毛皮クリーニング 料金やおすすめ店 お手入れについて

毛皮クリーニング 料金やおすすめ店 お手入れについて

思い入れのある高級な毛皮。そのお手入れはどのようにしたらいいのか悩んでいませんか?
専門店でのクリーニング?自分で洗えるの?そんな疑問を解決していきます。

毛皮をクリーニングに出す必要性と頻度

毛皮のコートは、他のコートと同様に、着用することで汗やほこりなどの汚れが付着します。一見きれいでも、見えないところに汚れが蓄積し、放置するとカビや劣化の原因となるおそれがあります。そのため、年に一度は毛皮専門店のクリーニングに出すことをおすすめします。頻繁に着ない場合でも、3年に一度はクリーニングに出すことで、毛皮を長く美しく保つことができます。

またダメージチェックやブラッシングなど、日々のお手入れをすることで、頻繁にクリーニングに出さなくても、綺麗な状態を保つことができます。さらに素材がダメージを受けにくくなり、毛皮の寿命を伸ばすことにもつながります。汚れだけでなく、嫌な匂いもケアすることができ、快適に毛皮製品を使用することができます。

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手洗いはできる?

毛皮のコートは、水洗いをすると毛が縮んだり、変形しやすくなるため、風合いが損なわれてしまいます。洗濯表示にもあるように、家庭での水洗いは避けるべきです。しかし、食べこぼしなどの汚れを放置すると、シミになったり、カビが生えたりするなど、毛皮を傷める原因となります。

そんな時は応急処置として、自宅ケアをする方法もあります。

毛皮のお手入れ|潰れたファーも復活!簡単自宅ケアの方法

ファーコートの応急処置の際や、コートのフード部分など小さなパーツであれば、手洗いが可能な場合もあります。
ただし、コート全体を丸洗いすることは、毛皮を傷める原因となるため、絶対に避けてください。

毛皮クリーニングの選び方

ファーコートなど、毛皮のアイテムをクリーニングに出したいけれど、どこに頼めば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。

まず専門店での毛皮クリーニングは、一般的に以下の工程が行われます。

毛皮クリーニングの工程

  1. 状態の確認
    • クリーニング前に、毛皮にスレ、破れ、傷、変色、カビなどのダメージがないか、丁寧に検品します。
  2. 前処理
    • カビやシミなど、特別な汚れがある場合は、専用の薬剤で処理します。
  3. クリーニング
    • 毛皮専用のクリーニング方法で、汚れを落とします。
  4. 仕上げ
    • 自然乾燥させた後、毛並みを整え、形を整える仕上げを行います。

毛皮クリーニングは、素材の特性上、丁寧に手作業で行う必要があるため、多くのクリーニング店では仕上がりに最低でも3週間程度の期間を要します。洗浄、乾燥、ブラッシングなど、複数の工程を経て丁寧に仕上げていくため、短期間での仕上げは品質に影響を及ぼす可能性があります。
着用予定がある場合は、余裕を持って早めにクリーニングに出すことをおすすめします。
また、2週間以内のスピード納期をうたっているクリーニング店は、品質を犠牲にして納期を短縮している可能性があるため、注意が必要です。

毛皮クリーニングの専門店を選ぶポイント

毛皮の専門知識がある毛皮クリーニング専門店に依頼する

お近くのクリーニング店でも構いませんが、毛皮クリーニングの専門店に依頼することをおすすめします。
また可能であれば、毛皮専用の『パウダークリーニング』をお願いしましょう。
パウダークリーニングとは、トウモロコシの芯などを粉末にしたものに洗剤を染み込ませ、毛皮と一緒に回転させて汚れを吸着させる方法です。通常のドライクリーニングのように、毛皮に必要な油分まで除去してしまうことがなく、硬化・破れを引き起こしたり、毛の艶がなくなるなどの毛皮を傷めることなく優しく洗浄できます。

毛皮の取り扱い実績や、クリーニングの工程について説明してもらう

ムートンなどのダブルフェースのアイテムは、レザー部分の色あせなどのダメージを色補正してくれるクリーニング店もあります。高級素材を使用したアイテムの場合、専門の知識と技術を持ったクリーニング店を選ぶことが大切です。 色補正だけでなく、素材の特性に合わせたクリーニング方法や、形状を保つためのケアなど、様々なサービスを提供している店もあります。そういった部分も含めて聞いてみましょう。

