仏具セットは処分できる?リンなど小物の処分方法と買取相場

「仏壇は処分したけど、仏具はどうすればいいの?」「リンや香炉だけが手元に残ってしまった…」そんなお悩みはありませんか?時間を共にしてきた大切な仏具だからこそ、安易に捨ててしまうのは気が引けますよね。

この記事では、もう使わなくなった仏具を、心置きなく手放すための具体的な方法を分かりやすく解説します。

仏具セット全体の処分から、おりんや香炉といった小物ひとつひとつの取り扱いまで、あなたが納得できる方法がきっと見つかります。
もう使わない仏具をどうすべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

仏具とは

仏具(ぶつぐ) とは、仏壇やお寺で仏さまを礼拝・供養する際に用いる道具の総称です。

お経を唱えるときや、お供えをするときなどに使われ、仏壇に欠かせない存在です。花や香り、灯りや音を通じて仏さまに祈りを届け、故人や先祖への感謝や敬意を形にします。

主な仏具一覧

  • 仏像 … ご本尊として祀る仏さまの像
  • 掛け軸 … ご本尊や脇仏を表す掛け軸。仏像の代わりに祀られることもある
  • 位牌(いはい) … 故人の霊を祀るための木札
  • おりん(リン) … お経を唱える際に鳴らす金属製の道具
  • 花立・花瓶(はなたて) … 供花を供えるための器
  • 香炉(こうろ) … お線香を立てるための器
  • ろうそく立て(燭台/しょくだい) … ロウソクを立てるための器
  • 線香立て …線香を立てるための器
  • 茶湯器・仏飯器 … お茶やご飯をお供えする器
  • 過去帳 … 家族や先祖の法名や戒名を記録した帳面
  • 経机(きょうづくえ) … お経本やお供物を置く小机
  • 前卓(ぜんじょく) … 花瓶、りんなどを置くための台

仏具は処分しても大丈夫?

仏具は処分しても問題ありません。

「神聖なものだから処分してはいけない」と思う方もいるかもしれませんが、傷んだり古くなったりした際には買い替えに伴って処分されるものです。
不要になった仏具の処分方法はさまざまで、ご自身が納得できる方法を選んで問題ありません。

閉眼供養(魂抜き)が必要な仏具

リンや香炉などの仏具は、「魂が宿るものとは考えられていない」ことが多く、ほとんどの仏具は特別な儀式を行わず処分できます。

一方で、「位牌」「仏像」「掛け軸」は礼拝対象とされる仏具であるため、お寺などで供養(閉眼供養・お焚き上げ)を行うのが望ましいです。
また、供養が不要な仏具であっても「罰が当たりそう」「しっかりとお別れしたい」と感じる場合には、供養を依頼することも可能です。

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仏具の主な処分方法

仏具の処分といっても、方法は様々です。
ここでは、どのような処分方法があるのかご紹介していきます。

パターン1. お寺や仏具店で供養・お焚き上げ

お寺や仏具店に依頼し、魂抜き(閉眼供養)からお焚き上げまでを行ってもらう方法です。

菩提寺や仏具を購入した仏具店に依頼することが一般的です。
もし心当たりがない場合は、近くのお寺に相談してみるとよいでしょう。

閉眼供養とは|仏壇処分での魂抜きの方法とお布施や注意点

パターン2. 仏具を買取に出す

仏具を取り扱っている買取店やリサイクルショップなどで買取してもらう方法です。

リンや香炉など金・銀・真鍮が使用された金属製仏具や紫檀・黒檀などの 銘木製の経机や前卓など素材面で売却が可能です。
また、作家ものや骨董品価値のある 仏像・香炉・掛け軸なども、リユースや買取が可能で、処分費用の補填につながることもあります。

パターン3. 不用品回収で供養・お焚き上げ

仏具を取り扱う不用品回収業者に供養・お焚き上げを依頼する方法です。

お寺や仏具店と異なるのは、仏具だけでなくその他の不用品もまとめて引き取ってもらえる点です。
さらに、買取にも対応している業者を選べば、仏具の買取から供養・お焚き上げまでを一括で任せられるため、負担を減らすことができます。

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パターン4. 寄付・譲渡

施設や知人に寄付する方法です。

状態の良い仏具であれば、寄付を受け付けている施設や知人などに寄付・譲渡できることもあります。
「まだ使えるものを捨てるのは気が引ける」という方に選ばれる方法です。

売れる仏具と買取相場

仏像

相場:数千円〜数十万円以上

銅・真鍮・木彫・金箔など素材に価値があります。
また、高村光雲など著名作家が作った仏像は、骨董品として評価され、100万円を超える高価買取が期待できます。

掛け軸(ご本尊や脇仏のもの)

相場:数千円〜1万円前後

有名画家・僧侶の真筆によるものは骨董価値があり、買取価格も高くなる傾向にあり、数十万円以上の値が付くこともあります。

経机/前卓

相場:数千円〜数万円

高級木材製や金素材のものなどは、素材として評価がされるので買取が可能です。

ろうそく立て/燭台

相場:数千円〜

金・銀・真鍮製は素材として価値があり、重量によっては、高額での売却が期待できます。
また、ペアで揃っていると評価が上がります。

花立/花瓶

相場:1,000円〜

真鍮製・銅製が多く、実用性が高い。素材とサイズによって評価が変わります。

リン(おりん)

