金を売るならいつ?どこ?相場や注意点など買取ポイント解説

金を売るならいつ?どこ?相場や注意点など買取ポイント解説

はじめに|金を売るなら

近年、ロシアのウクライナ侵攻やコロナ感染症拡大により、資産価値のある「金」の価格は右肩上がりです。
売り時の今、金を買取に出そうかなと検討されている方も多いと思います。
ですが、金を買取に出す前に知っておくべき情報を知らいないでいるとかえって損する場合があるので注意が必要です。

今回はそんな「金」を売るのが初めて・不慣れな方でも、金の基礎的知識から知っておきたい売却ポイント・買取店の選び方まで4つに分けて解説しています。ぜひご参考ください。

①金の種類と特徴

金の種類と特徴

金を売るならまずは手持ちの金種とその特徴を知っておきましょう。

金の呼び方として「K18」や「18金」などを聞いたことがあると思います。
これは品物に対して金が含まれている量=金の純度を意味します。
例えば、製品に対して75%が金、残り25%が他金属で構成されている物は「18金」と呼ばれます。
下記の表のように金とその他の金属との構成によって名前は変化します。
その中で最も価値のあるのが、金の含有量がほぼ100%の「純金」です。

【 金の種類一覧 】

金種名金の純度
24K・24金99.9%~100%
18K・18金75%
K14・14金58%
K10・10金42%

それぞれの金種はどのような特徴があるのか次項で解説していきましょう。

24K・24金(純度99.9%~100%)の特徴

ほぼ純度100%のため金として一番価値があります。使用するには金属として柔らかすぎるため、インゴット(金塊)やコインなど資産価値を目的として用いられます。

使用用途:インゴット(金塊)・コイン

18K・18金(純度75%)の特徴

純度75%でゴールドの輝きを保ちつつ硬度も高いため、アクセサリーによく使用されています。またアレルギー反応が起きにくいカラーバリエーションが豊富などの特徴もあります。

使用用途:アクセサリー・時計・スマートホンのケース・ライターなど

K14・14金(純度58%)の特徴

純度58%と含有率が低くなるため、加える金属により耐久面が強くなる一方、輝きが弱い・変色するケースがあります。しかし金の割合が少ないため凡庸的に使用ができ、アクセサリーや万年筆など様々な品物に使用されています。またお手頃価格で販売される場合多く、一般的に一番広く流通しているといってもいいでしょう。

使用用途:アクセサリー・万年筆・眼鏡・楽器など

K10・10金(純度42%)の特徴

純度42%と金よりも他の金属の割合が多いため、比較的手に入りやすい価格帯だと言えます。また強度がより増しているため、主にアクセサリーに使用されています。ただ純度が下がるためアレルギー反応が出やすいという特徴もあります。

使用用途:主にアクセサリー

プラチナは金の一種?特徴とその価値

プラチナは金の一種?特徴とその価値

「金 買取」で検索してみると「金・プラチナ買取ります!」とまとめて表記している買取店が多く存在します。

金と同じ扱いがされているし、金の一種なのかな?

と思ってしまいますが、実際はプラチナと金は全く異なる物質です。

プラチナと金の違い

プラチナとは「レアメタル」と呼ばれる希少金属のひとつです。
白い輝きが特徴のプラチナは和名で「白金(はっきん)」と呼ばれ、そのまま訳するとホワイトゴールドとなるため、名前・特徴ともに似通った点がある金のホワイトゴールドと混同されがちです。ですが、実際にはプラチナにしかない特徴があります。

プラチナには耐熱性があり、変形しにくく傷つきにくい特徴を持っています。
そのため、硬度が求められるアクセサリー以外に工業用品として使用されることも多く、車の部品やPCのハードディスク・ペースメーカーなど幅広く活用されています。別名「未来の貴金属」とも呼ばれています。

ではなぜ買取店ではプラチナと金を同じカテゴリーで表記しているのか。その理由は、

・同じ貴金属
・希少性が高い
・共に高価格帯で取引されている

などの共通点が多いため、まとめて表記されているようです。

金の種類の調べ方

金の種類の調べ方

ここまで金の種類について解説してきましたが、

手元にある金はどの種類なんだろう?