購入した店舗に聞いてみる

フェンディなどでは、毛皮アイテムの購入の際、希望者にお客様アドバイザーからお住まいの地域の信頼できる毛皮クリーニング専門業者のリストが配布されるそうです。
もしかしたらブランドお抱えのクリーニング店を紹介してもらえる可能性もあるので、一度問い合わせてみることをおすすめします。

クリーニングに対応している毛皮の種類

毛皮クリーニングの専門店では、フォックス、ラビット、リス、ラクーンなどの一般的な毛皮から、ミンク、セーブル、チンチラといった高級毛皮まで、幅広く取り扱っているところがほとんどです。ムートンやレザージャケットなどもクリーニング可能です。
ただし、ミンクやチンチラなどの高価な毛皮の場合、追加料金がかかることが一般的です。
場合によっては、ラビットなどの一般的な毛皮でも、コートの購入価格によってクリーニング費用が大きく変動することもあります。

フェイクファーのクリーニング料金

近年のファーフリーの動きを受け、フェイクファー(エコファー)を取り扱うブランドが増加しています。素材の質も向上し、リアルファーとの区別が難しいアイテムも少なくありません。

フェイクファーは、リアルファーに比べて購入価格は比較的安価ですが、クリーニングなどのケア費用は素材によってはリアルファーと同等になる場合があります。
特に洗濯表示タグがない場合や、洗濯不可と表示されている場合は、毛皮と同様のクリーニング方法での取り扱いになったり、場合によってはクリーニングを断られることもあります。そのため、専門のクリーニング店に依頼する必要があります。信頼できるクリーニング店を慎重に選ぶことが大切です。

保管に関しても、リアルファーと同様に、温度や湿度の低い、暗い場所で保管することが望ましいです。

クリーニング返却後のお手入れ

重い腰をあげてクリーニングに出した毛皮のコート。無事に戻ってきてひと安心ですが、

これで終わりではありません。大切なケアがまだ残っています。

カバーを外す

クリーニングから帰ってきた毛皮のコートは、クローゼットにしまう前に、必ず衣類についたビニールカバー・不織布カバーを外してください。このカバーは、クリーニング店での保管中に汚れなどが付かないようにかけるもので、長期間の使用は想定されていません。ビニールカバーは通気性が悪く、長時間着用すると、中に湿気がこもり、カビが生えたり、変色したり、虫食いなどの原因になることがあります。不織布カバーも通気性は良いとはいえ、毛皮製品にはあまり適しておらず、湿気がこもる可能性があります。
毛皮は湿気に弱いため、必ずカバーを外して保管しましょう。

ダメージがないかをチェック

クリーニング店では衣類を預かる際と返却する前に、必ずダメージチェックを行いますが、まれに汚れが残っていたり、破損が見つかったりすることがあります。そのため、ご自宅に持ち帰ったら、すぐに衣類の状態を確認することをおすすめします。
一般的に契約から6ヶ月以内とクリーニング事故賠償基準で定められていますが、早めの対応が大切です。

クリーニング事故賠償基準とは?

クリーニング利用時にトラブルが起こった際、国民生活センター、消費生活相談窓口等で賠償基準に基づき、公平かつ効率的にトラブルを解決するとともに、利用者をまもるためにつくられた制度です。
この賠償基準が適用されるのは、LDマーク(組合員)店、Sマーク(標準営業約款)登録店となり、クリーニング店を選ぶ1つの目安となります。

ハンガーの交換

クリーニングから返却された毛皮のコートには、ハンガーが付属していることがあります。しかし、このハンガーは、針金など細いものが多く、長時間使用すると型崩れを引き起こす可能性があります。そのため、購入時についてきた専用のハンガー にかけなおすことをおすすめします。専用のハンガーにかけ直すことで、毛皮の美しいシルエットを保つことができます。購入時に付属していたハンガーがない場合は、毛皮専門店などで適切なハンガーを尋ねてみましょう。

毛皮クリーニング後の保管方法

毛皮のコートは、適切な保管も大切です。
室内でも、蛍光灯の光や日光の紫外線があたると、色あせの原因になることがあります。カビや色あせを防ぐためにも、出来れば風通しの良い、暗い場所に保管するようにしましょう。
また、毛皮が薄くなったり、ボリュームが減ったりするのは、摩擦による毛の摩耗が原因の場合があります。特に、袖口やポケット周辺、襟元、肩など、他のものに擦れやすい部分は注意が必要です。クローゼットや引き出しにぎゅうぎゅうに詰め込むと、毛が潰れてしまい、型崩れや毛の損傷の原因になることもあります。余裕のあるスペースで保管することで、毛がへたるのを防ぎましょう。

