出し外します。この時ブレスレットからはビスの他にパイプも出てくることがありますので、紛失しないように気をつけましょう。無事ビスが取れたらコマを取り外したり、コマを追加したりすることが可能になります。
念を押しますが、オメガやロレックスは財産とも置き換えれる時計ですので、決して無理をせず難しいと感じたら必ず専門家に任せましょう。ネジ山が潰れたり、ビスが曲がってしまうとベルト交換をしないといけなくなります。
予備コマは売ってお金にしよう!
いかがでしたでしょうか。
腕時計のベルトは千差万別で、ブランドによってもモデルによっても細かい違いがあります。
買取価格を気にする人の多くは、価値を下げないためにも時計を売却する際に予備コマや付属品を合わせて持ち込まれますが、やはり付属品の一部をうっかり忘れていたなんてことは多々あります。
特に予備コマは時計購入時に調整した後は家にしまいっぱなしであることが多いため、どう処分したらいいのか困りますよね。
あなたが持て余していたその予備コマ、実は探している人が世の中にたくさんいらっしゃいます。是非不要な予備コマがあれば、お近くの買取店で売却してみてはいかがでしょうか。