生前の実家じまいは寂しい?後悔しないための片付け方法や対策

- そもそも実家じまいとはなんなのか
- なぜ生前がベスト?メリット・デメリットを比較
- 今やる?あとでやる?実家じまい費用比較
- いつから始める?実家じまいのタイミング
- 実際の生前の実家じまいには何が必要?
- 実家じまいを寂しいと思わないためには
- 生前の実家じまいで今すぐできること
- 実家じまいを成功させるポイント
- まとめ|生前だからこそ「想い」と「準備」を両立できる
- 親が自ら実家をしまうケース
- 親が急逝したり、老人ホームへ入居したことにより、子どもや親族が対応するケース
- 施設入居を検討している
- 体力や判断力の低下を感じる
- 「終活」への関心を示している
- 家の維持が負担になってきている
- 実家に帰る頻度が減っている
- 将来の相続について考え始めた
- 空き家問題への不安がある
- 使わない部屋が増えている
- 修繕が必要な箇所が目立つ
- 防犯面での不安がある
- 誰が主導となるのか
- 家の中の物の処分方針(譲る/捨てる/残す)
- 実家は残す?売る?貸す?解体する?
- 費用の予算や、誰が負担するのか
- 1日30分など、短い時間でおこなう
- 処分に迷うものは「保留ボックス」に入れて後で判断
- 一度に全部やろうとしない
- 売却
1. 解体して更地にする
2. 建物ごと - 賃貸に出す
- 管理して維持する
- 固定資産税の名義
- 相続登記などの名義
- 水道・電気・ガス・ネット契約など
- 新聞・郵便物転送
- 各種保険
- 家族に実家じまいについて話題を振ってみる
- 実家の現状を写真で記録してみる
- 地域の不用品回収業者を調べてみる
- 親と実家の将来について話し合いの時間を設ける
- 一部屋だけでも物の整理を始めてみる
- 不動産業者に相談予約を入れる
- 専門業者3社に見積もり依頼する
- 家族会議で具体的なスケジュールを決める
- 必要な手続きを専門家に相談する
- 家族でしっかり話し合える
- 親の気持ちも大切にできる
- 少しずつ段階的に進められる
「実家のことが気になるけど、まだ早いかな?」「親が元気なうちから実家じまいなんて縁起でもない?」
そんな風に感じて、実家じまいを先延ばしにしていませんか?
実家じまいは生前に行うのが最も賢い選択です。親が元気なうちに準備を始めることで、家族全員の負担を大幅に軽減でき、思い出を大切にしながら整理を進められます。
この記事では、生前実家じまいのメリットから具体的な進め方、よくあるトラブルの回避法、実家じまいで寂しさを感じづらくする方法まで、実践的な情報をお伝えします。
そもそも実家じまいとはなんなのか

実家じまいとは、親世代が住んでいた実家を片付け、整理・処分することを指します。
タイミングは大きく2つに分類されます。
実家じまいをせずに放置すると空き家となり、近隣トラブルや管理不全などが発生することも。
誰にでも訪れる可能性のある問題で、決して他人事ではありません。
今、生前実家じまいが注目される理由
近年、少子高齢化や人口減少、ライフスタイルの変化によって、全国的に空き家が増え続けています。
京都市では、令和11年から「非居住住宅利活用促進税」として、市内の市街化区域にある空き家に対し課税を予定しており、今後全国に広がる可能性も指摘されています。
このような社会情勢もあり、親が亡くなった後に実家を整理するのではなく、親が元気なうちに実家を整理する「生前実家じまい」を検討する人が増えています。
最近では、著名人の実家じまいに関する体験談の書籍が発売されるなど、「実家じまい」が注目されています。
なぜ生前がベスト?メリット・デメリットを比較
生前実家じまいのメリット
残される家族の負担を軽減できる
親自身が判断できるため、遺族が「これを捨てていいのか?」と悩む時間や労力を大幅に減らせます。精神的な負担も軽くなるでしょう。
時間に余裕をもって進められる

