横浜市の実家じまい|費用の目安と手順・片づけを相談できる業者
「親が施設に入り、実家に誰も住まなくなった」「相続した家を、どうするか決めないまま1年が過ぎた」——横浜市で実家じまいを考え始めるのは、こうした場面かもしれません。
家一軒分の荷物を前に、何から手をつければいいのか迷う方は少なくありません。
さらに、片づけたあとの家を売るのか、貸すのか、解体するのかという判断も残ります。
この記事では、横浜市で実家じまいを考え始めた方に向けて、片づけ・解体・売却それぞれの費用の目安、横浜の住宅事情ならではの注意点、買取を活用して負担を抑える方法、そして市内で片づけを相談できる業者をまとめました。
あわせて、横浜市の解体補助や空き家の相談窓口にも触れています。
「まだ何も決まっていない」段階から読める内容にしています。
- 実家じまいとは何か|横浜市の空き家をめぐる状況
- 横浜市の実家じまいでつまずきやすい5つのポイント
- 実家じまいの手順|始める時期と4つのステップ
- 横浜市の実家じまいにかかるお金|費用の内訳と抑え方
- 実家じまいで避けたい4つのこと
- 横浜市で実家じまいの片づけを相談できる業者
- 業者に片づけを任せる前に見ておきたい4つの点
- 実家じまいでよくある質問
- まとめ|横浜市で実家じまいに踏み出すために
- 親が高齢者施設やサービス付き高齢者向け住宅に移った
- 親が子どもの家の近くに住み替える、または同居することになった
- 親が亡くなり、相続した家に住む予定の人がいない
- 親が元気なうちに、住まいの今後を家族で決めておきたい
- 維持費がかかり続ける:固定資産税・都市計画税、火災保険、庭木の手入れ、光熱費の基本料金など
- 建物が傷みやすくなる:人の出入りがない家は換気されず、湿気やカビで傷みが早まります
- 「管理不全空家」になるおそれ:2023年12月施行の改正空家法で、「特定空家」の手前の段階として「管理不全空家」が新設されました。市から勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1に減額)が外れ、税負担が増える可能性があります。横浜市も2021年に独自の空家条例を施行しています
- 相続登記が義務になっている:2024年4月から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の登記申請が義務化されました。正当な理由なく怠ると過料の対象になることがあります
- 家の方針:売却・賃貸・解体・当面は保有、のどれを目指すか(仮決めで構いません)
- 費用の出どころ:片づけ・解体・売却の費用を、相続財産から出すのか、相続人で分担するのか
- 役割分担:業者とのやり取りや立ち会いを誰が担当し、その手間をどう考慮するか
- お金に関わるもの:通帳、キャッシュカード、印鑑、現金、証券会社やネット銀行の書類
- 家や土地に関わるもの:権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、建築時の図面や契約書
- 契約や手続きに関わるもの:保険証券、年金や税金の書類、借入れやローンの書類、公共料金の請求書
- 家族で扱いを決めたいもの:遺言書、写真やアルバム、手紙、親が大切にしていた品
- 鍵類:物置、金庫、車、郵便受けなどの合鍵
- 貴金属・宝飾品:指輪やネックレスのほか、切れたチェーンや片方だけのピアスも対象になることがあります
- ブランド品・腕時計:使用感がある、動いていないといった状態でも、査定の対象になる場合があります
