ムートンとは?素材や流行りとムートンコートの買取相場

ムートンとは?素材や流行りとムートンコートの買取相場

ムートンコート その特徴とは?

ふわふわとあたたかい、冬の強い味方であるムートンコート。
ファッション界で「ムートン」とは羊毛のついた羊の毛皮を指します。
羊皮だけのものはシープスキン・ラムスキンなどと呼ばれます。

他の毛皮はストレートな質感に近いのに対し、ムートンの毛はウェーブ状で、さらにくるくるとカールしているため、ふわふわしつつ、弾力のある手触りになっています。

寒さに強いムートンですが、温度や湿度の変化に適応できるという特性にも優れています。暑い時には汗を吸湿して外へ逃がす効果があり、ムートンの表面をさらっとした状態に保ちます。この特性により夏でも快適に過ごせる優れたアイテムなのです。

ムートンコートがふかふかで暖かい理由

毛の性質と量による保温性

ムートンには1平方センチメートルあたり3000〜3300本(種類によっては4000〜5000本)もの毛が生えています。また、前述のとおり毛はウェーブ状で、さらにくるくるとカールしているため、密集したその毛の間に厚い空気の層が生まれます。この層にたくさんの空気が含まれることで、優れた保温性を発揮し、冬の寒い日でも暖かく快適に過ごせます。その保温効果は、他のどの繊維よりも高いとされているため、そのぬくもりは抜群です。

吸湿と放出による快適さと手触りの良さ

ムートンは吸湿性にも優れており、水分の吸収率は木綿の約2倍、ポリエステルの約40倍と言われています。この特性により、湿気を吸収して放出することで、暖かくいつもさらっとした快適さを保ちます。またムートンの毛皮には、人になじみやすいラノリン(毛に覆われた動物から分泌される蝋・高い浸透性・吸水性を持つ)が含まれています。また多くの動物の毛皮に見られる刺し毛がなく、綿毛のみが密生しているため肌ざわりがとても柔らかく、使うほど肌に毛がなじみます。

これらの特性が相まって、唯一無二の気持ちよい肌触りと、人肌のような優しい温もり、心地よさが生まれているのです。

ムートン毛皮の歴史

ムートン(羊)の歴史をたどると、紀元前6000〜8000年前まで遡ります。
羊は牛や馬よりも長い間、人類にとって重要な家畜として存在していました。

14世紀初頭には羊毛の生産を目的にメリノ種(ムートンに多く使用される品種)が誕生したと言われており、その後、多くの戦争を経てヨーロッパ全土に広まりました。18世紀には、人口よりも羊の数が多い国として知られるオーストラリアで牧羊が始まりました。
19世紀から20世紀頃になると、ムートンの毛皮が一般の人々にも普及し始めます。当初は農夫が履く靴や手袋、毛布などの実用品として使われていましたが、次第に軍服にも採用されるようになり、その後はムートンコートやムートンブーツなどのファッションアイテムとして広く浸透しました。

日本でUGG(アグ)のムートンブーツの大流行

2000年代にUGG(アグ)のムートンブーツが大流行。海外セレブや、浜崎あゆみさんなどといった日本の芸能人がUGGを愛用していたことが大きな影響を与え、ムートンは瞬く間に冬の定番アイテムへ。また2000年代はカジュアルファッションが全盛期を迎えており、UGGのラフで履き心地の良い点が、当時のファッションに合致していたことも要因の一つともいえます。

動物愛護問題

近年、動物愛護の観点から毛皮の使用を控える動きが欧米を中心に高まっています。この流れは羊の毛皮を使用するムートンにも影響を及ぼしており、今後はフェイクファーへの移行が進む可能性も考えられます。

ムートンで知られるUGG(アグ)などのブランドでは、主に食肉用として飼育された羊の毛皮を使用しています。このため、ミンクやラビットなどの毛皮とは異なり、羊の毛皮は副産物としてみなされることもあります。