と気になる方もおられるかもしれません。

金種は専門業者が取り扱う「X線機器」でなら容易に調べられますが、個人で行うとなると現実的ではないでしょう。そこでこの章では一般の方でも簡単に調べられる方法3つご紹介します。

1.刻印を確認する

刻印を確認する

刻印を確認するのは最も簡単な方法です。
例えば、18金の場合「K18」と刻印されています。さらにカラーゴールドの場合は、WG(ホワイトゴールド)・PG(ピンクゴールド)という刻印も追加されます。

18金のホワイトゴールドなら「K18WG」ですね!

刻印場所はアイテムによってそれぞれで、一般的に指輪だと指が触れる内側、ネックレスだと留め金もしくはプレートに刻印されていることが多いです。
さらに刻印には金種以外に「本物の金である証明」にもなります。売却に出す際は大切な情報となります。

刻印がない、読み取れなかった場合は別の方法を試してみましょう。

2.比重を測定にて割り出す

金の比重を測り、純度を割り出す方法です。
家庭でもあるキッチンスケールで調べることができます。自分で調べてみたい・理科の実験が好き!という方は是非チャレンジしてみてくださいね。

この測定方法に適さない物は行わないでください。適さない物:水分に弱い宝石が装飾されている物・サイズが大きすぎてカップに入りきらない

【 用意する物 】
・キッチンスケール(ゼロ機能がある物)
・計量カップ(深さがあり軽い容器なら何でもOK)

【 手順 】
①調べたい金製品の重さをキッチンスケールで測る。(=Aという値に仮定)

②金製品を下ろし、水を入れた計量カップをキッチンスケールに乗せ、表示を「0」にする。

③金製品を入れ重さを測定します。(=Bという値に仮定)

④A÷B=測定した金製品比重(=Cという値に仮定)となります。

Cの結果が下記の範囲に該当するかどうかで判断します。

Cの数値金種
19.3K24
16~17K20
15~16K18
13~14.5K14
11.5~13K10

手順③の時に製品が水中に完全に浸かり、また浮いた状態にすることが必要になります。その時側面・底辺に金製品が接触してはいけません。事前にセッティングしてから②の作業を行いましょう。

3.買取業者に持ち込む

買取業者に持ち込む

上記2つの方法をご紹介しましたが、やはり日頃から金に触れてない方が判別するのは難しいです。また最近では金の偽物が流通しており、さらに難易度は上がります。

金の純度や種類、偽物かどうかを調べ、さらに簡単に行う方法としては、やはりプロに鑑定してもらうのが一番確実です。

お店よっては専用機器での鑑定も行っています。また鑑定後キャンセルも可能なので、鑑定のみで利用するのも1つの手でしょう。

②金の相場価格の決め方

金の相場価格の決め方

金の価格は一般に販売な商品と違い日々変動しています。

どうして金の価格は日によって変わるの?

その理由は金の相場は、日本だけではなく世界経済・情勢など様々な要因が影響するからです。その要因を大きく分けて5つ分けて解説していきましょう。

要因①需要と供給のバランス

一般的に商品の価格は「買いたいと=需要」と「売りたい=供給」から成り立っています。需要が供給を上回ると価格が高まり、供給が需要を上回ると価格が下がります。
さらに金は24時間・世界各国で取引されているという特性が追加されます。そのため取引する時間や国によって価値が変わらないよう、全ての人が公平に売買できるシステムが確立されており、それにより毎日価格変動されているのです。

