エルメス真贋|本物そっくりなバーキン偽物の見分け方

- エルメスの偽物は世界中に溢れている
- 本物・偽物についての基本情報と注意点
- エルメス 偽物見分け方のポイント
- 近年の偽物バーキンは本物そっくりなので注意が必要!
- 文字はプレスされているか
- インクのズレがないか
- 書体・フォントがあっているか
- 刻印の深さが一定で、かすれやムラなどがないか
- 金具(ベルトや底鋲)の角やフチは、なめらかに面取りされているか
- 丸穴の留め具は回す際重みを感じる手ごたえか
- 金具の側面や裏側に磨き残しやバリが残っていないか
- ビスは丸みがあるか
- ビスは打ち付けられたような跡があるか
- 底鋲はしっかりと打ち付けられているか
- 金具のHERMES刻印は はっきりと読めるか
- 金具のHERMES刻印は新しい年代なら両サイドに「-」(ハイフン)が付いているか
- 革と金具の接着はしっかりとされているか(接着剤のはみ出しがないか)
- ファスナーは最後まで閉まるか
- ファスナーエンドはHになっているか(2000年代以降製造のエルメスの場合)
- ファスナープルにHERMESの刻印があるか
- 刻印は土台に対してズレがなく並行になっているか
- ファスナープルの革に縁取りはあるか
- ハンドルの長さが前後同じでなく、後ろが長いか
- 合成皮革ではないか
- ゴムや石油のようなにおいがしていないか
- コバ(裁断面)の厚さが均等か
- コバの処理がデコボコしておらず、美しいか
- コバにべたつきがないか
- 手縫い(右下がり)と、ミシン縫い(右上がり)が使い分けられているか
- 縫い目の間隔が空きすぎていないか
- 表から見て右下がりの縫い目であれば、裏も右下がりになっているか
- 年代を示す刻印の深さは均一でかすれていないか
- 刻印の位置や年代に矛盾がないか
エルメスの偽物は世界中に溢れている
エルメスのバーキンは、その圧倒的な人気と希少性から、世界で最も憧れられるラグジュアリーバッグの一つです。しかし、その価値の高さゆえに、市場には精巧な偽物が数多く出回っています。
この記事では、本物と偽物を見比べて、偽物にありがちなパターンを紹介しつつ、本物との見分けるコツを解説します。
本物・偽物についての基本情報と注意点
まずはじめにお伝えしておきたいことは、「ブランドの本物・偽物判定とは、そのブランド製造権利を持った団体でしか判別できない」のが前提条件です。本来ビープライスのようなブランド品買取店は「本物である」「偽物である」という断定ができる立場ではありません。
つまり、長年の経験や知識の蓄積から、ブランド正規品とそれ以外の見分け方を情報化しているだけなのです。
偽物ブランド品は商標法違反となるため流通・販売することはできません。
そのため、「偽物と断定できないが取り扱いできない製品」という意味合いで「規定外品」と呼ぶことが多いのですが、この記事の中ではみなさんにわかりやすいよう、あえて「本物」「偽物」と呼称しております。
エルメス 偽物見分け方のポイント
偽物見分け方1:ブランドロゴ

ブランドの顔でもあるブランドロゴは基本的なチェックポイントです。本物をたくさん見ることでロゴの違和感に気が付くことができます。
まず、バーキンのブランドロゴはフラップ(蓋)を開けた中央にあります。
左右対称につくられているバーキンの真ん中に配置されており、縫い目に重なることもありません。

本物

偽物
ブランドロゴのインク
エルメスのブランドロゴはプレスした後にインクを流し込んでいます。文字のくぼみがあり、その内側にインクが乗っているのが正しいブランドロゴです。
①を見比べてみると、偽物の方はHの左側部分など文字のくぼみからインクがはみ出てしまっています。
より質の悪い偽物ならば、プレスの跡がなく革部分に印刷した・インクをのせただけのような粗末なつくりの製品も見かけます。
ただし、本物であってもインクが多少はみ出ているものがありますので、これだけで偽物と判断できないので注意が必要です。
文字がプレスされているか・文字の輪郭がぼやけていないか・インクがはみ出ていないかをチェックしましょう。
ブランドロゴの文字の形・フォント
文字ひとつひとつを見比べてみると、文字の書体・フォントが違います。
②のMという文字を見比べてみると、本物の書体は正方形の中に納まるような形ですが、偽物は長方形に近いです。
質の悪い偽物であれば、Eの上にある点の向きが違っていることもあるので、しっかり本物の書体を覚えておきましょう。
刻印の深さ
ブランドロゴの刻印は本物であるなら一定の圧力で押されているため、刻印左側のプレスが深く・右側は浅いなんてことはありません。もちろん、かすれやムラなどはありません。
ただしブランドロゴの刻印は、トゴやトリヨンクレマンスなどの柔らかい素材と、ボックスカーフやクロコダイルなどの硬くつるんとした素材とでは、インクや刻印の深さは多少違っています。
素材ごとの本物の刻印の例を集めましたので参考にしてみてください。