ムートンがコートやブーツなどに適している理由

ムートンの繊維の表面は、うろこ状のキューティクルに覆われています。このキューティクルが撥水効果を発揮するため、シミになりにくく、ムートンコートやブーツなどのファッションアイテムに適しています。

さらに、ムートンは耐久性が非常に高い素材です。毎日着用した場合でも3〜4年、週に1回程度の着用なら6年、あまり着用しない場合は10年ほど使用できるとされています。(ただし、定期的なクリーニングを行うことが前提です。)

羊からムートンに加工する際には、まず羊の毛皮をなめし、毛を伸ばした後、染色を施します。ムートンは染色がしやすく、加工が容易という特性があるため、コートなどのファッションアイテムにするにはピッタリです。
また、ムートンの毛には、曲げたり伸ばしたりしても元に戻ろうとする性質があります。
一本の羊毛を引き伸ばすと、30%も伸びることができますが、その後すぐに元の状態に戻る弾力性を持っています。この特性によりへたりにくく、元の柔らかな感触に回復します。こうした特性は、フェイクムートンでは実現が難しく、化学繊維では真似のできない、羊の毛皮ならではの素晴らしさです。

ムートンとウールの素材の違い

ムートンもウールも同じ羊からできてる素材です。

  • ムートン
    • 羊毛がついた羊皮のことで、基本的にダブルフェイス(double face)で使用するためスエードに加工される。シアリングコートなどと呼ばれることもある。
    • ※ダブルフェイスとはミンクなどといった皮が丈夫で、ある程度の厚みがある毛皮の裏側をきれいに加工して表面として使用できるように加工すること
  • ウール
    • 羊の毛を素材にしたもの。実は羊毛以外にもアルパカやアンゴラ、カシミヤなど、他の動物から取れる毛もウールと呼ばれますが、羊毛以外はそれぞれの名前で表記されることが多いので、ウールと表記されているものはほとんどが羊毛。

ムートンになる羊とは

ムートンは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。

短毛タイプ

短毛のムートンといえば、代表的なのは「メリノ種」です。

ムートンの製品のほとんどが、このメリノ種を使用しています。オーストラリア・アメリノやニュージーランド・メリノなど、世界各地で繁殖されており、もちろん日本でも。

短毛ムートンは、ムートンコートをはじめ、クッションやフリースなどのファッションアイテムや生活雑貨に多く使用されます。くるくるとした羊毛と、ふわふわ・さらさらとした肌触りが特徴です。

長毛タイプ

長毛のムートンには、トスカーナ種、ロムニー種、ブラックフェース種などがあります。
毛足の長いムートンは、主にカーペットやラグに使用され、短毛タイプに比べてゴージャスな雰囲気を持っています。

また、ムートンの品質や価格は、生まれた季節、羊毛を刈り取る時期、飼育年数などによって変わります。これらの要素が呼び名や価値の違いにも影響を与えます。

フェイクムートンの登場

世界的に問題となっている毛皮の使用に伴う動物愛護の課題。その影響はムートンにも及んでいます。

さらに、ムートンアイテムのデメリットとして挙げられるのが「重さ」「手入れ」「価格」の3点です。この課題を解決するために人気が高まっているのがフェイクムートンです。

フェイクムートンは軽量で、人工素材のためお手入れが簡単で、天然ムートンと比べて価格も手頃です。暖かさや質感では天然ムートンには劣るものの、多くの利点を兼ね備えたアイテムとして注目されています。

ムートンコートの流行りはいつまで?人気のデザインとは?

19世紀頃から農夫たちに愛用され始めたとされるムートンコート。何百年も前から受け継がれてきた伝統的なアイテムですが、中には「なんだか流行遅れな気がする」という声も聞かれます。特に、2000年代に流行したムートンのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

そこで、近年のムートン事情を調査してみました!

ムートンコートを取り扱っているブランド

  • エルメス
  • ヴィトン
  • プラダ
  • ロエベ
  • ボッテガヴェネタ
  • フェンディ
  • イヴサロモン
  • カールドノヒュー etc.

ムートンコートは時代遅れ?