毛皮のクリーニングでよくあるトラブル

  • 縮む
  • 破れる
  • けがへたる
  • ぱさぱさになる
  • 色あせる
  • 汚れが落ちない

返金は難しいケースが多いですが、再仕上げを依頼できることがあります。
クリーニング店に問い合わせても解決しない場合は、最寄りの消費者相談センターにご相談ください。消費者ホットライン「188番」に電話すると、最寄りの相談センターを教えてもらえます。

クリーニングに出す前に、服の状態をしっかりと確認し、できれば写真を撮影しておきましょう。こうすることで、クリーニング後の状態と比較し、変化があったかどうかを明確に把握することができます。万が一、クリーニングでトラブルが発生した場合でも、写真があれば「ここにシミはなかった」と具体的に伝えることができ、よりスムーズな対応が期待できます。

毛皮クリーニング 料金/相場

毛皮コートのクリーニング最低価格の比較(ラビットファー)

店名 運営形態 料金 備考
白洋舎店舗・集配15,400~高額品(100万円以上)は評価額の5%料金となります。
補正あり
革水宅配のみ16,000~評価額又は購入価格が20万円以上の場合、価格の5%がクリーニング料金の目安となります。
補正あり
リネット宅配のみ17,600~
クレアン宅配のみ19,250~補正あり

毛皮コートの相場は、ラビットファーのクリーニングの料金で比較すると15,000円〜20,000円程度が一般的です。ミンクファーなどの高級毛皮になると、価格が大幅に上がり、40,000円前後になることもあります。
ですが長く愛用するためには、定期的なクリーニングが欠かせません。

おすすめの毛皮クリーニング専門店3選

白洋舎

白洋舎について
運営形態 店舗・一部集配も可(追加料金なし)
料金 毛皮コート 15,400円~
革コート 9,900円~
保管サービス 最長12カ月
4カ月3,300円~(見積金額によって異なります)/1点
特徴 白洋舍の「ファークリーン」は、独自のノウハウで、毛皮を傷めず、つややかに仕上げることができます。
全面のファーコート、部分使いされるカラー、帽子、ブーツ、バッグなどのファー製品などがクリーニング対象です。
革については日焼けなどによる変色の修正(リカラー)も。クリーニングだけでは落ちない強い汚れ、しみなどのぼかしにも対応してくれます。

革水

革水について
運営形態 宅配クリーニング店
料金 毛皮コート 16,000円~
革コート 12,000円~

保管サービス 最長6カ月
8,000円/1点
特徴 革水(かわすい)は日本で初めて洗う技術を数値化し、素材に極力ストレスを与えないことを公的研究機関に認められたクリーニング店。
預かった品物を外注委託せず、すべて自社でクリーニングしています。
専門職人が毛皮の種類、日焼け、毛抜けや毛ハゲなどの状態を見極めながら手作業で一つ一つ丁寧にクリーニングしてくれます。
また革製品のメンテナンス(リカラーや修理)活動を通してSDGsに取り組んでいます。

クリーニングMAX(マックス)

クリーニングMAXについて
運営形態 店舗・集配(大阪に1店舗のみ)
料金 毛皮ジャケット 25,000円~
革コート 16,000円~
保管サービス 最長6カ月
660円/1点
特徴 国家資格である「クリーニング師」が2名、 「繊維製品品質管理士(TES)」が1名が在籍しており、適切なクリーニングのアドバイスや家庭洗濯での失敗の相談ができる。

まとめ

購入時、高価だった毛皮のコートを長く、美しく着用し続けるためには、定期的なクリーニングとご自宅でのこまめなケアが不可欠です。毛皮クリーニング専門店選びから保管方法まで、手間はかかりますが、毛皮を良好な状態に保つためには欠かせない作業です。
近年、ファーフリーの動きが広がる中、着なくなった毛皮のコートをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。また、ご自身でのケアが難しい、あるいはすでにダメージを受けてしまったという場合は、売却という選択肢もあります。
様々な選択肢がある中で、どの方法を選ぶか迷われることもあるかと思います。それぞれの状況に合った最善の選択ができるよう、この記事で少しでもお手伝いができていれば幸いです。

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