要因②米ドルの価値の変化

通貨には日本円やユーロなど様々な存在しますが、その中で米ドルは最も信頼性が高い基軸通貨(きじくつうか)とされています。
世界各国の中央銀行が万が一の事態に備えて保有している外貨はほぼ米ドルです。(外貨準備とも呼ばれています。)
そんな信頼性が高い米ドルでも価値が下がるリスクがあるため、各国の中央銀行は米ドル以外に、物自体に価値がある無国籍通貨の「金」も同時に保有しています。一般的に、

米ドルの価格が低い=金価格が上がる
米ドルの価格が高い=金価格が下がる

と言われています。他にも金の価値は米国の金利にも影響し「金利の低下=金価格が上がる、金利の上昇=金価格が下がる」という要因にもなると言われています。

要因③地政学リスクの変化

地政学リスクとは、各国や地域によって政治・経済が不透明になることを指します。
2009年10月頃に経済破綻によって問題になった「ギリシャ危機」も地政学リスクに当てはまるでしょう。
国の経済破綻・テロや戦争・大企業の倒産などの要因により地政学リスクが高くなると、通貨の価値が危ぶまれ、物自体に価値がある金に価値が高まるという流れになるのです。

要因④インフレとデフレ

インフレとは、物の価格が上がり続ける状態のことを指します。インフレが起こると通貨の価値が下がり、実物資産の金の価値が高まる傾向にあります。そのためインフレが起こりそうな状況になると、多くの人が金を購入するようなり、自然と価値が上がります。

またインフレと反対で物の価値が下がり続けるデフレ状態でも金は堅牢です。デフレになると景気が悪化し、企業や国家への不安から株や債権の価値が下がります。そんな時「価値低下の心配が少ない金を持っておこう」という需要が高まり価格が上昇するケースがあります。

要因⑤各国中央銀行の売買動向

各国中央銀行は、万が一の事態に備えて「外貨準備※」として金を多く保有しています。
過去には売り手側にいた中央銀行ですが、2008年9月に起こった米リーマン・ショックを機に米ドルの信頼がゆらぎ、実物資産の金の買い手に回ったのです。また日欧米などの先進国に対し、現在の経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた新興国(しんこうこく)の中央銀行が積極的に金を購入し始めたことも要因となります。
※為替相場の大きな変動や他国への外貨建債務の返済が困難になった時に備えて対外資産のこと。

金の相場価格の確認方法

金の相場価格の確認方法

色々な要因で価格が変動するのは分かったけど、今日の金の価格はどうやって調べるの?

金の相場価格を調べるのは簡単です。
下記にまとめた大手貴金属メーカーサイトにある、今日の金の価格、金の価格の動きをグラフ化した「チャート」が公表されているので、それをチェックしてみましょう。

大手貴金属メーカー
田中貴金属工業 株式会社
三菱マテリアル 株式会社
株式会社徳力本店

③金売却に必要な買取店の知識

金の相場価格の決め方

ここまで金について基礎的な部分を解説してきましたが、金の知識とは別に買取に出す前に知っておくべきポイントがあります。
後から知って損してた!なんてことにならないようチェックしてくださいね。

金の買取価格は相場価格とは異なる

金の相場価格=買取価格ではありません。

え!金は相場が決まっているし、どの買取店でも価格は一緒じゃないの?

そう思われる方もいらっしゃいますが、金の買取額はお店によって大きく変わります。

実際に買取を行う場合、一般的に下記の計算式にて買取額が算出されます。

相場価格×金の質量×純度-手数料=買取価格

注目ポイントは手数料です。
この手数料で代表的なのが「目減り」です。
目減りとは、金を溶解し再加工する際にわずかに減る量(=目減り)のことを意味します。
平均的に約1~2%を目安に差引かれます。

この手数料の金額は法律などで定まっているものではなく、お店独自の基準が設けられています。そのためお店によって買取額に大きく影響する可能性があるということを覚えておきましょう。

