実家じまいとは?後悔しない売却手順や費用などの完全ガイド

- 実家じまいとは?
- 実家じまいを始めるタイミングは?
- 実家じまいはメリットがある?
- 実家じまいの進め方
- 実家じまいにかかる期間
- 実家じまいにかかる費用
- 実家じまいに補助金がでることも!
- 実家じまい|相続登記の基礎知識
- 実家の処分や売却で後悔しないためには
- 実家じまいの注意点|よくあるトラブル
- 専門家に相談すべきタイミング
- まとめ
- 親の意思を直接確認できる
- 思い出の品や重要な書類の整理がスムーズ
- 相続トラブルを避けられる
- 税制上のメリットを活用しやすい
- 建物ごと売却する
- 更地にして売却する
- 賃貸として活用する
- 親族が住む
- 遺品を整理・把握する
- 必要か否かを相続人全員で判断する
- 価値のある物は買取業者に相談する
- 不要な物は適切に処分する
- 地域に詳しい地元の不動産会社
- 全国展開している大手不動産会社
- 空き家専門の業者
- 一般的な住宅:1〜2週間程度
- 敷地が広い場合や離れがある場合:3週間〜1ヶ月程度
- 粗大ごみ処理券:1個につき数百円〜数千円
- ごみ処理場への持ち込み:10kgあたり100〜300円程度
- 軽トラック1台分:1〜5万円
- 2トントラック1台分:4〜10万円
- 一軒家丸ごと(4LDK):20〜50万円
- アスベストの有無
- 重機の搬入経路
- 隣接する建物との距離
- 地域による処分費の違い
- 庭木の伐採・撤去:1本あたり5,000円〜3万円
木の高さや幹の太さによって金額に差がでます。また、伐採だけでなく、根を取る抜根作業を行うとさらに費用は高くなります。 - 納屋の解体:10〜30万円程度
- 石垣やブロック塀の撤去:1㎡あたり5,000〜1万円
- 引っ越し業者代:5〜20万円
- 新居の敷金・礼金:家賃の2〜4ヶ月分
- 不動産仲介手数料:家賃1ヶ月分
- 不動産は「登記簿上の名義」が誰かで法的に管理責任が変わる
- 相続登記をしないと、売却や賃貸などができない
- 相続財産の分配方法での意見対立
- 実家じまいにかかる費用負担の問題
- 売却価格に対する意見の相違
- 相続税が支払えない
- 維持費の負担が継続
- 物件価値のさらなる下落
- 1.大手不動産会社と地域密着型不動産会社の両方に相談する
- 2.価格設定を現実的に検討する
- 3.空き家バンクへの登録も検討する
- 相続登記や不動産売買が必要なとき
- 税制優遇や譲渡所得税が絡むケース
- 解体・回収・リフォームなど、実務的負担が重いとき
- 親族間で意見が割れているとき
- 家族全員で十分な話し合いを行うこと
- 相続が発生する前から方向性を共有すること
- わからないときは専門家と連携し、計画的に進めること
「実家をどうするか、いつか考えないといけない…」
そう思いながらも、忙しさや気持ちの整理がつかず、つい後回しになっていませんか?
実家じまいは、家族の想い出が詰まった場所と向き合う、人生の大きな節目です。
しかし、放置すれば固定資産税や修繕費などの年間数十万円もの負担がかかる場合や、相続トラブルや近隣トラブル、空き家リスクへとつながることも。
この記事では、「何から始めればいいのか分からない」方でも安心できるように、実家じまいの手順・費用・タイミング・注意点まで、丁寧に解説していきます。
実家じまいとは?
実家じまいとは、親が住んでいた実家を片付け、今後の管理や活用方法を決めることを指します。
家財の整理や処分、家の売却・賃貸、時には解体など、家そのものに関わるさまざまな手続きを進めて行く必要があります。
これは単なるモノの整理であるだけでなく、家族のこれからを見据えた大切なプロセスとも言えるでしょう。
実家じまい当日の「リアルな現場」をYouTubeで公開していますのでぜひご覧ください
誰が実家じまいを行うのか
実家じまいを行う人は状況によって異なります。
親がご存命の場合
原則としては親自身が主導するのが理想です。
ただし、高齢や施設入居などで難しい場合は、子どもや親族が一緒に進めたり、主体となって実家じまいを担うケースも増えています。
親が亡くなっている場合