- 着物・和装小物:しまったままの着物や帯は、状態によって値がつくことがあります
- 骨董品・美術品:掛け軸、茶道具、陶磁器、洋食器など。価値の判断が難しいため、知識のある業者に見てもらうのが安心です
- カメラ・オーディオ・楽器:古いフィルムカメラやレコード、ギターなどは、年代によって需要があります
- 未使用の贈答品・切手・古銭:まとめて保管されていることが多い品です
- 自分たちでできる範囲を先に進める:衣類や書類、小物の仕分けは、時間をかければ自分たちでできます。業者に頼む範囲を「大型家具・家電の搬出と処分」に絞ると、費用は下がります
- 売れるものを先に査定に出す:買取額を作業費用に充てられれば、支払う金額が減ります
- 解体の補助金を確認する:解体まで考えているなら、住宅除却補助などの対象になるかを先に確かめます
- 相続財産から支出する:預貯金などの相続財産がある場合、実家じまいの費用をそこから出すこともできます。ただし相続人全員の合意が必要なので、Step1の話し合いで決めておきます
- 作業を分けて進める:一度に全部ではなく、母屋を先に、物置や庭はあとから、と時期を分けて見積もりを取る方法もあります
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Q. 実家じまいがしんどい・つらいときは、どうすればいいですか?
A.つらいと感じるのは自然なことで、無理に割り切る必要はありません。
ひとつの方法は、「家の片づけ」と「思い出の整理」を分けて考え、家具や日用品の片づけを先に進め、手紙や写真など気持ちが動く品は、時間をとって家族と一緒に見る日を別に設けると、作業が止まりにくくなります。
一人で抱え込まず、家族と分担したり、仕分けの一部を業者に任せたりするのも有効です。 -
Q.実家じまいの費用は誰が負担するものですか?
A.法律で決まった負担者がいるわけではなく、家族の話し合いで決めることが多いです。
また、相続財産(預貯金など)から支出することもできますが、相続人全員の合意が必要です。 -
Q.実家じまいを自分たちだけで進めることはできますか?
A.衣類・書類・小物の仕分けや、貴重品の捜索は、時間をかければ自分たちでできます。
一方、大型家具や家電の搬出、階段や坂道での運び出し、大量の処分は、人手と車両が必要で、けがの心配もあるため業者に頼むのが現実的です。
「仕分けは自分たちで、搬出と処分は業者に」と分けると、費用を抑えながら無理なく進められます。 -
Q.実家がマンションの場合、売る前にリフォームしたほうがいいですか?
A.必ずしもリフォームが必要とは限りません。中古マンションを買って自分好みにリフォームしたいと考える買い手もいるため、費用をかけて手を入れても、その分が売却価格に上乗せされないこともあります。
まずは家財を片づけて室内を空にし、必要に応じてハウスクリーニングをしたうえで、不動産会社にリフォームの要否も含めて相談するのがひとつの進め方です。 -
Q.家の片づけが終わってもすぐには売れません。そのあいだ家はどう管理すればいいですか?
A.空き家は、換気や通水をしないと傷みが早まり、庭木や雑草が伸びると近隣への影響も出てきます。
自分たちで定期的に通うのが難しい場合は、空き家管理サービスを利用する方法があります。
横浜市は「空家等の管理を代行する事業者リスト」を公開しており、見回り、換気・通水、清掃、庭木の手入れなどを依頼できる事業者を探せます。
本記事は、不用品回収・買取の相談対応を行っている「リユース相談本舗」が監修しています。
実家じまいとは何か|横浜市の空き家をめぐる状況