エルメスでは、2024-2025年秋冬コレクションでリバーシブルムートンコートが発売予定です。ルイヴィトンからは子供用のムートンコートが発売されており、定番のショート丈ムートンコートも引き続きトレンドアイテムとして注目されています。

また、ムートンブーツの人気も健在で、近年では厚底デザインが主流となっています。

一方で、ムートンコートのデメリットとして挙げられる「重さ」については、技術の進化によって改善が進んでいます。最新のムートンアイテムでは、、カッティング技術の向上により軽量化を実現。エンメティではダウンとムートンを異素材で組み合わせることで、さらなる軽量化が図られています。

ムートンコートはデザインや機能性の両面で進化を続けており、今後も目が離せない素材です。

ムートンコートは女性のもの?

ムートンコートは、もともと軍事用として使用されていた背景から、紳士服としてのアイテムも多く展開されています。現在でも「ミリタリーコート」や「フライトジャケット」として人気があり、ヴィンテージ品を集めている方や、それを模して作られたデザインが多くの支持を集めています。
デヴィッド・ベッカムやティモシー・シャラメなど、ムートンコートをおしゃれに着こなすセレブも注目の的です。

ムートンの流行りはいつまで?

ムートンコートは、毎年冬の定番として私たちの生活に寄り添ってきました。その時代ごとに丈の長さやデザインのトレンドは変化するものの、ムートンコートそのものが流行から外れることはなさそうです。

令和の時代、多彩なムートンコートがトレンドとして展開されています。リバーシブルコートは、レザージャケットとしてもボアコートとしても着用できるため、その時々の流行に合わせて装いを変えられるのが魅力です。また、シルエットが美しいロングコートや、近年注目され続けているジレなど、ムートンを使用した女性向けのアイテムもバリエーション豊かに揃っています。

そんな魅力あふれるムートンアイテムの中から、ぜひ自分らしい一着を見つけてみてはいかがでしょうか?

ムートンコートの買取相場

ムートンコートはサイズ、品質、保存状態などによって買取価格が変動します。
ミンクやセーブルといった高級毛皮に比べてムートンは生産量が多く、販売価格が比較的安価であるため、高額での買取は難しい傾向にあります。

毛皮ブランド

サイズやデザインなどで変動しますが、毛皮専門のブランドの場合、状態のよいアイテムですと3,000円〜10,000円ほどでとなっています。

アパレルブランド

エルメスやルイヴィトンなどの有名ブランドのコートなどの場合、高額での買取が期待できることがあります。それもやはり状態や製造年などによって変化するため、場合によっては購入価格の10分の1程度になることもあります。

ノーブランド

ブランドタグがない、または知名度の低いブランドの場合、買取価格は数百円から数千円程度となることが多いです。買取店が独自に行っている買取価格アップキャンペーンを利用したり、何点かをまとめて査定に出すなどの工夫を行ったり、ムートンの状態がよければ5,000円を超えることがあります。

何年もお手入れ、着用していない毛皮は劣化しやすく、損傷が見られる場合も多いため注意が必要です。
ただし、毛皮の状態が良好であれば、買取価格が高くなる場合もあるので、一度ご相談を。

ムートンコートを売るならビープライスへ

ビープライスでは、状態の良い有名ブランドのムートンコートはもちろん、ダメージのあるものやノーブランドのお品物でも、必ずお買取りいたします。
新しいムートンアイテムの購入資金にするためにも、ぜひお手持ちのアイテムをお売りの際はビープライスをご利用ください。

ビープライスではムートンのコートやブーツ等を積極的にお買取いたしております。処分しようと考えていたムートン製品・毛皮製品はもしかしたら買取価格が付くお品物かもしれません。捨ててしまう前にまずお見積りだけでもお試しください。ムートンコートの他、ミンクやフォックス、チンチラも喜んでお買取させていただいております。買取方法は宅配買取・店頭買取・出張買取がございますので利用しやすい買取方法をお選びくださいませ。

ムートン製品の買取

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