この場合は、相続人(主に子ども)が実家じまいを行うことが一般的です。
相続人が複数いるときは、必ず事前に話し合いをし、納得したうえで進めることが大切です。
実家の近くに住む方が実務を担うこともありますが、遠方からでも協力できる方法はたくさんあります。
「遠方に住んでいるから」と兄弟などに任せきりにしてしまうと、関係がぎくしゃくしてしまうケースもあります。
そんなトラブルを避けるためにも、できる範囲で協力し合う姿勢を大切にしましょう。
実家じまいを始めるタイミングは?
「いつかやらなきゃ」と思っていても、つい先延ばしにしてしまいがちな実家じまい。
その“いつか”が、落とし穴となってしまいます。
以下のようなタイミングが、行動を起こす良いきっかけになります。
実家じまいのきっかけ
親が高齢になり、家の管理が難しくなってきたとき
高齢になると、庭の手入れや掃除、設備の維持管理が困難になりがちです。住み慣れた家でも、階段の上り下りや冬場の寒さがリスクになることも。
また、実際に庭の草木が伸び放題になり、近隣から苦情が寄せられたケースや、屋根の修繕を放置した結果、雨漏りで家財がダメになったケースもあります。
事故や転倒を防ぐためにも、早めに実家の今後を見直すことが大切です。
親自身が老後(終活)を考えるようになったとき

親が高齢になり、体力的に家の管理が難しくなってきたときなど、親自身が「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、元気なうちに実家じまいを決断するケースが増えています。
また、「気持ちの整理ができているうちにやっておきたい」「自分の意志で決めたい」と思うのは、とても自然な感情です。
親の気持ちを尊重しながら、家族でじっくりと話し合いましょう。
実家が空き家になりそうなとき
高齢になった親が介護施設や老人ホームに入所する際、実家が空き家になりそうなタイミングで実家じまいを検討することも。
一時的な入院であっても、長期化すれば実質的に空き家となる可能性があります。
戻る予定があるかどうかを含め、今後の住まい方を家族で共有しておくのがおすすめです。
実家に誰も住まなくなったとき
子ども世代が独立した後で、親が亡くなった場合などは空き家になってしまいます。
誰も住んでいない状態が続くと、建物の劣化が進み、不動産価値の低下や、税金・維持費の負担だけが残る状態に。
早めに今後の使い道や処分方法を検討することで、負担やリスクを最小限に抑えることができます。
実家じまいは生前に行うのがおすすめ
など様々な理由で、実家じまいは早めに行うことをおすすめします。
・生前の実家じまいは寂しい?後悔しないための片付け方法や対策
・実家じまい・生前整理とは|それぞれの違いと進め方リスト
実家じまいはメリットがある?

実家じまいには、心にも暮らしにもプラスになるメリットがあります。
実家じまいのメリット
空き家として放置せず、管理責任を解消できる
誰も住んでいない家は、維持・管理の責任がつきまといます。早めの対応でこれらの負担を手放すことが出来ます。
固定資産税や修繕費など、金銭的負担の軽減
管理にかかるコストを削減でき、精神的・経済的なゆとりが生まれます。
家族の将来に向けた備えになる
「親の家をどうするか」は、多くの家族にとって共通の課題です。早めに動くことが、安心につながります。
「片付け=終わり」ではなく、家族のこれからを守る行動だと考えてみることが大切です。
後回しにしがちな実家の問題こそ、早めに動くことが後悔を防ぐ最大のポイントです。
実家じまいをしないことによるデメリット
一方で、実家じまいをせず放置すると、次のようなリスクや負担が発生します。
税制優遇制度を受けられない
空き家となった実家を売却する際、一定の条件を満たすと「相続空き家の特別控除」を受けられる場合があります。
これは、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間で、相続から3年以内に空き家を売却した場合などに適用され、譲渡所得から最大3,000万円が控除される制度です。
しかし、売却が遅れてこの期限や条件を満たさない場合、特別控除が適用されず、数十万円〜数百万円の譲渡所得税を追加で支払うことになる可能性があります。
早めの実家じまい・売却判断が、税負担を大きく左右するポイントになるため、放置せず計画的に行動することが大切です。
物件価値の下落
建物は人が住まなくなると、住んでいたころよりも早いペースで経年劣化が進みます。
空き家のまま放置することで、売却時の価格が大幅に下がる可能性があります。
犯罪や事故リスクの増大