実家じまいとは、親が暮らしていた家の家財を整理し、その家を売却・賃貸・解体などの形で手放す、または今後の扱いを決めるまでの一連の流れを指します。
片づけだけで終わらず、「家そのものをどうするか」までを含む点が特徴です。
実家じまいを考えるきっかけ
実家じまいを考える場面としては、次のようなものが考えられます。
横浜市は、子ども世代が市内や東京都内に住んでいるケースも少なくありません。実家まで電車で1時間以内、という距離であれば、遠方の実家ほど差し迫った感覚は持ちにくいものです。
ただ、近いからこそ「次の連休に」「落ち着いたら」と先延ばしになり、気づけば何年も空き家のまま、ということも起こりえます。
空き家のまま置いておくとどんな負担が出てくるか

横浜市の空き家は、令和5年住宅・土地統計調査で16万8,600戸。
総住宅数194万2,700戸に対して空き家率は約8.7%で、調査開始以来はじめて空き家の数が減りました(横浜市建築局「令和5年住宅・土地統計調査の結果について」)。このうち一戸建ての空き家は2万4,700戸です。
数字だけを見ると落ち着いているようですが、同じ調査では一戸建てに住む高齢者のみの世帯が19万2,800世帯と、前回(2018年)から1万1,400世帯増えています。
いま親が暮らしている一戸建てが、この先「実家じまい」の対象になる可能性は、むしろ広がっているといえます。
空き家のままにしておくと、次のような負担が積み上がっていきます。
横浜ならではの事情として、住宅が密集した地域や斜面地では、空き家の状態が近隣に影響しやすい点も挙げられます。
伸びた庭木の枝が隣家や道路にはみ出す、ブロック塀が傷む、ハチやハクビシンが住みつくといったことは、隣家との距離が近いほど問題になりやすく、空き家を「置いておくだけ」でも気を配る必要があります。
横浜市の実家じまいでつまずきやすい5つのポイント
実家じまいが思うように進まない背景には、いくつかの共通する理由があります。横浜市の実家じまいで起こりやすい悩みを5つ挙げ、それぞれの向き合い方をまとめました。
① 何から手をつければいいか分からない

家一軒分の荷物を前にすると、どの部屋から始めればいいのか、先に業者を呼ぶべきか、家族で話すべきか、順番が分からなくなりがちです。考えることが多いほど、「もう少し落ち着いてから」と先送りしてしまいます。
まずは全体を見える化することから始めると、次にやることが見えてきます。
部屋ごと・収納ごとに写真を撮っておけば、家族と共有しやすく、業者に見積もりを頼むときにもそのまま使えます。
進める順番については、次の章「実家じまいの手順」で詳しく紹介します。
② 坂の上・階段の先の家で荷物の運び出しが大変
横浜市は丘陵地が多く、坂道の途中や長い階段の上に建つ家、車が入れない細い路地の奥にある家も珍しくありません。
こうした家では、トラックを玄関先に横付けできず、大型家具や家電を人の手で運び下ろす必要が出てきます。
自分たちで片づける場合は、無理に重いものを運ばず、搬出は業者に任せるほうが安全です。
業者に頼む場合も、見積もりの段階で「車を停められる場所から玄関までの距離」「階段の有無」を伝えておくと、当日になって作業時間や費用が変わる事態を避けやすくなります。
オンラインで見積もりしてもらう場合は、写真や動画で道路から玄関までの様子を送ると、伝わりやすくなります。
③ 実家がマンションや団地で搬出のルールがある