親の体調や季節の良い時期など、自分のタイミングで計画的に作業を進められます。
必要なものだけで暮らせる
不要なものを手放すことで、本当に大切なものに囲まれたシンプルな生活を送れます。
老後の資金に繋がる可能性
実家を売却したり、賃貸に出したりすることで、老後の生活資金を確保できる可能性があります。
思わぬ掘り出し物が見つかることも

片付けの過程で、親の購入していたブランドバッグや貴金属などがでてくる可能性があります。
また、昭和レトロや平成レトロといったトレンドに合致する価値ある品が見つかることもあります。
生前実家じまいのデメリットと対策
もちろん、生前実家じまいにはデメリットもありますが、対策を講じることで解決できる場合も多いです。
思い出の品を片付けなければならない

長年住み慣れた家には多くの思い出が詰まっています。お子さんにもらった手紙や、家族といった旅行先のお土産など、処分しにくい物も多くなってしまうものです。
すべてを処分するのではなく、本当に大切なものは手元に残しておき、悩むものなどは写真に撮るなどしてデジタルデータとして残す選択肢もあります。
親子関係が悪化する
子どもが主導で進める場合、親が「勝手に決められた」と感じ、関係に亀裂が入ってしまうことも。
どちらかが一方的に進めるのでなく、時間をかけて十分に話し合い、気持ちに寄り添いながら進めることが何よりも大切です。
手間と労力がかかる
物量が多いと、片付けには相当な手間と労力がかかります。
不用品回収業者や生前整理の専門業者に依頼することで効率的に進められます。
住む場所がなくなる

実家じまいを行う場合は、その後の住まいを確保しておくことが前提となり、親族との同居や、老人ホーム・賃貸住宅への引っ越しなどが選択肢として考えられます。
ただし、必ずしも実家を手放す必要はなく、「生前整理」という形で家の中を整える方法もあります。
住み慣れた家に住み続けながら、将来に備えて少しずつ整理を進めるのも一つの選択肢です。
実家の生前整理とは
自分が元気なうちに、財産や持ち物、人間関係、各種契約などを整理・見直ししておくことを指します。
将来の相続トラブルや家族への負担を減らす目的で行われることが多く、高齢化社会の日本では特に注目されている終活の一環です。
生前実家じまいをしないことでリスクも
空き家リスクが高まり、資産価値が下がる
親が亡くなり、誰も住まなくなった実家は「空き家」となり、固定資産税や管理費などの維持費用がかかるなど、さまざまな問題を引き起こします。
放置期間が長くなるほど、建物の劣化が進み、売却時の資産価値が大きく下がる可能性もあります。
処分費用が割高になることも
故人の死後、急いで片付けをしなければならない場合、複数の業者から相見積もりを取る余裕がなく、費用が割高になってしまうことがあります。
計画的に整理を進めることで、費用を抑え、適切なサービスを選択できます。
今やる?あとでやる?実家じまい費用比較
※横にスクロールできます早めの実家じまい | 放置後の実家じまい | 備考・差が出る理由 | |
---|---|---|---|
家財・不用品の処分費 | 5万〜20万円 | 10万〜40万円 | 業者選定の余裕があると費用を抑えやすい |
遺品整理費用 | ほぼ不要 | 15万〜50万円 | 整理を業者に一任するケースが多い |
固定資産税・管理費 | 最小限 | 年間5万〜数十万円×空き家年数 | 空き家期間が長引くと累積負担が重くなる |
光熱費 | 月間2,000円〜1万円 | 年間2万〜5万円×空き家年数分 | 空き家でも電気・水道は契約しておくほうがよい |
名義・相続手続き | 約5万〜10万円 | 約10万〜30万円(放置や認知症で複雑化) | 放置により手続きが煩雑し、費用増加 |
トラブル対応 | 少ない | 多(相続人間・近隣・業者対応など) | 感情的・法的トラブルが起こりやすい |
※一般的な一戸建て実家の目安です。物量やエリア、業者価格によって変動します
親が生きている状態での実家じまいは、親と相談しながら名義変更や相続手続きができるので、トラブルが少なくなる傾向にあります。
また、実家じまいのタイミングで物を減らすことが可能なので、親の逝去後の遺品整理費用が掛かりずらく、光熱費などのランニングコストもあわせて、費用面での負担が少なくなります。
【結論】空き家になった実家の放置は維持費がかかる
放置後の実家じまいでは「空き家期間の長期化」による固定資産税・光熱費などの維持費で、累積負担が特に大きくなります。
早めに実家じまいを行えば、こうした出費を抑えられます。そのタイミングで物を減らしておくことで、親の逝去後の遺品整理費用も抑えられるので、さらに費用面での負担を軽減できます。
また、親が健在のうちに実家じまいを進めれば、親と相談しながら名義変更や相続手続きを行えるため、トラブルが少なくなる傾向があります。
早めに実家じまいに取り組み、住まいの解約・売却・整理を計画的に進めましょう。
いつから始める?実家じまいのタイミング
始めるべきタイミングのサイン