金の売却時には身分証明書が必須

金の売却時には身分証明書が必須

金の売買の際には、本人確認ができる身分証明書が必ず必要となります。
個人の場合、「1点で確認がとれる書類」「2点以上の提出で確認がとれる書類」「補完のため求められる書類」があるので買取店行く際は必ず持っていきましょう。
また法人の場合や200万円超の取引の際には、他に必要となる書類があるので合わせてチェックしておきましょう。

判断が難しい場合は事前に買取店に問合せておくとスムーズに手続きを進められます。

個人【1点で確認可能な書類】

運転免許証
(運転経歴証明書)
マイナンバーカード
健康保険証パスポート
住民票住民基本台帳カード
乗員手帳在留カード
特別永住者証明書学生証

個人【2点以上で確認可能な書類】

国民健康保険証健康保険証
後期高齢者医療被保険証介護保険被保険証
共済組合員証共済制度加入者証
国民年金手帳児童扶養手当証書
母子健康手帳

2点以上の場合、下記の補完書類を求められることがあります。

【 補完書類一覧 】

住民票
戸籍謄本
印鑑登録証明書
国税・地方税の領収書
納税証明書
社会保険料の領収書
・公共料金の領収書(電気・ガス・水道)

法人の場合

法人で金の買取を行う場合、代表者の身分証明書の他に下記が必要となります。
また書類の有効期限が定められており、どちらも6ヶ月以内とされています。

・登記簿謄本
・印鑑登録証明書

200万円以上の取引の場合

金の買取り額が200万円を超える場合、買取店は「支払調書」という書類を税務署に提出する義務が発生します。
支払調書には売却した人の情報を記入する必要があり、その中には「個人番号(マイナンバー)」が必須項目のため、マイナンバーカードも用意しておきましょう。

買取前のセルフチェックポイント3つ

1.金の種類と重さ

金の種類と重さは必ず確認しておきましょう。(種類が分からない時は重さだけでもOK)
知っておけば自分で相場を確認することができますし、買取額をおおよそ計算することができます。
買取店に全てを任せず、貴重な金を最大限の価格で売却できるよう事前準備は欠かさず行いましょう。

2.相場を確認

買取相場価格は全国共通です。
相場が分かっていないと、不適切な査定を行われていても気付くこともできません。必ずチェックしておきましょう。

3.付属品を用意しておく

鑑定書や付属品がある場合は忘れず一緒に査定に出しましょう。
現在世に出ている金の偽物はプロでも真贋が難しい物もあります。
鑑定書などがあれば正規品である証明になり、さらに査定時間の短縮されスムーズに鑑定ができるでしょう。

④金の高価買取店の選び方

金の高価買取店の探し方

買取店といっても査定方法から得意ブランド(アイテム)など様々です。同じ商品を別々の買取店に出した場合、得意分野だった買取店の方が正当に評価され査定額にも現れます。
事前に買取店を調べる・比較することによって少しでも高値での売却が可能となります。
是非参考にしてみてください。

買取実績の充実さ

信頼できる買取店かどうか判断するには買取実績をチェックしてみましょう。
買取実績が多く掲載されているということは、取引が安全に行われている・納得できる価格で買取している・実績のあるバイヤーがいるという証明になるからです。またグーグルなど実際に買取した人の口コミを参考にするのもいいでしょう。

手数料の価格

上記でも解説したように、金の買取手数料は買取店によって異なります。
買取額に大きく影響するため、適切なのか又どれくらいの手数料がかかるのかなど調べておきましょう。

買取店は比較する

金の買取に不慣れな場合、査定結果が適正かどうか分からないですよね。
その分からない部分を埋めるために、複数の買取店で査定依頼することがおすすめです。
お店独自システムや手数料などの要因で査定額に差がつくこともあるので、1つのお店だけで判断するのではなく複数の選択肢の中で一番高いお店に買取に出しましょう。

まとめ

今回は金の基本の知識から高価買取のコツまで、金を売るなら知っておきたい情報をご紹介しました。
金は売る側の知識が少ないと損してしまう可能性があります。大事なポイントをおさえて、満足いく金の買取をおこないましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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