実家がマンションや団地の場合、一戸建てとは違う段取りが必要になります。
管理組合への作業届、エレベーターの養生、搬出できる曜日や時間帯の制限、共用部での作業の注意事項など、管理規約で決まっているルールを先に確認しておくことが大切です。
エレベーターのない中層の団地では、②と同じく階段での手運びになり、作業人数が増えることがあります。
また、マンションは「解体」という選択肢がないぶん、片づけたあとは売却か賃貸かを考えることになります。
管理費や修繕積立金は空室でもかかり続けるため、方針を早めに決めるほど負担を抑えやすくなります。
④ 親の思い出が詰まったものを手放す決心がつかない
育った家を片づけ、手放すことに、割り切れない気持ちを抱く方は少なくありません。「親に悪い気がする」「思い出まで処分するようで辛い」と感じて手が止まるのは、ごく自然なことです。
こうしたときは、「何をどれだけ残すか」の基準を先に決めておくと、ひとつひとつの品の前で迷う時間が減ります。
アルバムはデータ化して原本は数冊に絞る、思い出の品は家族それぞれ段ボール1箱まで、といった具体的なルールにしておくと判断しやすくなります。
⑤ 片づけたあとの家をどうするか決めきれない
売却するのか、貸すのか、解体して土地にするのか、しばらく持ち続けるのか。選択肢が多く、それぞれに費用と手続きがあるため、判断がつかないまま止まってしまいがちです。
横浜市には空き家の今後を無料で相談できる窓口がいくつか用意されており、窓口について詳しくは別の章で説明しています。
なお、横浜市は空き家バンクを設けておらず、地方の自治体のように市が空き家の買い手・借り手を探してくれる仕組みはありませんが、住まいとして売る・貸す場合は民間の不動産会社に相談する形で進めていくことができます。
家の行き先が見えると、片づけの範囲——どこまで空にするか、何を残すか——も決めやすくなります。
実家は売却・賃貸・解体どれ?結論の出し方と市役所の空き家相談の使い方
実家じまいの手順|始める時期と4つのステップ
始める時期は2通り
① 親が元気なうちに始める(生前整理)
親と一緒に「何を残し、何を手放すか」を決められるのが、いちばんの利点です。品物の由来を聞けたり、通帳や権利証などの保管場所を教えてもらえたりするため、あとで迷う場面が減ります。
施設への入所や住み替えをきっかけにする場合も、本人が判断できるうちに話しておくのが理想です。
横浜市は、空き家になる前の段階から使える情報も用意しています。神奈川県居住支援協議会の「空き家にしない「わが家」の終活ノート」は、住まいの今後に絞ったエンディングノートで、家族で話し合うきっかけづくりに使えます。
また、横浜市と連携する事業者が提供するLINE公式アカウント「YobCon空家予防コンシェル」では、実家が将来空き家になるリスクの診断や、相続に向けてやることの整理が無料でできます。
② 相続後に始める
親が亡くなったあと、四十九日や納骨などがひと段落してから始める進め方です。
品物の由来や大事な書類の場所を親に確かめられないため、一つずつ確認しながら進めることになり、生前整理より時間がかかる場合もあります。
気持ちの整理がつかないうちに無理に急ぐ必要はありませんが、空き家の期間が長くなるほど、固定資産税や光熱費、庭木の手入れなどの負担は続きます。家族の予定も合わせて、取りかかる時期の目安を決めておくと進めやすくなります。
Step1 家族で「方針・お金・役割」を話し合う

最初にすることは、家族・親族での話し合いです。ここで決めておきたいのは次の3点です。
「費用を誰が払うか」は、あとから揉めやすいところです。費用は相続財産から支出することも、相続人で分けることもできますが、実際に動く人の時間や交通費まで含めて先に合意しておくと、あとでわだかまりが残りにくくなります。
話し合いの段階で業者に概算の見積もりを取っておくと、費用の見通しが立ち、方針も決めやすくなります。
Step2 大事なものを探し出す

片づけを本格的に始める前に、手続きに必要なものや、なくすと困るものを探し出して確保します。いったん業者が運び出したあとでは、取り戻すのが難しくなるためです。
探しておきたいのは、次のようなものです。
通帳や現金、貴金属は、タンスの奥、本のあいだ、仏壇の引き出し、衣類のポケットなど、思いがけない場所から出てくることがあります。見つけたものは1か所にまとめ、何がどこにあったかを家族と共有しておくと、相続の手続きや話し合いが進めやすくなります。
自筆の遺言書が見つかった場合は、その場で開封せず、家庭裁判所での「検認」が必要かどうかを先に確認してください(法務局で保管されていた遺言書は検認不要です)。
大事なものを確保したら、家財を「残す」「売る」「処分する」に分けていきます。
処分する前に売れるかどうかを確かめる方法は、費用の章の「買取を利用して片づけ費用を抑える」で紹介します。
なお、相続放棄を考えている場合は、家財を売却・処分すると相続を承認したとみなされるおそれがあるため注意が必要です。
Step3 処分するものを運び出す
仕分けが済んだら、処分するものを運び出します。少量であれば横浜市の粗大ごみ収集や持ち込みを利用する方法もありますが、家一軒分の量になる場合や、搬出に手間がかかる家では、業者にまとめて頼むほうが現実的です。
Step4 空になった家を、引き渡し・売却・解体へ