トリヨンクレマンス
柔らかい素材でシワの溝が深いため、一見すると刻印もズレたりかすれているようにも見えるが、しっかりと観察すると一定であることがわかる。

エプソン
溝が浅いため、比較的はっきりとブランドロゴの刻印がみえる。刻印の深さが一定であることが判断しやすい素材。

クロコダイルニロティカス
大きな斑(クロコ特有の模様)の上に刻印があることが多いため、比較的インクのズレや書体の違いなどを判別しやすい素材。素材の特性上、インクがしっかりとのっていることが多い。

ボックスカーフ
つるんとした表面であるため、刻印の深さやインクのズレがないかを確認しやすい。ただしボックスカーフの製品は古いものが多いため、使用によるインクのかすれがあることも。
ブランドロゴの真贋チェック項目
偽物見分け方2:金具
クロアなど金具の角・ふち部分

本物
バーキンのクロア部分では角やエッジ部分が丁寧に面取りされていて、手でさわるとなめらか。

偽物
エッジ部分に面取りはされているが、所々角が鋭くなっていて、さわると痛い・引っ掛かりを感じる箇所がある。
エルメス製品の金具は肌や衣服に引っ掛かりが起きないよう、金具の角・ふちに面取りを施し、なめらかになるよう加工されています。
留め具の丸い穴の内側にも面取りがされていますので忘れずしっかり確認します。
留め具

本物のバーキンの留め具は、開閉時に少し重みを感じます。クルクルと回るのではなく、カチッと回る手ごたえを感じる硬さです。
ただし、使用し続けることで金具が緩くなってくるものですので、中古品の場合は一概には言えません。
また、先述したように丸い穴の内側にも面取りがされていて、つまむとすべらかさを感じるはずですので、合わせて確認しておきましょう。
金具表面のバリや波打ちの有無

金具の裏側もしっかりチェックします。
ベルト留め具の輪っか部分の内側や、ベルトを通す金具の内側部分を見ると、本物はしっかりと磨き上げられています。偽物の場合、バリが残っていたり加工時に出来た線状の跡が残っていることがあります。
画像の丸が付いている箇所の裏側や内側など、細かい部分のチェックを忘れないようにしましょう。
使用されているビスやネジ

本物
ベルト裏側のビスは丸みがあります。それを金づちで打ち込んでいるので革に食い込んだような跡があったり、ビスの頭が少し潰れたようになります。

偽物
偽物は、のっぺりとしたような、平たい頭のビスが使われていることがあります。
本物のエルメスバーキンならば、ベルト裏側のビスは丸みがあり、金づちで打ち込んでいるため、打ち込み跡が見られます。ただしこれは職人の手作業によるもので、力加減や製品によってばらつきがありどのくらいハッキリ跡が出ているかは断定できません。
しかしながら、一見して平べったいビスが使われている場合などは違和感を感じます。
基本的にエルメス製品は、ビスが衣服などに引っかからないように意識して作られているため、レザー部分が食い込むように打ち込まれているものがほとんどです。
手で触ってみて、突起を感じるようであったり、ビスの丸みを感じないものは怪しいと考えて良いでしょう。
【エルメス製品のネジについて】
また、エルメス製品の時計などにみられるネジはマイナスネジが使われており、プラスネジがある場合は偽物である可能性が高いです。
身近にある本棚やいすなどに使われているネジの多くはプラスネジであり、世界中を見てもプラスネジの方が普及していますが、シャネルやカルティエといったハイブランドの多くは、あえてマイナスネジを使用して作られています。
バッグ接地面にある金具、底鋲

本物
底鋲がしっかりと打ち込まれている。

偽物
底鋲をつけた後に金色に縫ったかのように色がはみ出ている。また、打ち込んだのではなく張り付けたように接着されている。
底鋲は生地に金具を打ち込んだような作りになっているため、付け根部分には食い込んだような跡があります。
また、底鋲にも面取りがされているので忘れずに確認しましょう。(画像では金具に保護シールが付いているため確認しづらいと思います)
金具に彫られたHERMESの文字