相場:数百円〜1万円程度

純金で出来たものは、100万円を超えて取引されます。
銅や真鍮製が多く、状態が良いものは需要がある。宗派を問わず使われるためリユース価値が高い。

香炉

相場:数千円〜数十万円

青銅や陶磁器の香炉は骨董価値がつくこともあります。彫刻や銘のあるものは高額で買取されることもあります。

数珠

相場:数千円〜数万円

翡翠、ルビー、サファイアなど石自体に価値がある場合は高価買取が可能です。また、パワーストーンとして人気の石も同様に買取してもらえます。

仏具を高く売却するコツ

状態を整えておく

簡単な清掃・ホコリ取り・磨きで見た目が良くなると査定額が上がりやすくなる傾向にあります。
また、傷や欠けがあると減額になるため、梱包も丁寧におこないましょう。

仏具をセットで売る

1点では需要のない物でも、花立・燭台・香炉の三具足、五具足など揃っていると評価が高くなりやすいです。
ペアの燭台や花立は「片方だけ」よりも2点揃いで売ることで、査定額UPの傾向にあります。

仏具に知識のある買取店で売却する

知識のない買取店では、素材や銘、作家などを正しく査定してもらえず、買いたたかれてしまう可能性があります。
事前に、公式ページで買取実績などを確認することをおすすめします。
また、Googleレビューなどで口コミもチェックしておくとより安心して利用できます。

複数業者で相見積もり

一般のリサイクル店では価値を正しく見抜けないことがありますが、複数のに査定を依頼することで、知識のない買取店に安く売却してしまうリスクを避けられます。
また、相見積もりをした中から査定額が一番高い買取店を選ぶことが可能です。

売れなかった仏具はどうしたらいい?

仏具の処分方法は複数あります。

  • お寺でお焚き上げ
  • 仏具店でお焚き上げ
  • 供養の出来る不用品回収でお焚き上げ
  • 自治体のルールに従って処分する

もし仏具以外にも不用品がある場合は、供養にも対応出来る不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
仏壇や仏具は、提携している宗派に合わせたお寺で供養・お焚き上げを行ってもらえます。さらに、不用品を買い取ってもらえれば、その分の費用を補填することも可能です。

閉眼供養にかかるお布施や服装などの細かなマナーを気にしなくてよい点も、精神的な負担を軽減できるメリットの一つです。

リユース相談本舗がご紹介する「供養にも対応できる回収業者」では、宗派が異なる場合の対応や供養証明書の発行など、お客様の心に寄り添ったサービスをご提供します。
また、価値のある仏具についてはしっかりと見極めて買取いたしますので、安心してお任せください。

>>リユース相談本舗について詳しく見る

こんな時どうすればいい?よくある質問

Q1.すべての仏具を処分していいの?

A. すべての仏具を処分して問題ありません。
ただし、位牌は故人の魂が宿る「依り代(よりしろ)」とされ、仏具の中でも特に重要な意味を持ちます。
可能であれば、位牌だけは残しておいてもよいでしょう。

Q2. 古い仏具の作者や価値がわからないけど売れる?

A.価値が不明の場合でも、専門家による査定を受けてみましょう。
古い仏具には貴金属が使用されていたりと、思わぬ価値が隠れていることがあります。
特に明治時代〜昭和初期の仏具には、有名作家の作品や貴重な材料が使われている場合があるので、まずは一度仏具を取り扱っている買取店などに査定に出してみましょう。

Q3. 家族間で処分について意見が分かれた時

A. 十分な話し合いと段階的な解決策を検討しましょう。
仏具の処分は家族の価値観や宗教観が現れやすく、意見の対立が生じることがあります。円満な解決のためのアプローチをご紹介します。

よくある意見の対立

  • 処分派 vs 保持派
    「もう使わないから処分したい」vs「先祖から受け継いだものを手放すのは忍びない」
  • 買取派 vs 供養派
    「価値があるなら売却したい」vs「お金に変えるのは不謹慎」
  • 伝統重視 vs合理性重視
    高齢者世代の伝統重視 vs 若い世代の合理性重視による世代間の価値観の違い

解決のためには

全員での話し合いの場を設けましょう。

話し合いのポイント

  • 感情的にならず、それぞれの考えを聞く
  • 仏具処分の理由(引越し、住宅事情など)を共有
  • 菩提寺の住職にも相談し、宗教的な観点からの助言を求める

第三者の意見を聞くのもおすすめです。
リユース相談本舗でも、処分方法からご家族の納得できる落としどころまで、仏壇処分に関するご相談を受け付けています。

まとめ

仏具の処分は、多くの方にとって初めての経験であり、宗教的な意味合いも含むため、不安や迷いを感じるのは自然なことです。
しかし、適切な知識と手順を踏めば、故人や先祖への敬意を保ちながら安心して処分することができます。

「罰が当たるのでは」「先祖に申し訳ない」といった不安を感じる必要はありません。
適切な供養と処分方法を選ぶことで、きっと故人も安心してくれるはずです。

わからないことや不安なことがあれば、一人で悩まず、菩提寺や専門業者に相談することから始めてみてください。あなたとご家族にとって最適な仏具処分の方法が必ず見つかります。