家の中が空になったら、清掃をしたうえで、売却・賃貸・解体のいずれかに進みます。近所へのあいさつもこの段階で済ませておきます。
全体の期間はどのくらい見ておくか
実家じまいの全体期間は、一般的に半年から1年程度が目安とされています。片づけの作業自体は数日から数週間で終わることが多くても、家族の話し合い、相続登記、売却先や解体業者が決まるまでの時間が積み重なるためです。
横浜市の住宅除却補助は年度ごとに受付期間が決まっており、予算に達すると期限より早く締め切られる場合があります。
解体まで考えているなら、補助金の受付期間から逆算して片づけの時期を決めると、無理のないスケジュールを組みやすくなります。
横浜市の実家じまいにかかるお金|費用の内訳と抑え方

費用は「片づけ」「解体」「売却」の3つに分けて考える
実家じまいの費用が見えにくいのは、性質の違う費用がまとめて語られがちだからです。
①家財の片づけ・処分、②建物の解体、③売却にかかる諸費用・税金の3つに分けると、全体像をつかみやすくなります。
① 片づけ・家財処分の費用(業者に依頼する場合の目安)
| 間取り | 費用の目安 |
|---|---|
| 1K〜1DK | 5万〜15万円程度 |
| 2LDK〜3DK | 20万〜50万円程度 |
| 3LDK〜4LDK | 40万〜80万円程度 |
| 一戸建て(4LDK以上・物量多) | 50万〜100万円以上 |
※荷物の量、作業人数、搬出のしやすさによって変わります。あくまで目安としてご覧ください。
家の立地や、階段の手運びなど、搬出に手間がかかる家では、作業人数や時間が増えて表の目安を超えることがあります。
② 解体費用
木造住宅の解体費用は、一般的に1坪あたり3万〜5万円程度が目安とされ、30坪の家であれば100万〜150万円前後になることが多いようです。
ただしこちらも、前面道路が狭くて重機が入れない、隣家と接している、斜面地で擁壁があるといった条件によって、手作業の割合が増えたり、工事の手間がかかったりして、費用が上振れすることがあります。
おおよその金額を知りたいときは、横浜市が株式会社クラッソーネと連携して提供している「横浜市版すまいの終活ナビ」が使えます。
土地・建物の面積や最寄り駅、接する道路の幅などの質問に答えると、解体費用と解体後の土地の売却価格の概算が無料でわかります。
③ 売却にかかる諸費用・税金
売却する場合、不動産会社へ支払う仲介手数料は、売却価格や取引条件によって上限額が異なります。
相続した空き家を売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除)があります。
昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、相続から一定の期間内に売ることなどの条件があり、この特例を使うには横浜市で「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受ける必要があります(申請先:横浜市建築局住宅政策課。案内は横浜市の特例措置のページ)。
確定申告の前は申請が集中するため、売却を考え始めた段階で確認しておくとスムーズです。最終的に特例が使えるかどうかは、税務署や税理士に確認してください。
横浜市の補助制度と無料で相談できる窓口