本物
彫りが深めでハッキリとした文字です。製造年の古い(2000年より前くらい?)製品はこうした刻印であることが多いです。

偽物
かなり精巧につくられています。文字が細くレーザーで彫られたように彫りが浅い印象ですが、製造年が新しい製品では本物であってもこのような刻印が見られます。そのためこれだけでは偽物と判断するのは難しいので注意が必要です。
ファスナーやベルト金具に彫られたHERMESの文字は、本物ならばはっきりと刻印されています。ファスナープルなど小さいパーツの刻印であっても、エルメスの刻印はしっかりと入っているはずなので、もし文字が潰れているなどが見られたら怪しいと言えるでしょう。
しかしながら年代によって刻印の彫られ方が変わっているため注意が必要です。
製造年の新しい製品であればレーザーで彫ったように細く、溝の浅い刻印の製品があります。逆を言えば、年代の古い製品でそういった刻印があれば怪しいとも言えます。
余談ですが、新しい刻印では「HERMES PARIS」の両サイドに「-」(ハイフン)が付けられるようになりました。
時折みかけるHERMES PARISの横にある四角で囲まれた刻印は、貴金属の純度などを表すホールマークと呼ばれる刻印です。四角の中の模様はいろんなパターンがあり、ゴールド金具(ローズゴールド含む)の製品に付けられ、金製品であることを示しています。
そのため、シルバー金具には同様の刻印はありませんのでご注意ください。
金具と革の接着面
本物のエルメス製品であれば、革部分と金具はしっかりと接着されています。
質の悪い偽物の場合、接着が甘く浮いていたり、接着剤がはみ出ていることもありますのでしっかり確認しましょう。
金具の真贋チェック項目
偽物見分け方3:ファスナー
ファスナーの止まり位置

バーキンをはじめとしたエルメス製品のファスナーは、画像のようにキチンと最後まで閉めることができます。
粗悪なファスナーを使用した偽物を時折見かけますが、その場合ファスナーを最後までしっかり閉めることが出来ず、違和感を感じます。
ファスナーエンド

現在のエルメス製品のファスナーはエルメスオリジナルのファスナーが使われており、ファスナーエンドには「H」の金具がついていることが多いです。
ただしすべての製品に付いているわけではなく、2000年代より前に製造されたエルメス製品には付いていないことが多いので、参考程度にみておきましょう。
ファスナーの刻印
ファスナープルに彫られたHERMESの文字は、本物ならばはっきりと刻印されています。ファスナープルなど小さいパーツの刻印であっても、エルメスの刻印はしっかりと入っているはずなので、もし文字が潰れているなどが見られたら怪しいと言えるでしょう。
また、土台に対してまっすぐ平行に刻印されているかなど、ズレがないかも確認しましょう。
ファスナープルのレザー

本物
本物のファスナープルは革部分に溝があり縁取りされています。

偽物
偽物は革部分の縁取りがなかったり、あっても薄くなっていることがあります。
バーキンの内ポケットにはファスナープルがありますが、この革部分に注目してみると、レザーの形にそって溝があるのがわかります。
この縁取りの有無に加え、歪みがないか・溝が浅くないか・線が重なるなど雑なつくりでないかなどを確認しましょう。
こういった細かい箇所もエルメスバーキンの真贋を確認するポイントのひとつになります。
ファスナーの真贋チェック項目
偽物見分け方4:ハンドル

気が付きにくい点の一つとして、エルメスバーキンは真横から見ると、背面側のハンドルの方が長くなっています。
これは美しいシルエットと手に馴染む使い心地を追求するエルメスの匠の技ですので、ハンドルの長さをしっかり比較し、同じ長さであれば偽物でないか疑いましょう。
ハンドルの真贋チェック項目
偽物見分け方5:革素材やコバなどの外観部分
革の種類

エルメス製品の一番の特徴ともいえるのは、使われている最高品質の革素材です。
トリヨンクレマンスやトゴ、エプソンなどが使われていますが、本物であればシワの溝がしっかりついています。
精度の低い偽物であれば、ゴワゴワとした手触りで明らかに合成皮革とわかるような革が使われていたり、型押しが浅すぎたりと、ゴムのようなにおいがしたりと違和感を感じる製品を見かけます。
こうした革の違いを判断するには、本物にたくさん触れて、手触りや質感を覚えていかないと難しいでしょう。
特にスーパーコピーと呼ばれる、本物とかなりそっくりな偽物の場合、使っている革もエルメス製品に非常に近いものを使っているため判別がつきにくいこともあります。
エルメスで使用されている革の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。
エルメスの素材一覧 | ひと目でわかる人気革の種類と名前その特徴
におい
革の種類と同じく、本物にたくさん触れることで本物と偽物のにおいの違いを感じ取れるようになります。
においで偽物と感じる多くの要因は、ゴムのようなにおい・石油のようなにおいがする点です。
本物は革独特のにおいがしっかりしています。
コバ