管理されていない空き家は、不法侵入や犯罪の拠点として利用されるリスクが高まります。
これにより、近隣地域の治安悪化にもつながる可能性があります。
また、崩落した際や、壁や屋根などが落ちて、誰かが事故に巻き込まれることもありえます。
実家じまいは、自分自身の負担軽減だけでなく、地域社会への貢献にもつながる行動です。
「今だからこそできる備え」として、前向きに取り組むことが大切です。
実家じまいの進め方

1. 方向性を決める
主な選択肢
マンションか戸建てかといった住宅の種類によっても、実家じまいの選択肢は変わってきます。
そのため、今後どうするかは家族・親族全員でしっかり話し合うことが大切です。
事前の共有や合意がないまま進めてしまうと、後になって意見の食い違いが起き、大きなトラブルに発展することもあります。
「誰が決めるか」ではなく、「どうすれば皆が納得できるか」を軸に進めましょう。
2. 不用品を処分する

どの活用方法を選択するにしても、不要な物の処分は必須です。
処分の進め方
この段階で重要なのは、相続人全員の合意を得ながら進めることです。
3. 不動産業者などに相談する

処分の方向性が決まっている場合は、専門業者に相談します。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、複数社に相談して比較検討することをおすすめします。
相談先の選び方
4. 売却・貸出・退去
最終的な処分方法に応じて手続きを進めます。
売却の場合
・不動産会社と媒介契約を締結
・売買契約・決済を実施
賃貸の場合
・賃貸管理会社と契約
・借り手が見つかれば賃貸開始
実家じまいにかかる期間
実家じまいの流れを説明しましたが、実際に作業すると、どのくらいの期間がかかるものなのか不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの章では、片付け・解体・売却にかかるおおよその期間の目安をご紹介します。
もちろん、物の量や建物の状況、ご家族の事情によっても期間は大きく変わりますので、あくまで「こんなケースもあるんだな」くらいの感覚でご覧ください。
片付け期間

自分で行う場合
週末作業で3〜6ヶ月程度かかるといわれています。
集中的に行う場合でも1〜2ヶ月程度の期間を要するのが一般的です。
もちろんペース次第で、早くも遅くもなりますが、大切なのは無理をしないとことです。
不用品回収業者を利用する場合
物の量により変動しますが、見積もりから搬出まで1〜3日程度かかります。
解体期間

売却期間
平均期間:2〜6ヶ月程度
立地や物件状況により大幅に変動し、場合によっては1年以上かかることも。
売却期間は市場環境や物件の魅力度に大きく左右されるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
実家じまいにかかる費用

実家じまいにかかる費用は、選択する方法や物件の状況により大きく異なります。主な費用項目を詳しく見ていきましょう。
不用品の処分にかかる費用
自分で処分する場合
不用品回収業者を利用する場合
費用を抑えるには、可能な限り自分たちで粗大ごみやごみ処理場に持ち込むことが効果的です。
ただし無理は禁物で、時間や手間、体力的な負担を考慮し、プロの力を借りることも賢明な選択です。
老朽化した住宅の解体費用
実家が古く老朽化している場合、建物を解体して更地にした方が好条件での売却が見込めるケースも少なくありません。
※更地にすることで固定資産税が高くなるので注意が必要です。
木造住宅の解体費用相場

1坪あたり3〜5万円が相場だといわれています。
30坪の住宅の場合だと、90〜150万円程度かかるという計算になります。
ただし、以下の要因により費用が変動します。
庭木や納屋などの撤去費用

売却にかかる手数料
実家の売却時には不動産会社を挟む方がほとんどだと思われます。
売却成約時にかかってくるのが「仲介手数料」です。
仲介手数料の計算方法
一般的な仲介手数料は売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税です。
1,000万円で売却した場合:39万6,000円(税込)
2,000万円で売却した場合:72万6,000円(税込)
の仲介手数料を不動産会社に支払うことになります。
引っ越し関連費用

親が施設入所や転居する場合の費用です。
実家じまいに補助金がでることも!
空き家の増加が社会問題となっている昨今、実家じまいに関する費用の一部を自治体が補助してくれるケースがあります。
解体費用やブロック塀の撤去、家財整理など、さまざまな支援制度が設けられています。
東京都の場合|空き家の家財整理・解体に補助
東京都では「東京都空き家家財整理・解体促進事業」が実施されており、空き家の家財整理や建物解体にかかる費用の一部が補助されます。※2025年6月時点
大阪市の場合|ブロック塀の撤去に補助
大阪市では「ブロック塀等撤去促進事業」を実施しており、地震時の倒壊リスクを防ぐため、一定の基準を満たすブロック塀の撤去や、軽量フェンス等の設置工事に対して補助が受けられます。※2025年6月時点
まずは自治体の公式サイトを確認しましょう
補助金制度の有無や内容、申請方法は自治体ごとに異なります。
実家がある市区町村の公式ホームページで「空き家 補助金」「家財整理 補助」「解体 補助」などのキーワードで検索してみましょう。
補助を受けるには、事前申請が必要なケースがほとんどです。
必ず着工前に情報を確認し、要件や申請期限を把握しておくことが重要です。
実家じまい|相続登記の基礎知識

