ダイヤモンドはどのようなときに割れる?へき開性や弱いところを解説

ダイヤモンドはどのようなときに割れる?へき開性や弱いところを解説

ダイヤモンドが実は割れやすいことをご存じでしょうか?貴重で高価な結婚の贈り物にも使われる特別な宝石が割れてしまったらとても悲しいですよね。

「世界一硬いと言われるダイヤモンドが割れるって本当?」
「ダイヤモンドが割れる理由を詳しく知りたい」

という方へ、ダイヤモンドが割れる理由である「へき開性」や、実際にどのようなときにダイヤモンドが割れてしまうのかまでご紹介します。

世界一硬いダイヤモンドが割れる理由

世界一硬いと言われるダイヤモンドですが、割れたり砕けたりすることがあります。
ダイヤモンドは硬さを測る尺度の一つである、モース硬度が最大の10である唯一の鉱物です。

モース硬度は鉱物同士でこすり合ってどちらに傷がつくかで測定されています。そのため、モース硬度が最大であるダイヤモンドは他の鉱物と擦りあっても傷つくことはありません。

しかし、これは割れやすさとは関係がありません。割れやすさの指標として「靭性(じんせい)」と呼ばれるものがあります。

硬度が高いダイヤモンドですが、靭性は高くありません。そのためダイヤモンドは瞬間的な力に弱く、叩いたり落としたりすることで割れてしまう場合があります。

世界一硬いダイヤモンドは割れて砕ける?!ダイヤの弱点や宝石の硬度を解説

ダイヤモンドや他の宝石の劈開(へき開)とは?

硬度は高いダイヤモンドですが、割れやすさの指標である靭性が高くない理由は「劈開(へき開)」にあります。「へき開」とは、鉱物や宝石などの結晶が、特定の方向に割れやすい性質のことです。

割れやすい「へき開面」

ダイヤモンドの結晶は正八面体になっており、炭素同士がとても強い結びつきを持っています。ダイヤモンドの硬度が高いのはそのためです。

しかし、ダイヤモンドの八面体のなかで、炭素同士の結びつきが弱くなっている面があります。この面のことを「へき開面」と呼び、へき開面に平行に力を加えることでダイヤモンドを割ることが可能です。

このへき開面を持つことがダイヤモンドの靭性が高くない理由です。

ダイヤモンドはへき開面をうまく利用することによって、カッティングなどの加工を適切におこなっています。

原子間同士の結びつきが弱い「へき開面」を持つ宝石はダイヤモンドだけはありません。「へき開面」は他の宝石加工においても重要視されています。

へき開の方向

割れやすいへき開の方向は鉱物によって異なり、へき開の方向によって鉱物の割れ方も変わります。へき開の方向と特徴を代表的な鉱物と合わせてご紹介します。

1方向(剥がれるように割れる)・・・滑石、石墨、魚眼石など
2方向(柱状に割れる)・・・滑石類、長石類など
3方向(立体状に割れる)・・・岩塩、重晶石など
4方向(8面体に割れる)・・・ダイヤモンド、蛍石
6方向(12面体に割れる)・・・閃亜鉛鉱

硬度が高いダイヤモンドをブリリアントカットなどの複雑な形にカットができるのは、へき開が4方向もあるからです。

へき開面のなめらかさ

鉱物をへき開面に割ったときのなめらかさは、鉱物によってさまざまです。平面に割れるか、凹凸がある面で割れるかで以下の4段階に分けられます。

きわめて完全(とても滑らかな面で割れる)・・・滑石、方解石、雲母類など
完全・・・(滑らかな面で割れる)・・・ダイヤモンド、蛍石、ぶどう石など
明瞭・・・(平面であることが明らかに確認できる)・・・灰重石、普通輝石など
不明瞭・・・(かなりの凹凸はあるが平面であることがかろうじて確認できる)・・・黄銅鉱、ルチル、石英など

ダイヤモンドは完全に分類されるため、断面もきれいにカットすることが可能です。

ダイヤモンドはどのようなときに割れる?

割れやすいダイヤモンドですが、実際にどのようなときに割れてしまうのでしょうか?また、割らないためにはどうすればよいのかについてもご紹介します。

ハンマーで叩いたとき

ハンマーで叩くと世界一硬いダイヤモンドは割れてしまうのでしょうか?答えは、残念ながら、ダイヤモンドはハンマーで叩くことで意外と簡単に割れたり砕けたりしてしまいます。

ハンマーに使われる鉄のモース硬度はダイヤモンドよりもはるかに低いです。それなのに割れてしまうのは、ダイヤモンドがへき開性をもち、靭性が低い宝石だからです。

日常生活においてダイヤモンドをハンマーで叩くことはないと思いますが、それほど簡単に割れるということは知っておきましょう。

落としたり、硬いものとぶつかったとき

故意に割ろうとしなければ、日常生活においてダイヤモンドが割れることなんてないと思いたいところですが……実は、残念ながらダイヤモンドは日常生活においても割れる恐れがあります。

誤って高いところから落としてしまったり、硬いものとぶつかったりするだけでもダイヤモンドは割れることがあるのです。

ダイヤモンドを割らないためには?

世界一硬いと言われるダイヤモンドですが、残念ながら日常生活においても割れてしまう恐れがあります。そのため、できるだけ激しい動きをするときは外すことを心がけましょう。

また、ダイヤモンドは鋭い部分ほど割れやすくなります。ダイヤモンドを選ぶ際に、丸みのあるデザインを選ぶのも割れを防ぐ一つの方法かもしれません。

まとめ

世界一硬いと言われ、モース硬度が最大のダイヤモンドですが、実は割れやすい性質を持っています。

ダイヤモンドが割れやすい理由は、「へき開」と呼ばれる原子同士の結びつきが弱い面を多数持っているからです。

一方、へき開性を持っているおかげでダイヤモンドは硬くてもきれいにカットが可能です。ダイヤモンドは、故意的にハンマーで叩いたときはもちろん、日常生活においても割れる危険性があります。

美しく高価で特別な贈り物としても使われるダイヤモンドですが、割れやすいことはあまり知られていません。

ダイヤモンドが世界一硬いというのは有名であるため、雑に扱ってしまっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

まずは、ダイヤモンドが割れやすいということを知って頂き、今後はダイヤモンドを丁寧に取り扱っていただければ幸いです。

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