横浜市には、実家じまいの負担を軽くできる制度や、無料で使える相談窓口があります。制度の内容や受付状況は、年度や予算によって変わることがあるため、利用を考える際は必ず横浜市の空家対策ページで最新情報を確認してください。
① 解体に使える補助金
| 制度 | 主な対象 | 補助の上限 |
|---|---|---|
| 住宅除却補助制度 | 平成12年5月末以前に着工した木造住宅で、耐震診断などで耐震性が低いと判断されたもの(または特定空家) | 昭和56年5月末以前の建物:50万円/昭和56年6月〜平成12年5月末の建物:一般世帯20万円・非課税世帯40万円 |
| 建築物不燃化推進事業補助 | 地震火災対策の対象地区(神奈川区・西区・中区・南区・磯子区・鶴見区・金沢区の一部)にある、昭和56年5月末以前の建物・または耐用年数が過ぎている建物 | 解体で150万円 |
| ブロック塀等改善事業 | 道路沿いの高さ1m以上の危険なブロック塀 | 長さに応じて30万〜50万円 |
※補助額は、延床面積や工事費などから算出した額との比較で決まります。
住宅除却補助は年度ごとに受付期間が設けられていますが、予算に達すると期限より早く締め切られる場合があります。解体を考えているなら、早めに市へ確認しておくと安心です。
また、補助金の交付決定通知を受け取る前に工事を契約・着工すると対象外になるほか、解体業者は市内に本社がある許可業者であること、見積額が100万円以上の場合は2者以上から見積もりを取ることなどの条件があります。
② 家の今後を無料で相談できる窓口
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 空家の総合案内窓口(横浜市住宅供給公社) | 空き家に関する一般的な相談を電話・窓口で受け付け、必要に応じて専門家団体を紹介。無料 |
| 横浜市空家のこれから相談窓口(横浜市と連携する空き家活用株式会社) | 空き家や、これから空き家になりそうな家について、処分方法や活用プランの提案、業者とのマッチングまで相談員が伴走 |
| 空家無料相談会(横浜市) | 不動産・法律・登記・税金などの専門家3分野に同時に相談できる。市役所や各区役所で不定期に開催 |
このほか、相続登記は神奈川県司法書士会、売却・賃貸は神奈川県宅地建物取引業協会など、分野ごとの専門家団体の相談窓口も、横浜市の「空家の相談に役立つ専門家団体等の一覧」にまとめられています。
「売るか、貸すか、解体するか」で迷っている段階なら、まずは空家の総合案内窓口に電話して、どの専門家に相談すればよいかを整理してもらうのが近道です。
買取を利用して片づけ費用を抑える

3つの費用のうち、工夫で減らしやすいのが①の片づけ費用です。そのカギになるのが買取の活用です。
実家の片づけでは、お金を払って処分するものと、値がついて買い取ってもらえるものが同時に出てきます。買取に対応している業者であれば、買取額を作業費用から差し引けるため、総額の負担が軽くなります。
買取額は品物によって大きく変わりますが、「処分するつもりだったものが費用を減らしてくれる」可能性は、片づけを始める前に知っておく価値があります。
値がつく可能性があるものとしては、次のような品が挙げられます。
注意したいのは、価値のあるものは、見た目では分かりにくいという点です。判断に迷うものは、処分すると決める前に査定に出してみることをおすすめします。
費用をすぐに用意できないときの進め方
「実家じまいをしたいけれど、まとまったお金がない」という状況は、決して珍しくありません。その場合は、次のような対処法で負担を小さくできる可能性があります。
空き家のままでも固定資産税や管理の手間はかかり続けます。「お金がないから何もしない」ではなく、「いまできる範囲から動かす」ことが、結果的に出費を抑える近道になります。
実家じまいで避けたい4つのこと
実家じまいで「やってはいけない」「失敗した」と言われがちな点を、横浜市の制度もふまえて4つにまとめました。あらかじめ知っておけば避けられるものばかりです。
仏壇・神棚・位牌の扱いを決めないまま処分する