コバとは革の裁断面のことを指します。レザー製品はコバ部分の良しあしで製品全体の美観や耐久性を左右すると言われており、コバ処理は非常に大切な技法です。
エルメス製品は職人技術によって丁寧に作られているため、皮革の厚さが均等でありコバ処理の美しさを感じられるはずです。偽物の場合、コバ部分の塗料が均一でなかったり、なぞってみると引っ掛かりを感じようにデコボコしていたり、べたつきが発生しているものがあります。
しっかりと接着されているかどうかや皮革の厚みを確認する意味でも、開口部の淵に指を沿わせて違和感がないかをチェックしましょう。
革部分など外観での真贋チェック項目
偽物見分け方6:縫製
縫い目の確認

エルメス製品は1点1点職人が制作しており、手縫いとミシンを使い分けています。
手縫いの部分は縫い目が右下がり、ミシンの箇所は右上がりという特徴があります。そのため、すべてが機械的で整った縫い目をしているなど全体がミシン縫いであると感じたら、偽物の可能性が高いです。
縫い目の間隔も空きすぎていないかをチェックしましょう。
また、エルメスの手縫い部分は表と裏とで縫い目の方向が同じになる「クウジュ・セリエ」と呼ばれる手法で縫われています。そのため、表から見て右下がりの縫い目であれば、裏も右下がりになっているはずです。
偽物は、手縫いであるべき部分をミシンで縫い上げていることがありますので、こうした部分で見極めることが可能です。
クウジュ・セリエとは、エルメスが馬具作りから受け継ぐ特別な手縫い技法です。蜜蝋で補強された麻糸に2本の針を通し、ひとつの穴に左右から2度糸を通して縛るように縫っていく方法です。
1本の糸が切れても残りの1本があるのでほつれにくく、非常に丈夫であるのが特徴です。
縫い目の真贋チェック項目
偽物見分け方7:刻印
エルメスの刻印は製造年・製造した職人・製造場所がわかるとされています。
同じバーキンであっても、年代が古いものと新しいものとでは刻印の位置や文字列が違います。年代が古いものはベルトの裏に刻印があり、四角や丸で囲まれたアルファベットが製造年を示しており、2015年以降製造のバーキンはバッグ内側に刻印があり、並んだアルファベットの一番最初の文字が製造年を示しています。

2015年以前の製造
ベルトの裏に刻印。四角や丸で囲われた記号などで表示

2015年以降の製造
バッグ内側に刻印。アルファベットや数字を並べた表示
ブランドロゴと同じくこの刻印は、打刻の深さが均一で、かすれている・文字の一部が欠けているといったことはありませんので、しっかり確認しましょう。
エルメスの刻印について詳しくまとめた記事がありますので、アルファベットの意味や製造年を知りたい方は是非ご覧ください。
刻印の真贋チェック項目
偽物見分け方8:カデナなどの付属品
保存袋
保存袋でも真贋判断をすることは可能ですが、偽物のバーキンに本物の付属品を付けるなどの事例もあるため、付属品が本物だからバッグも本物だと断定はできません。
逆にバッグは本物そっくりに作っているのに、付属品は雑に作っていることもあります。
チェックすべき保存袋のポイントはロゴが歪んでいないかと、内側の縫製が雑でないかです。
エルメス保存袋の偽物については別の記事で詳しく解説していますので、気になる方は是非ご覧ください。
近年の偽物バーキンは本物そっくりなので注意が必要!
今回の記事で偽物として例を挙げた箇所はほんの一例です。
エルメスのコピー商品は、雑に作られたB級品から真贋のプロでも見分けのつかないS級品やN級品と呼ばれるものまで存在しており、年々精度が上がってきているように感じます。
S級品やN級品と呼ばれるコピー商品は、部分的であっても本物と同じ革素材やファスナーといった金具パーツを使うことがあり、「この部分が正規品だから」という理由だけで本物だと言い切れないのが現状です。
バーキンをはじめとしたエルメス製品の真贋を確認するには、細かい箇所を確認し、気になる部分がないかを総合的に判断していくことが非常に重要なのです。
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