以下のようなことを感じ始めたら、それは実家じまいに取り掛かるタイミングなのかもしれません。
親の状況
家族の状況
家の状況
年代別の考え方
60代の親を持つ方
まだ早いと感じるかもしれませんが、情報収集や家族での話し合いを始める良い時期です。
70代の親を持つ方
具体的な検討をし始めても遅くない時期です。親の体力があるうちに準備を進めましょう。
80代以上の親を持つ方
生前の実家じまいを検討しているなら早急な対応が必要です。専門業者のサポートを積極的に活用することをおすすめします。
実際の生前の実家じまいには何が必要?
これまで、生前に実家じまいを進めることの大切さについて触れてきました。
しかし、「何から始めればいいのか分からない」という方も多いでしょう。
ここでは、生前に実家じまいを行う際の流れと、押さえておくべきポイントをご紹介します。
STEP1.まずは話し合い

これは、生前でも親の死後でも関係なく、実家じまいを行う上で最も重要なことです。
親子・親族としっかり話し合い、今後のヴィジョンをしっかりと見定め、決定していきます。
話し合うポイント
親が元気なうちだからこそ、本人の希望を聞きながら決められます。
また、後のトラブル防止のためにも、決定事項はメモや文書で「記録」しておきましょう。
STEP2.思い出と物の整理をはじめる

実家には長年の思い出や物がたくさん残っています。生前であれば急ぐ必要がないため、じっくりと整理ができます。
大切なのは無理のない進め方
親と一緒に進めることで、物に宿るエピソードも共有でき、区切りをつけやすくなる効果もあります。
年齢を重ねると、物を捨てられなくなるものです。
「捨てる」というワードを使わず「売る」や「あげる」といったワードを使うことで、スムーズに片付けが進みやすくなります。
STEP3.不用品の処分
仕分けがある程度済んだら、不要なものを処分します。
地域の粗大ごみ回収
品目によって異なりますが、1つ200円~2,000円と安価なため、費用を抑えられます。
売却

ブランド品や貴金属など、価値のあるものは買取店やフリマアプリなどで売却することで、片付け費用を補填できます。
不用品回収業者を利用

ごみの分別や、搬出・運搬など、業者が代わりに行ってくれます。
さらに、買買取サービスも行っている不用品回収業者を利用すれば、費用を安く抑えられる場合もあります。
リサイクル・寄付
売却できなさそうな品物でも、まだ使えそうなものは、リサイクルや寄付をすることで環境に配慮できます。
捨てるのに抵抗のある方にもおすすめの方法です。
STEP4.不動産の方向性を決定する
家や土地をどうするか、親の希望も踏まえて方針を決めます。
よくある選択肢
親の気持ちを尊重しつつ、家族で納得のいく選択をすることが大切です。
マンション・戸建てによっても対応は異なるので、不動産会社や自治体の空き家相談窓口も活用するのもおすすめです。
自治体によっては補助金が出る場合もあるので、相談の際に確認しましょう。
STEP5.名義・契約などの整理・変更
確認・整理すべき項目
親が元気なうちに名義の確認や変更を済ませておくと、後の手続きがスムーズになります。
また、親が認知症を発症した場合など相続手続きが困難になる場合もあるため、早めの対応をおすすめします。
STEP6.専門家のサポート活用