実家じまいで迷いやすいのが、仏壇と神棚の扱いです。そのまま処分することもできますが、あとから「供養しておけばよかった」と感じることも起こりえます。
仏壇は、菩提寺や供養に対応する業者に「閉眼供養(魂抜き)」を頼んでから処分するのが一般的です。神棚は、神社に相談するか、お焚き上げに対応する業者に頼む方法があります。位牌は仏壇とは別に、引き継ぐのか、お寺に預けるのか、供養して処分するのかを家族で決めておきます。
家族と話し合う前に一人で片づけを進める
「自分が近くに住んでいるから」と一人で判断して片づけを進めると、あとから「あれは残してほしかった」「勝手に処分した」と、家族の関係がこじれることがあります。
実家に近い人ほど動きやすい分、負担と判断が一人に集まりやすい点にも注意が必要です。
片づけを始める前に、残すものの基準、売却や処分を誰が決めるか、費用を誰が負担するかなど、家族で共有しておきます。決めた内容をメッセージやメモで残しておくと、「言った・言わない」を避けられます。
相続放棄を迷っている段階で家財に手をつける
相続放棄を考えている場合に家財を処分すると、相続を承認したとみなされるおそれがあります。
相続放棄の期限は原則として相続を知った日から3か月以内です。実家の価値より借金などの負債が大きい可能性がある場合は、片づけの前に専門家に相談してください。
「とりあえず片づけてから考える」は、このケースでは避けたほうが安全です。
補助金を申請する前に解体業者と契約してしまう
「解体に使える補助金」で説明した通り、横浜市の住宅除却補助は、交付決定通知を受け取る前に工事を契約・着工すると対象外になります。
片づけの流れのまま解体業者と契約してしまうと、本来受けられたはずの補助を逃すことになりかねません。
解体を考えているなら、片づけの見積もりを取る段階で、住宅除却補助の対象になるかどうかを市に確認しておくと安心です。対象になりそうな場合は、申請→交付決定→解体業者と契約・着工、の順番を守ってください。
横浜市で実家じまいの片づけを相談できる業者
横浜ベスト遺品整理社(株式会社ベストワーカーズ)

| 特徴 | ・認定遺品整理士が在籍 ・優良事業者の認定を受けている ・生前整理・実家の片づけに加え、空き家の管理・整理にも対応 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 営業時間 | 8:00〜20:00 |
横浜市都筑区に本社を置き、2000年の創業から片づけの仕事を続けている会社です。
遺品整理士認定協会の認定遺品整理士が在籍し、同協会から優良事業者の認定を受けています。
最大の特徴は、生前整理や実家の片づけだけでなく、空き家の管理・整理にも対応している点です。
片づけを終えてから売却が決まるまでのあいだ、家をどう維持するかという悩みにも相談先が広がります。
仏壇や位牌、人形などの供養や、家財の買取・リサイクルにも対応しています。
横浜ベスト遺品整理社(株式会社ベストワーカーズ)へのアクセス
〒224-0034 神奈川県横浜市都筑区勝田町641番地
ワイツーホーム横浜リサイクル(株式会社ワイツーホーム)

| 特徴 | ・遺品整理士、事件現場特殊清掃士の資格がある ・遺品整理士認定協会の優良事業所に認定 ・事業内容にハウスクリーニング・リフォーム・造園・解体業まで含む |
| 定休日 | 年中無休 |
| 営業時間 | 9:00〜20:00 |
横浜市旭区に拠点を置く会社で、神奈川県公安委員会の古物商許可を取得し、遺品整理士の有資格者が在籍しています。
特徴は、遺品整理・リサイクルに加えて、ハウスクリーニング、リフォーム、造園、解体業まで事業内容に含んでいる点です。
実家じまいは、片づけのあとに清掃、庭木の手入れ、場合によっては解体と工程が続くため、相談先を1社にまとめたい方には選択肢になります。
買取品は作業費とは別に、その場で現金で支払う対応をしています。
ワイツーホーム横浜リサイクル(株式会社ワイツーホーム)へのアクセス
〒241-0015 神奈川県横浜市旭区小高町124−2
よろずカンパニー

| 特徴 | ・遺品整理士のうち、地域統括の資格も保有 ・日本リユース・リサイクル回収事業者組合の認定事業者 ・貴金属・ブランド品は大黒屋と提携して買取 |
| 定休日 | 要確認 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
横浜市旭区鶴ヶ峰に拠点を置き、2003年から遺品整理や生前整理、不用品の撤去を手がけている事業者です。
代表が遺品整理士の地域統括資格を持ち、古物商許可も取得しています。
実家じまいで注目したいのは、貴金属やブランド品は大黒屋と提携して買取に対応している点で、片づけの作業と査定をまとめて進めやすくなっています。
家庭から出る不用品の処分は、横浜市の一般廃棄物の許可業者と提携して行うと説明しています。供養や、空き家の片づけ後の不動産売却のサポートにも対応しています。
よろずカンパニーへのアクセス
〒241-0022 神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰1丁目41−7
遺品整理本舗横浜(株式会社リレーションシップ)