ここでは親が亡くなり、不動産を相続登記する際の法的手続きを簡単にご説明していきます。
実家じまいにおける相続とは?
親が亡くなって誰も住まなくなった実家は、相続手続きを経て、名義を変更する必要があります。
相続登記(名義変更)の基本フロー
1.戸籍の収集
登記事項証明書や戸籍などの書類を揃える
2.遺産分割協議
相続人全員で不動産の分け方を話し合います。
書面に残しておくと安心です。
3.登記申請
登記簿を変更。法務局に書類を提出する。
書類に不備はなく登記の完了予定日になれば完了書類を受け取れるので、相続人がきちんと変更されているかなど、確認しておくようにしましょう。
固定資産税との関係
名義変更をせずに放置していても、固定資産税は「現名義人(=亡くなった親)」宛に課税され続けます。
それを放置すると、未納が累積し、将来的に差し押さえの対象になることもあるため、早期の登記変更が必須です。
実家の処分や売却で後悔しないためには
実際に実家じまいを経験した方の声を聞くと、「片付けてから後悔した」という人よりも、以下のような後悔を抱える人の方が多いことがわかります。
「家族・親族ともっとコミュニケーションを取りながら進めればよかった」
「もっと早く実家じまいに着手しておけばよかった」
「親の気持ちをもっと聞いておけばよかった」
このことからも、実家じまいは適切なタイミングで、家族全員できちんと話し合いながら、進めていくことが重要だと、改めてわかります。
だからこそ、この記事を通じて、後悔のない実家じまいを実現するためのヒントを見つけていただければ幸いです。
実家じまいの注意点|よくあるトラブル
金銭面での親族間トラブル

これらのトラブルを避けるには、事前に十分な話し合いを行い、書面で合意内容を残すことが重要です。
売却先が見つからない
片付けを終わらし売り出したものの、実家が売れない場合、以下のような深刻な問題が発生する可能性があります。
対策
空き家バンクとは
自治体が運営する空き家の情報登録・紹介サービスで、状態の良い空き家などを対象に、売買や賃貸のマッチングを支援してくれます。
登録は無料で行えますが、実際に売買や賃貸契約が成立した際には、不動産会社による仲介手数料が発生するので注意が必要です。
税金に関する注意点
契約書がないと譲渡所得税が高額になる
不動産を売却した際の税金計算において、取得費が不明な場合は売却価格の5%しか経費として認められず、税負担が大幅に増加します。
タイミングを誤ると相続税が高額になる
相続発生前後で税制上の取り扱いが大きく異なるため、適切なタイミングでの実家じまいが重要です。
固定資産税の変動
住宅が建っている場合は「住宅用地の特例」により、固定資産税が大幅に軽減されます。
しかし、建物を解体して更地にすると、この特例が適用されなくなり、税額が数倍に増えることもあります。
更地にすることで売却しやすくなるケースもありますが、解体費用+固定資産税の増額分も含めて、総合的に検討することをおすすめします。
専門家に相談すべきタイミング

不安を抱えたまま進めるよりも、専門家に相談することで円滑に進められます。
まとめ
「実家じまい」は、物理的な片付けだけでなく、家族の歴史や思い出と向き合う時間でもあります。
感情的に辛い場面もありますが、放置することで発生する問題(維持費の負担・資産価値の低下・近隣への迷惑など)を避けるためにも、適切なタイミングでの実行がとても重要です。
実家じまい成功のポイント
これらを意識することでトラブルを防ぎ、安心して実家じまいに取り組むことができます。
大切な節目だからこそ、前向きな気持ちで一歩ずつ進めていきましょう。
リユース相談本舗では、実家じまいをサポートしています。
思い出のたくさん詰まった実家を手放すときは、なかなか気持ちの整理がつきにくいものです。
リユース相談本舗では1人1人に寄り添い、あなたにあったペースやプランをご提案させていただきます。
悩んでいる「今」だからこそ、リユース相談本舗の無料相談をご活用ください。
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