実家じまいでは、初めて経験することが多く、戸惑う場面も少なくありません。無理をせず、必要に応じて外部の力を借りることも大切です。
家族だけで抱え込まず、プロのサポートを上手に活用しながら進めていきましょう。
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実家じまいを寂しいと思わないためには
「実家がなくなるのが寂しい」
「親に負担をかけて申し訳ない」
など、実家じまいでは寂しさや罪悪感などを覚えやすいため、物理的な作業だけでなく心の整理も必要です。
思い出を残す工夫をする
処分の前に、思い出の場所や家具などを写真や動画で残すことで、気持ちを切り替えやすくなります。
また、片付けながら「この品は誰が使っていたね」と思い出話をするのもおすすめです。
その写真や動画、時間を振り返ることで、家族との新しいコミュニケーションの時間が生まれます。
家族の絆は建物ではなく、心の中にあることを思い出しましょう。
新しい形での家族のつながりを作る機会と捉えることも大切です。
将来の親への思いやりだと考える
「片付けの話をするなんて、親に負担をかけてしまうのでは」と悩む方も多いかもしれません。しかし、生前の実家じまいは、親への思いやりのかたちでもあります。
将来、体力的に片付けが難しくなったり、判断力が低下してしまった場合に備えて、今のうちから家族で一緒に考え、少しずつ整理を進めておくことは、親にとっても大きな安心材料になります。
生前の実家じまいで今すぐできること

この記事を読んで「やってみよう」と思った方へ、今すぐできる行動をご提案します。
検討初期の方
検討中の方
実行検討中の方
実家じまいを成功させるポイント
早めに準備してスケジュールに余裕を持つ
思い出の品が出てきたり、思っていたよりも物が多いなど、片付けに時間がかかることもあります。また、せっかく思い立っても面倒になり後回しにしてしまうこともあります。
早めに行動を開始し、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
大まかな金額を調べておく

不用品回収にかかる費用や、解体に間に合わなかった場合の違約金などを事前に調べておくことで、スムーズに目標へ向かいやすくなります。
親の気持ちに配慮する

生前に子どもが主体となって実家じまいを進める場合、親は「勝手に進められた」と感じ、強い抵抗感を示すことがあります。大切なのは、親のプライドや長年住み慣れた家への愛着を理解し、尊重することです。
事前の説明と確認を丁寧に行い、「一緒に進めている」という姿勢で、根気強く話し合いを重ねましょう。
時には感情的な衝突もあるかもしれませんが、親の気持ちに寄り添い、じっくりと時間をかける覚悟が必要です。
まとめ|生前だからこそ「想い」と「準備」を両立できる
生前実家じまいや生前整理は、ご自身の老後の安心のためだけでなく、残される家族への「優しさ」でもあります。
親が元気なうちに準備を進めておくことで、もしもの時に親族が慌てることが少なくなり、故人を偲ぶ時間をゆっくりと持てるようになります。
生前の実家じまいには、
という大きな利点があります。
未来のトラブルを防ぎ、家族みんなが納得できるかたちで「家をしまう」ためにも、早めの行動が安心です。
迷ったときはリユース相談本舗へ!
どこから手をつけて良いか分からない、誰に相談したら良いか迷っている、という場合は、「リユース相談本舗」のような専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。あなたの状況や気持ちに寄り添い、最適な生前実家じまいの方法を提案してくれるはずです。
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