| 特徴 | ・宅地建物取引業の免許がある ・代表は遺品整理士のほか、宅地建物取引士などの資格を保有 ・神棚・仏壇の供養(魂抜き)、空き家管理、遺品の買取に対応 |
| 定休日 | 日曜日 |
| 営業時間 | 7:00〜18:00 |
運営する株式会社リレーションシップは、不動産業(宅地建物取引業)と遺品整理の両方を手がけている会社です。
代表は遺品整理士に加え、宅地建物取引士、生前整理アドバイザーなどの資格を持っています。
実家じまいでは「片づけ」と「家の行き先」の両方を考える必要があるため、片づけを頼みながら不動産の相談もしたい方には選択肢になります。
相続や登記については、弁護士・行政書士・司法書士と連携して対応。神棚・仏壇の供養(魂抜き)、空き家の管理、骨董や家電・家具の買取にも対応しています。
遺品整理本舗横浜(株式会社リレーションシップ)へのアクセス
〒233-0015 神奈川県横浜市港南区日限山2丁目1−33 日限山開成ビル 2階
業者に片づけを任せる前に見ておきたい4つの点
見積もりに何が含まれ、何が別料金になるか

見積もりの方法は、訪問・写真・オンラインなどさまざまです。大切なのは、提示された金額に何が含まれ、どんな場合に追加料金が出るのかを、はっきり説明してもらえるかどうかです。
横浜の実家じまいでは、階段での手運び、トラックを停める場所から玄関までの距離、マンションの養生や駐車場代、エアコンの取り外し、庭木や物置の処分などが、追加料金につながりやすい部分です。
見積もりのときに家の周りの状況まで見てもらい、当日の追加がないかを確認しておくと安心です。
不用品を処分してもらえるか
横浜市では、家庭から出る不用品を回収するには、市の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要で、古物商や産業廃棄物収集運搬業の許可だけでは回収できないとされています(横浜市資源循環局の案内)。
なかには許可業者と提携して処分している業者もあり、どちらの形でも構いません。
運び出した家財をどこで、どう処分するのかを説明してもらえるかはひとつの目安になります。説明があいまいな場合は、少し慎重に検討したほうがよいかもしれません。
片づけと買取をまとめて頼めるか

片づけと買取を別々の業者に頼むと、そのたびに日程を合わせて立ち会う必要があります。
片づけの作業と買取を同じ業者にまとめて頼めれば、作業の日に査定まで済ませられ、家族が実家に通う回数を減らせます。「買取を利用して片づけ費用を抑える」の章で触れたように、買取額を作業費用から差し引いてもらえれば、支払う金額も抑えられます。
依頼するときは、見積書に作業費用と買取額が詳しく書かれているかを確認しておくと、何にいくらかかり、何にいくら値がついたのかが分かりやすくなります。
片づけのあと家の相談につないでもらえるか
実家じまいは、片づけが終わってからも、清掃、空き家の管理、売却や解体と工程が続きます。
片づけのあとに必要になることまで相談できるか、または相談先を紹介してもらえるかを見ておくと、窓口が増えずに済みます。
実家じまいでよくある質問
まとめ|横浜市で実家じまいに踏み出すために

実家じまいは、家の片づけと、家そのものの行き先を決めることの両方を含む作業です。考えることが多く、どこから手をつければいいか迷うのは当然です。
何から始めればいいか迷ったときは、まず家の中を写真に撮って全体を見える化するところから始めてみてください。
業者に依頼する場合は、料金だけでなく、見積もりの内容が明確か、家庭の不用品を適切に処分できる体制があるか、買取に対応しているか、片づけのあとの相談につないでもらえるかといった点をあわせて見ておくと、納得のいく選び方ができます。
この記事が、横浜市で実家じまいを進める際の参考になれば幸いです。
